未来館で忍者になれる!? 「忍者ってナンジャ!?」開催中
「The NINJA 忍者ってナンジャ!?」は、科学的に忍者にアプローチする日本科学未来館ならではの企画展だ。
最先端の科学とテクノロジーをテーマにした、日本を代表する展示施設のお台場・日本科学未来館で、忍者を科学する企画展「The NINJA 忍者ってナンジャ!?」が開催中だ。10月10日(月・祝)まで開催されるので、特にお子さんがいる方はこの夏休みに連れて行ってあげるのにちょうどいいイベントのひとつとなっている。もちろん大人だけでもOK!
しかも、JAF会員なら特別優待の割引料金で閲覧可能。さらに、今回は同館の協力を得て、抽選で18組36名の方に特別優待券もプレゼント。詳しくは記事の最後でお伝えだ。※特別優待券のプレゼントは終了しました。
真実の忍者とはいったい!?
さて忍者というと、古くからマンガやアニメなどで描かれてきたような、もはや超能力者といっていいレベルの体術や戦闘力を有した超人というイメージが強い。そんな忍者が活躍する漫画やアニメ、小説、TVドラマ、映画などを、どの世代の人でも少なくとも1作品ぐらいは思い浮かべられるだろう。
入り口からすぐとのところには、忍者を題材としたフィクションが集められている。
さすがにそうしたフィクションのような存在ではなかったわけだが、実際にもすごかったらしい。しかし、実際にどこまですごかったのかというと、それが虚実入り交じった状態で伝わっているため、実はこれまでのところ正確なところははっきりとはわかっていなかった。後世に創作されたフィクションのイメージが強すぎて、知名度はバツグンだが、その実態が実は判然としない存在だったのである。
三重大学・山田雄司教授らの研究で忍者の真実が徐々に明らかに
しかし、近年になって三重大学人文学部の山田雄司教授らの研究により、その実態が徐々に明らかになってきた。忍者とは「心・技・体」の総合的な力を兼ね備えた存在であり、忍術とは自然や社会に対する、実践的な知識の蓄積だったという。
今回の企画展は山田教授の総合監修を受け、これまで同教授ら三重大学の研究で明らかになってきた研究の最新の成果が、惜しげもなく投入されたものである。記録として残されている忍術書や現代科学による分析を通して真実の忍者の姿に迫り、そこから現代でも生き抜いていくために有用なヒントを探っていくという内容なのだ。忍者や忍術は、現代でも通じるものなのである!
忍者といえばその身体能力の高さだが、それにはきちんとした科学的な理由がある。そうした解説をいくつも用意
展示内容は心と技と体の3つを鍛える3ステージで構成
ステージ1の「体をきたえよ」にある、手裏剣を打てる「打」のコーナー。手裏剣の打ち方を教えてくれる。
さて今回の企画展だが、3つのステージで構成されている。その1が「体をきたえよ」、その2が「技をきわめよ」、その3が「心をみがけ」だ。
ステージ1の「体をきたえよ」は体験型の内容となっており、手裏剣を的に向かって「打って」みたり(手裏剣は投げるではなく、「打つ」と表現するのだ!)、センサーがセットされた床を抜き足差し足で音を立てずに歩いてみたり、という具合。
そのほか、五感の鋭さを確かめたり、ジャンプ力を鍛えたりと、思わず、成功するまで挑戦したくなること間違いなしの体験型コンテンツが複数用意されている。
忍者といえば天井裏などでの隠密行動。「忍」のコーナーでは、どれだけ静かに移動できるかに挑戦。
忍者は身体能力だけでなく知識や技術もすごかった!
そして、ステージ2の「技をきわめよ」は、忍者の駆使した道具や武器、防具などが紹介されているほか、身につけた知識の量のすごさがわかる内容となっている。忍者というと、どうしてもフィクションのイメージから身体能力のすごさにのみ目が行ってしまいがちだが、それだけの存在ではないのだ。
すべて重要な情報は自分の頭にのみしまったという記憶術や、現代と違ってインターネットも携帯もまったくない時代に味方と情報をやりとりした伝達術、単独での長期任務が多かったので自らの体調を管理するための食や医学の知識、今のようにGPSなどがない時代に正確に方位を読んで移動した方法など、今でも通じる知識や考え方、サバイバル術などの数多くを身につけていたのだ。
忍者の武器や道具なども展示。常時は必要最低限の7つの道具を備えて活動したという。
要は、忍者たちは、現在なら間違いなくトップクラスの成績を出したであろうスーパーアスリートであるだけでなく、いくつもの分野の学問をマスターした文武両道に非常に秀でた存在でもあったのである。まさに、超一流のエージェント集団、スパイ軍団だったというわけだ。
そしてステージ2の後半は、これまでの展示内容で得られる知識を駆使して、3択クイズに答えて味方に狼煙(のろし)を上げるというミッションに挑戦する内容である。大人でも真剣に取り組まないとクリアーできないほど、結構な難易度である。
ステージ2の後半では、味方に狼煙を上げるという内容の任務が待つ。小さい子も遊べるよう工夫されている。
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ステージ3では忍者のアクションでお馴染みのあのポーズが!
心を鍛錬するステージ3では「九字の印」も学べる!
そして忍者のすごさを実感したところで、最後のステージ3「心をみがけ」。AR技術を利用して、ナンジャ大滝で打たれて心を鍛えた後は、ステージ1に入る前に登場した忍者の師匠が再登場。今回のイメージキャラクターである、シンノスケ、タイゾウ、ギエモンという3人の忍者たちの師匠なのだが、彼が最初に教えてくれた呼吸法を復習してくれた後、今度は忍法アクションでお馴染みの「九字の印」について教えてくれる。
フィクションで忍者が必殺技を放つ前に切る九字の印。これをマスターすれば忍者度数が大幅アップ!
九字の印を切るとは、「臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前」(りん・ぴょう(びょう)・とう・しゃ(じゃ)・かい・じん・れつ・ざい・ぜん)と唱えながら、それぞれの文字に合わせて手話のように両の手指を組み合わせていく動作のこと。フィクションでは、必殺技系の忍術を使う前にこの九字を切るアクションが描かれることが多い。
もちろん、現実の忍者は九字の印を切ったところで、電撃を発したり空を飛んだりといった、もはや超能力の域の忍術を繰り出したわけではない(はず)。それでは何のために使われていたのかというと、精神集中を行うためだったと考えられている。
警戒の厳しい敵地の中枢に潜入するような、自らの命もかかっているような大変な難局で、プレッシャーをはねのけて任務を達成して帰還するには、冷静さや柔軟さ、そして集中力が何よりも必須。九字の印は、精神集中を行うために用いられたというのだ。
ちなみに、それぞれの指の形は結構複雑なものもある。かなり難しいのだが、だからこそすべてを正確にそれも素早く唱えられると、忍者度数が確実にアップして、間違いなくかっこいい。保護者の方は、お子さんがマスターできるよう手伝ってあげよう。こうしてステージ3をクリアーすると、忍者認定書をもらえるという具合だ。
忍者の極意は、現代の我々にも十二分に通じるもの。心の持ちようで、誰でも忍者を目指せるのだ!
今や、世界でも非常に知名度の高く、日本のイメージキャラクターのひとつである「忍者」。未来館はもともと外国人の来館者も多いが、このイベントでさらに増えることが予想され、忍者のインターナショナルな人気を体験することも可能だろう。
この夏は、未来館で、かつて日本にそういう歴史の陰で活躍したスーパーエリートたちがいたことに思いを馳せてみてほしい。そして、この企画展で呼吸法や知識を身につけて、ぜひ現代の忍者を目指すべし!
忍者が好きな人だけでなく、これまで興味がなかった人にも足を運んでもらいたい企画展である。
JAF会員は優待割引があるほか、招待券のプレゼントも用意!
なお、入場料金は大人(19歳以上)1600円、中人(小学生~18歳以下)1000円(土曜日900円)、小人(3歳~小学生未満)500円となっている。企画展のチケットで未来館の常設展も一緒に見学可能だ。
そしてJAF会員には割引優待があるので、訪問する際は会員証を忘れないようにしよう。1枚の会員証で5人まで割り引きが可能だ。詳しくは、こちらをご覧いただきたい。
さらに、JAF東京支部のご当地情報のプレゼントページでは、抽選で18組36名にペア招待券を用意。締め切りは8月7日(日)なので、お早めに応募しよう!
2016年7月15日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)
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