サンジミニャーノ。貴族が競って塔を建てた中世都市の面影が残る。
ポッジボンシの考古学公園は、常時無料で入場可能。年2回、後述する「中世前期の葬儀」が行われる。
住居内部は、資材から工法に至るまで学術的な考証に基づいて再現されている。
毎年春と11月1日に行われる「中世前期の葬儀」のワンシーン。教授と研究者たちによる、リアリティ溢れる演技が繰り広げられる。
シエナ大学のマルコ・ヴァレンティ教授。「一般住民は土地を離れず農業に専念、狩猟は領主、と役割が分かれていました」
サンジミニャーノ一帯は、ボッカッチョの『デカメロン』にも登場する白ワイン「ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ」の産地である。
最も高いグロッサの塔(54メートル)から町を見渡す。
13世紀初頭の建立とされるサンフランチェスコ教会のファサード。といっても現在、内部はワインショップになっている。
いくつもの細い小道は、メインストリートであるサンマッテオ通りとサンジョヴァンニ通りに続く。
2つのメインストリートが交わるチステルナ広場。中世に町は巡礼路フランチージェナ街道と、ピサに至る交易路ピサーナ街道双方のおかげで大きく発展した。
塔を高層ビルに見立てて「中世のマンハッタン」と呼ぶ人もいる。
サフラン栽培農家のロベルトさん(右)と娘のロベルタさん(左)。収穫したサフランの花から雌しべを引き抜く。
摘んだ直後の雌しべ。加工した品は、水に浸して色素を溶け出させてから、ラヴィオリ、リゾット、肉料理そして菓子の香りづけや着色に用いる。
オリーブオイルの直売所「フラントイオ・ディ・サンジミニャーノ」。看板にpesa e scarico olive(オリーブの計量・荷下ろし)という文字が記されている理由は?
迎えてくれたフラントイオ・ディ・サンジミニャーノのサビーナさん。
内部にはウェルカムセンターがある。秋にはオリーブオイルの製造工程を見ながら、オーディオガイド(英・伊)による解説を聞くことができる。
北ドイツ・ハンブルクから1400キロメートル以上をドライブしてきたカップル。出来たての新作エクストラヴァージン・オリーブオイルを抱えきれないほど購入していた。
外部の人から運ばれてきたオリーブが山積みされている。秋、フラントイオ・ディ・サンジミニャーノの搾油場は24時間稼働で、1日80トン分のオイルを生産するという。
4つの工程を経て、美しい緑色のオリーブオイルが搾油口から流れ出す。
金物店のナターレ・ガンバッシさん。「今年は生育状況が今ひとつでしたが、190リットルもできました」
ステファノさんは、流れ出るオリーブを静かに見守っていた。