2023年01月20日 15:40 掲載

クルマ オートサロン2023で夢を見つけた


文・写真=くるくら編集部

自由な発想が魅力の学生作品

 「アメリカのビルダーが日本のファミリーカーをカスタムするとどうなるか」をコンセプトに、日本自動車大学校(NATS)の生徒がトヨタのアルファードを改造。その結果、全長が6.6mにも及ぶピックアップトラックが完成し、来場者から注目を集めていた。アルファードをベース車両に選んだ理由は、日本で馴染みのある車であることと、意外性を狙ったとのことだ。

 トヨタ ハイラックスのパーツなどで組んだというピックアップ部。この荷台にはバイクの搭載を想定しているそうだ。

 本来はスライドドアのアルファードだが、車両の後部を大胆にカット。観音開きのドアにカスタムする際に、かなり苦労したという。この車両は公認取得のために申請をし、公道を走行させる予定だ。この車を見たアメリカ人ビルダーがどう反応するのか、ぜひ感想を聞いてみたい。

かつての夢が甦る!?

 レトロ車を愛する人にとって悩ましい問題は、パーツが損傷した際に、同じパーツの入手が困難であることだ。もし幸運にもパーツを入手できたとしても、廃版であればパーツの経年劣化は覚悟しなければならず、かと言って、一点モノでゼロからパーツを作ろうとすれば、途轍もない費用が発生するだろう。そのパーツが複雑な造形をしているエンジンまわりだったとしたら、なおさらだ。

 通信事業のNTTグループが2020年に新しく設立した会社「NTTデータ ザムテクノロジーズ(XAM)」からは、金属3Dプリンタで造形したパーツを使って希少車を次世代に繋ぐという提案で、ホンダの「CR110カブレーシング」が展示されていた。この展示モデルではエンジンのシリンダー部分を金属3Dプリンターで出力して組み込んでおり、なんと、強度や耐久性は純正品と同等以上になるそうだ。

 XAMでの製作例として、柴田自動車のドリフトカーに使用される集合管の設計・造形などが展示されていた。また、JAXAのH3ロケットの開発においても、この3Dプリンター技術はキーテクノロジーとして利用されているそうだ。

 こちらがホンダ CR110カブレーシング用エンジンのシリンダー部分で、金属の粉末をレーザーで一層ずつ溶融して積層造形している。小さな孔がある部分は出力時のサポート材で、本来は成型後に落とすもの。

 廃版パーツもデジタルデータ化すれば、動態保存できる品質でパーツ製造が可能というのは夢がある話だ。

自由度の高さに夢が膨らむ!

 東京に本拠地を構えるHWエレクトロ(HWE)は、2019年に設立し、自社工場は持たず、ファブレス(製造委託)によって車両を生産する商用EVメーカーだ。そんなHWEからは、ELEMO(エレモ)シリーズより、新型となるエレモL(写真)が出展。

 エレモLのサイズはおよそ全長5.4m×全幅1.8m×高さ2.0mもあり、シリーズ最大の容量を持っている。このクラスの商用EV車は日本でもまだまだ希少な存在だ。シンプルで圧力を感じない外観は洗練されている印象で、カスタマイズも自由自在とのこと。

 テールゲートは両開き式。エンジンまわりがなく、シンプルな内装は自由度が高い。右奥に配置してあるドアは上下に開閉する。

 全幅約1.3m、全高約1.9mという縦長フォルムで、狭い路地裏でもスイスイ進めるデザインの「エレモ」。バリエーションには積載部が長いタイプのエレモと、短いタイプのエレモKが存在する。このモデルもエレモLと同様に、北米のCENNTRO社の車両が元になっている。

 写真では移動販売を意識したボックスカーゴを荷台に積んでいるが、他にも軽トラックのようなピックアップや、カスタム用にシンプルな平台を装備するなど、アイデア次第で様々な仕様に変更することが可能。積載量も400~650kgと軽トラック(最大積載量350kg)を凌いでおり、頼もしい限りだ。

 日本が誇る世界最大のカスタムカーイベントは盛況の内に幕を閉じた。来年もまた無事に開催されることを、ファンの一人として願っている。

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