2022年04月07日 19:50 掲載

クルマ 【2021年版】燃費ランキング:軽自動車編
アルト&キャロルが先代モデルで連覇!

2022年3月31日に、国土交通省が軽自動車版の燃費ランキングベスト10の2021年版を発表した。結果は前回同様にスズキ アルト、マツダ キャロルが連覇した。しかし、この記録は2021年12月22日に発売された新型アルト、キャロルのものではない。そのため2021年版で新型車だったのは、スズキ ワゴンRスマイルのみだった。

くるくら編集部 小林 祐史

アルト&キャロルが先代で連覇

スズキ アルト(左上)、マツダ キャロル(右上)、スズキ ワゴンR スマイル(左下)、ダイハツ ミラ イース(右下)

スズキ アルト(左上)、マツダ キャロル(右上)、スズキ ワゴンR スマイル(左下)、ダイハツ ミラ イース(右下) 写真=スズキ、ダイハツ

 国土交通省は毎年3月末に、前年1231日時点で発売されている車種を対象とした燃費性能値をランキングにして公表している。ユーザーに省エネルギーへの関心を高めてもらい、メーカーには燃費性能の優れた車の開発を促すためである。なお燃費性能ランキングは、普通・小型自動車部門と軽自動車部門の2つが発表されており、今回は軽自動車部門を紹介する。

 なお前回から燃費を測定する試験方法が、普通・小型自動車と同様に日本独自のJC08モードから国際的なWLTCモードへと切り替わった。

<2021年 燃費ランキング:軽自動車部門>

2021年 燃費ランキング:軽自動車部門

出典:国土交通省

新型車は6位のワゴンRスマイルのみ

 今回の軽自動車部門では、首位に同率でスズキ アルトとマツダ キャロルが並んだ。キャロルは、スズキがマツダに供給するアルトのOEMで、実質は同じ車となる。軽自動車の燃費ランキングでは、このようなスズキとダイハツと両社のOEM車が上位を占めている。

 今回の新型車は、6位に入ったワゴンRスマイルだ。同車はワゴンRの新しいモデルとなる。元のワゴンRの燃費が25.2km/Lに対してワゴンRスマイルは25.1km/Lで、諸元表を見ると車重がワゴンR770790kgに対して、ワゴンRスマイルは860870㎏となっており、この車重の差が0.1km/Lの違いを生じさせたのだろう。

※製造元と違うブランドで販売されている車のこと。キャロルの場合は、スズキが製造し、マツダブランドで発売している。

1、2位になったのは、12月下旬発表の新型モデルではなく、、、

新型スズキ アルト(左)、マツダ キャロル(右)

2021年12月に発売された新型スズキ アルト(左)、マツダ キャロル(右) 写真=スズキ、マツダ

 ところで1、2位を獲得したアルト&キャロルだが、ランキング表にある両車の型式は5BA-HA36S、5BA-HB36Sである。つまり2021年12月22日に発売された新型のではないのだ。新型の型式は5AA-HA97Sと5BA-HA37Sや5AA-HB97Sや5BA-HB37Sであり、燃費はハイブリッド車で27.7km/L、ガソリン車で25.2km/Lとなっている。ちなみに27.7km/Lを達成しているハイブリッド車のパワーユニットは、ワゴンRなどに搭載されているNAエンジン+モーター機能付発電機によるマイルドハイブリッドシステムに変更されており、これにより燃費を向上させている。

新型アルト&キャロルに搭載されるマイルドハイブリッドシステム

新型アルト&キャロルに搭載されるマイルドハイブリッドシステム 写真=スズキ

 この新型アルト&キャロルの燃費がランキングに反映されるのは2022年版からであり、同年から燃費記録が一気に25km/L台から27km/L台に突入することになる。0.1km/L刻みでランキングを争う軽自動車の世界では約1km/L向上は驚異的な数字といえる

激戦が予想される?2022年の軽自動車の燃費

 前回の軽自動車の燃費ランキングでは、衝突安全性能の強化や予防安全装備などの搭載で車重が増加傾向にあり、燃費が伸び悩んでいるという傾向をお伝えした。しかし、アルト&キャロルはマイルドハイブリッドシステムを改良して燃費を大きく向上させた。2022年版は、他社がそれを超える、もしくは肉薄するなどすればトップ10の順位にも変化が生じてくるかもしれない。


次ページでは、トップ10に入ったモデルの燃費に関する諸元や
価格、発売時期などの情報を、写真とともに紹介。

燃費ランキングに関する記事