カワサキが新開発の電動トライク「ノスリス」を、東京オリンピック期間中に実証実験!
川崎重工は東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の期間中、電動3輪ビークル「noslisu(ノスリス)」を日本郵便株式会社へ貸与し、東京都内の集配作業において実証実験を行っている。ノスリスとは一体どんな車両なのだろうか。
川崎重工の電動3輪ビークル、日本郵便の集配で実証実験
川崎重工は東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の期間中、電動3輪ビークル「noslisu(ノスリス)」を日本郵便へ貸与し、東京都内の集配作業において実証実験を行っている。
ノスリスは、川崎重工が昨年9月に実施した社内アイディア公募制度「ビジネスアイディアチャレンジ」の第1号として、応募された約100件のアイディアの中から選出されたモビリティ。電動仕様(※)と電動アシスト仕様の2タイプがあり、電動仕様は手元のアクセルレバーの操作だけで最高時速40km(航続距離65km)の電動走行が可能である。
川崎重工によると、2輪との比較ではもちろん、3輪の中でも転倒リスクが低い前2輪のトライクタイプとすることで、走行がとても安定しているという。トライクタイプでは工夫が必要になる駐車時の自立も可能とした。前2輪の間に積載スペースを確保し、約20kgまで荷物を積むことができること。車検や車庫証明が不要で維持費や初期費用が安く、原付バイクや自転車と同じように小さなスペースに駐車可能なことなど、さまざまなメリットがあるという。
これまでに試乗会や展示会、意見交換会などによって得られた知見を取り入れて改良を重ね、本年5月にクラウドファンディングサイトにて100台の限定販売を開始。初日で完売した。
日本郵便向けは特別仕様
今回の実証実験で日本郵便に貸与されたのは電動仕様が2台。日本郵便のロゴマークや、赤色の荷物用ケースを設置した特別仕様である。同車両は、東京オリンピックの開催によって交通規制が実施されている地区の集配作業に活用され、操作性、安定性、走破性、耐久性などが評価される。
郵便配達の定番といえば、ホンダ・カブ。近年は、電動のホンダ・ベンリィ イーなどが導入されている。積載量や航続距離では、それらバイクの方が勝る。一方で、手軽さと導入コストの低さはノスリスが勝る。地域に根付いた配達におけるラストワンマイルの立役者として今後、ノスリスの採用が進むこともあるかもしれない。
川崎重工によると、実証実験で得られたデータは今後の製品開発とサービス体制の検討などに活用する予定だという。