2020年05月13日 14:40 掲載

クルマ クルマのフットレスト、使っていますか?

AT車を運転する時、右足はアクセルとブレーキの操作を行うが、左足はどこに置いているだろうか。あまり意識されることはないかもしれないが、実は左足には「フットレスト」という場所が準備され、正しい運転姿勢を保つために重要な役割を担っているのである。

くるくら編集部 会田 香菜子

フットレストって「足休め」じゃないの?

クルマのフットレストは、運転する上で正しい姿勢を保つために重要なツールである。

画像左端に配置されている幅の広い台のようになった部分がフットレスト。 

 フットレストは、多くのクルマの運転席の足元、左側の壁に沿うように設置されている段差のことだ。人によっては体格に合わせて、市販のプレート型フットレストでカスタマイズしている人もいるかもしれない。そのように意識して使用している人もいれば、一方で何かの操作で使用するわけでもないので、その存在さえ知らないという人も多いのではないだろうか。


 まず、フットレストという単語を辞書で調べてみると、「運転時に左足を休めるために設置された足載せ台」と記載されている。確かに、運転中に左足を使う場面は、AT車では基本的にはない。MT車ではシフトチェンジをするときにクラッチペダルを踏むが、右足のようにペダルを踏んでいる時間は長くない。クルマの運転にとって、左足はペダルを踏まない時間が多いため、そのための置き場所がフットレストなのである。
 しかし、実はフットレストの存在意義は「足を休ませる」ことのみではなく、正しい運転姿勢を保つことにもある。正しい運転姿勢が保てず、身体の位置が定まらないと、正確な運転操作が難しくなるからだ。
 クルマの運転時には、さまざまな力がかかる。発進する時には、加速する力を受けて背中が背もたれに押し付けられるように感じる。停止するときはその逆で、前のめりになるような力を感じることだろう。その時に身体を安定させるには、ドライバーは左足をしっかりと踏ん張れる場所に置いておく必要がある。なぜなら、両手はハンドル操作で動かし、右足もアクセルやブレーキの操作で動かさなくてはいけない。唯一、左足だけが身体を支える役割ができるのだ。
 カーブを曲がる時なども同様で、フットレストに足を置くことで踏ん張りが利く。身体に遠心力がかかっている時には、無意識にフットレストに左足を置いて踏ん張っているドライバーも多いのではないかと思う。

踏み間違いを防ぐためにも、左足はフットレストへ

踏み間違い事故の年齢層別発生状況を見ると、実は最も多いのは29歳以下で24%となっている。

出典:警視庁交通部

 さて昨今、ブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故の増加はニュースなどでも多く報じられている。警視庁によると、2014年~2019年に都内で発生した踏み間違いによる事故件数は1,601件となっている。興味深いのは、都内で最も踏み間違い事故が多いのは29歳以下で24%だ。次いで70歳以上の高齢者ドライバーが21%である。さらに、そのほかの世代を見ても、まんべんなく発生しているといえる。ドライバーにとって「踏み間違い」は他人事ではないのだ。

2019年の普通自動車第一種免許の合格者のうち、AT限定免許取得者は740,097人と、全体の6割以上を占めている。

出典:警察庁「運転免許統計 平成30年版」

 この踏み間違いの原因は、さまざまな理由が考えられているが、その一つとして、ドライバーの身体の位置が動いたために、とっさの際に、ペダルの場所を間違えるということもありそうだ。加減速やカーブ、あるいは目視確認等のために身体の位置が変わると、当然、右足の位置も微妙に変わってくる。落ち着いて運転しているときは無意識に調整できているので問題ないが、緊急時にこの調整ができないで、ペダルを踏み間違えてしまったというケースもありそうである。

 この対策として、フットレストを使わない手はない。フットレストに左足を置くことで、運転中も身体を安定させやすい。さらに、目視等で意識的に身体の位置を変えたときにも、フットレストに左足を置いた場所を基準にすることで、正確な位置に座り直しやすい。もちろん、フットレストだけで踏み間違いを防げるというものではないが、せっかく装備されているのだから積極的に有効活用してもらえたらと思う。

ライターお勧めの関連記事はこちら