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クルマ最終更新日:2020.03.01 公開日:2020.03.01

ドライブレコーダーの普及は近畿圏がダントツ。国交省がアンケート結果を発表。

国土交通省は、2019年11月に実施した「自動車用の映像記録型 ドライブレコーダー装置について」調査結果を発表した。全国のドライブレコーダーの認知度や導入率、通信型ドライブレコーダーを使った損保の特約付き自動車保険への興味はどれほどなのだろうか。現状について見てみよう。

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国土交通省は、ドライブレコーダーの普及状況調査を実施。ほぼ10割の人が認知しているという結果が出た。

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 あおり運転や逆走事故が社会問題化したことにより、ドライブレコーダーは急速にその認知度を高めている。今回、国土交通省が実施した調査からも、それが明らかになった。

ドライブレコーダーの認知度はほぼ10割

ドライブレコーダーの認知度は98.8%で、ほとんどの人が認知している。

出典:国土交通省「自動車用の映像記録型ドライブレコーダー装置について」

 まず、ドライブレコーダーそのものの認知度は、どれほどなのだろうか。「ドライブレコーダーを知っていますか」という質問に対しての回答は、「よく知っている」が全体の約7割以上であった。「名前程度は知っている」の回答を合わせると、ほぼ10割に近い人が認知しているという結果である。年代別に見ても、最も認知度が高かった20代の75.6%を筆頭に、70代以上の年代までがそれぞれ67割以上と高い認知度を示していた。今や、ドライバーやその家族にとって、ドライブレコーダーは当たり前の存在であるといえよう。

ドライブレコーダーの機能で認知度が最も高いのは「映像の録画」で98.8%だった。

出典:国土交通省「自動車用の映像記録型ドライブレコーダー装置について」

 さてほとんどの人が認知しているドライブレコーダーだが、機能についてはどのくらい認知されているのだろうか。「ドライブレコーダーのどのような機能・特性を知っていますか」という質問で、ほぼ10割の回答が集まったのは「映像を録画できる」という機能だった。次いで、8割は「音声を録音できる」「車に後付けできる」という機能を知っていた。
 一方、認知度が2割以下であった機能は、「衝突の危険などを感知して音声で知らせてくれる」「事故時の自動通報」「ドライブレコーダーを装着した車両位置を、家庭や会社から知ることができる」だった。名前の通り “レコーダー” としての機能は一般に浸透しているが、認知度が2割以下であった機能は、レコーダーを越えた機能の部分であった。
 最近は、通信機能を搭載して事故時の自動通報等を行ったり、記録した映像をリアルタイムに解析して衝突警告を発するADAS(高度安全運転支援システム)搭載のドライブレコーダーも登場している。ドライブレコーダーが、事故の記録装置から、いろいろな運転支援サービスを後付けで実現するためのプラットフォームへと進化しつつあるともいえるが、現状では、まだユーザーには知られていない機能といえそうだ。

ドライブレコーダーの搭載率は20代が半数超えでトップ。70代以上でも約4

ドライブレコーダーの搭載率は、20代がトップで53.6%だった。

出典:国土交通省「自動車用の映像記録型ドライブレコーダー装置について」

 では自家用車を保有している人で、実際にドライブレコーダーを搭載している人は、どのくらいいるのかを見てみよう。まず、全体では45.9%と過半数を下回ったが、20代と60代で半数を超えていた。一方で、搭載率が最も低い38.8%であった70代は、世間からも注目される高齢ドライバー層である。この世代への搭載率が上れば、今まではわからなかった事故の実相が見えることもあるかもしれない。

ドライブレコーダーの搭載率(ブロック別)は、近畿地方が過半数を超えて全国トップだった。

出典:国土交通省「自動車用の映像記録型ドライブレコーダー装置について」

 また、地域別の搭載率については、近畿地方が飛び抜けて高いことがグラフからわかる。この地域差について何故なのか調べてみた。すると、近畿地方の中でも、兵庫県では道交法違反(車間距離不保持)の疑いで「あおり運転」などをしたとする2018年の摘発件数が全国ワースト1であったと、兵庫県警により発表されていた。兵庫県やその近隣県、つまり近畿地方の人はあおり運転のニュースをより多く見たり、または身近であおり運転をされた人がいるという経験があるのではないだろうか。それ故にドライブレコーダーを搭載して万が一の事態に備えたいという気持ちも強いのかもしれない。

ドライブレコーダーの導入理由で最も多い回答は「交通事故の記録」、次いで「あおり運転等の対策」。

出典:国土交通省「自動車用の映像記録型ドライブレコーダー装置について」

 ドライブレコーダーの導入目的についての回答を見ると、全体で「交通事故の記録」が約9割、「あおり運転等危険な運転への対策」が7割以上と高い割合を占めていた。全国的にも、やはりドライバーやその家族は、万が一の危機的状況に備えてドライブレコーダーを導入しているのだろう。そして、導入目的には「安全運転の意識を高める」が全体で4割以上という結果も出ていた。

ドライブレコーダー特約付き自動車保険の需要は過半数超え

「ドライブレコーダー特約付き自動車保険」に対する認知度は約4割。

出典:国土交通省「自動車用の映像記録型ドライブレコーダー装置について」

 今回の調査では、保険会社による「ドライブレコーダー特約付き自動車保険」の認知度についても調査が実施された。これは、通信機能のついたドライブレコーダーを利用し、事故時の自動通報なども実現した最新のサービスである。また、従来のようにドライブレコーダー本体を購入して使うのではなく、特約でサービスを契約することで、ドライブレコーダーが提供されるという商品になっている。
 その認知度は「聞いたことあるが加入していない」が約4割、「聞いたことがない」が過半数超えという結果だった。

「ドライブレコーダー特約付き自動車保険」への加入意欲は過半数を超えていた。

出典:国土交通省「自動車用の映像記録型ドライブレコーダー装置について」

 しかし、「月々千円程度の特約料金でドライブレコーダーを搭載できるとしたら、当該特約付き自動車保険に加入したいか」という質問では、「加入したいと思う」が過半数超えと高い需要を示していた。

ドライブレコーダーの導入は「もっと安価になってから」。いずれの世代も7割超え。

出典:国土交通省「自動車用の映像記録型ドライブレコーダー装置について」

 ドライブレコーダーを使っていない人に、どんな理由があれは使うかを聞いたところ、「ドライブレコーダーがもっと安価になってから」と回答した人が、どの世代の回答率も7割以上も存在していただけに、月々いくらという特約付き自動車保険のサービスは興味をもたれたようだ。こういったサービスは、世の中の “もの” から “こと” へという変化とも合致しており、今後、マイカーユーザーのドライブレコーダーの使い方を大きく変える可能性がある。一般への普及がどう進んでいくのか気になるところである。

【「自動車用の映像記録型ドライブレコーダー装置について」調査概要】
実施期間:2019年11月8日~11月22日
調査対象:全国20代以上の男女1,066名
※免許、自家用車の有無は問わない。
回答者:920名
調査方法:インターネット調査

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