2021年12月07日 10:20 掲載

ライフスタイル 『イタリア発 大矢アキオの
今日もクルマでアンディアーモ!』第21回
「夏時間&冬時間」。年2回の“儀式”はつらいよ


文と写真=大矢アキオ(Akio Lorenzo OYA)

最強は「100均」時計?

 いっぽうで筆者が困っているのは、クルマの車内時計である。本来なら時刻の切り替え当日、クルマを置いている地下駐車場まで降りて行って切り替えれば良いのだが、それが億劫なのだ。

 加えて、イタリアの通勤者と比べ、クルマの使用頻度は高くない。そのため、ある日「今日は妙に速く走れたな」と悦に入っていると、なーんだ、実は冬時間に変わっていただけ、といった経験を幾度となくした。

 最近の欧州仕様車は自動切り替えなのかどうなのか、今回の執筆を機会に、地元の自動車販売店に赴いて聞いてみた。結論からいうと、「フィアット」「ダチア」など大半のポピュラーカーは、今日でも自分で調整する必要がある。

 いっぽうで「ルノー」の上級仕様や「メルセデス・ベンツ」「アルファ・ロメオ」といったプレミアムカーの大半は、GPSの時計をもとに自動調整してくれる。ということは、冬夏時間の切り替えだけでなく、スペインとポルトガルといった、陸続きでも時差があるエリアをまたいでも、若干のタイムラグを伴いつつも勝手に調整してくれることになる。

 前述のように、今後EU加盟各国それぞれが独自の標準時を採用するようになっても、十分対応できるはずだ。

2021年「ダチア・サンデロ」。時計はインジケーター内の左上に表示される。2021年「ダチア・サンデロ」。時計はインジケーター内の左上に表示される。

ドイツにて。2018年「メルセデス・ベンツBクラス」のナビ画面。到着予定時刻が左下に表示されている。ドイツにて。2018年「メルセデス・ベンツBクラス」のナビ画面。到着予定時刻が左下に表示されている。

 筆者のクルマは前述のとおり、自動で切り替えてくれない。この10年落ち欧州製小型車には、車内にふたつのデジタル時計が存在する。ひとつはセンターコンソールに収まった純正カーナビのもの、もうひとつはメーター内に表示されるものである。

 このふたつの時計、新車時は当然時刻が同期していた。ところが数年前から、カーナビのものは調整できても、メーター内の時計が夏時間のまま動かなくなってしまった。さらに前回本欄で執筆した修理のあとは、メーター内の"夏時間時計"がどんどん進んでしまう症状が出始めた。

 カーナビ内の時計は、時刻を調整するのにいくつものボタンを操作しなければいけないうえ、しかるべき表示モードに切り替えないと、通常は到着時刻しか表示されない。もはや自分の腕時計以外、頼れるものがなくなってしまった。

 考えてみれば、筆者が子ども時代を過ごした1970年代、家にあるクルマは時計が付いていなかった。それでも過ごせてしまっていたのに、壊れたままだと、どこか気持ち悪いのは困ったものである。

思えば1980年代まで、ヨーロッパでは時計がオプションのクルマがたくさんあった。初代「フィアット・パンダ」。思えば1980年代まで、ヨーロッパでは時計がオプションのクルマがたくさんあった。初代「フィアット・パンダ」。

 そうした中、往年のフランスにおける大衆車「ルノー4」のイベントで、参加車に同乗させてもらう機会があった。

 よく見るとダッシュボードには、薄型の時計が両面粘着テープでぺたりと貼られていた。日本でいえば100均的クオリティのものである。「もう少し内装のデザインにマッチした時計を選べよ」とケチをつけつつも、「これなら国境を越えたときも調整が簡単そうで、意外といけるかも」と、真面目に模倣を検討し始めた筆者である。

イタリア人、エレナさんが「ルノー4」でジムカーナに挑む。自分のクルマにも、こういうのを貼り付けたくなってきた。イタリア人、エレナさんが「ルノー4」でジムカーナに挑む。自分のクルマにも、こういうのを貼り付けたくなってきた。

今夜、冬時間に切り替わることを告知するテレビのニュース画面。今夜、冬時間に切り替わることを告知するテレビのニュース画面。

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