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クルマ最終更新日:2021.11.26 公開日:2021.11.26

寒くなったら「猫バンバン」を忘れずに!猫はエンジンルームで暖を取る。

秋から冬にかけて、寒さをしのぐためにクルマのエンジンルームに入り込んでしまうことがある猫。そのままエンジンをかけてしまうと、猫が命を落としかねない。「猫バンバン」は、そうした悲しい事故を防ぐために、クルマのボンネットなどを叩く行為のことだ。「猫バンバン」の注意点や、その他の猫除け方法などについても解説しよう。

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寒くなったら要注意。エンジンルームに猫が潜り込んでる可能性あり!

クルマの下で日向ぼっこする猫

©rai – stock.adobe.com

 日当たりの良い場所で、ごろりと寝そべって日向ぼっこをしている猫。彼らのそんな可愛らしい姿は、冷え込んできたこの時季には心までほっこりと暖かくしてくれる。一方で、猫たちにとっては、冬に暖かい場所を確保できるかどうかは死活問題である。そんな猫にとって、エンジンを切ったばかりのクルマのエンジンルームは、暖を取るのに最適な場所だ。

クルマのアンダーカバー中に潜り込んだ猫

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 JAFによると、2020年1月の1か月だけでも、「エンジンルームに猫が入り込んでしまった」という要請は、全国で42件もあり、そのうちエンジン始動後に気付いたより深刻なケースは9件だった。万が一、猫がエンジンルームに入り込んでいることに気付かずエンジンをかけてしまうと、エンジンベルトに猫が巻き込まれる場合があるという。このような事態になれば、猫がエンジンの熱で火傷などを負うばかりか、最悪の場合死に至ることもある。

エンジンをかける前の優しさ「猫バンバン」を忘れずに

猫バンバンのイメージ

©metamorworks – stock.adobe.com

 可愛い猫の命を守るため、そして痛ましい事故を防止するために実践したいのが「猫バンバン」だ。これは、エンジンをかける前にクルマのボンネットなどエンジンルーム付近を「バンバン」と手で叩いて知らせてあげる行為のこと。こうすることで、猫が驚いてエンジンルームから出てくるのだ。ほかにも、クルマのホーンを “プッ” と鳴らすことや、ドアを開閉するなどの方法もあるようだ。

ボンネットを開けて中を確認する様子

©metamorworks – stock.adobe.com

 しかし、JAFによると「猫バンバン」は有効ではあるが、万能ではないという。ボンネットなどを叩いた後も、念のため耳を澄ませて鳴き声がしないか確認をしてほしい。臆病な猫だと、音に驚いてエンジンルームのさらに奥へと潜り込んでしまうケースもあるという。そのため、ボンネットを開けて中を確認することが最も確実な方法であるようだ。

冬以外も要注意! エンジンルームは猫の憩いの場

タイヤと車体の間に入り込んだ猫

© Дарья Мочалкина – stock.adobe.com

 クルマのエンジンルームに猫が入り込むのは、暖を求めた冬に限ったことではない。猫は暗く狭い場所を好む習性があり、エンジンルームは猫にとっては居心地の良い場所なのだ。また、雨風をしのげる場所としては季節を問わずに避難場所としても都合の良い場所である。猫は縄張り意識が非常に強く、一度決めた場所へは何度でも戻って来る。仮に、あなたのクルマが猫の縄張りになっていた場合、一度追い払ったぐらいでは再び戻って来てしまうのだ。そうならないためにも、猫がクルマに近づかないように予防することも大切である。東京都福祉保健局では、猫を遠ざけるのに効果的な方法として以下の9つを挙げている。

【猫除け対策の方法例】

・散水する
・ヒイラギ、枯れ枝、猫除けシート等の尖ったものを置く
・粘着テープの接着面を上にして貼って置く
・光るものを置く(数本の大きなペットボトルに水を入れて配置する等)
・アルミホイルや防犯砂利など歩くと音がするものを置く
・物を置いて通りにくくする(松ぼっくり、大きな石、ネット、テグス等)
・ペパーミント等のハーブ、ドクダミ等猫が嫌う臭いの植物を植える
・木酢液や酢を薄めて撒布するか布やスポンジに浸して拭く、もしくはミカンの皮やハッカの臭いがするものを置く
・タマネギ、ニンニク等の刺激物質を刻んで置く。(ほかに、唐辛子、コショウ、カレー粉、コーヒーかす等)

タイヤで爪とぎをする猫

©olympuscat – stock.adobe.com

 また、クルマにボディーカバーをかけることで、エンジンルームへの侵入を防ぐこともできる。ボディーカバーは、猫の足跡やタイヤへの爪とぎ被害も防ぐことができるので、エンジンルーム侵入対策以外にも猫被害に悩まされている人にはおすすめだ。

 忌避剤のひとつの「木酢液」だが、同じ工程で作られる「竹酢液」でも有効のようだ。埼玉県の公式Webサイトで公開されていた加工方法を紹介しよう。

【木酢液・竹酢液を加工して使う方法】

材料
・竹酢液(約400ml)
・唐辛子(10本~15本)
・レモンバームの葉(20~30枚)

作り方
(1)空の500mlペットボトル容器に上記の材料を入れる
(2)1~2日後にレモンバームと唐辛子を除く
(3)使用時には4~8倍に薄める(匂いがきつい場合は約10倍まで適当に薄める)

 匂いは時間とともに薄くなるため、猫が覚えるまで継続して撒布を続けることがポイントだという。一方、木酢液や竹酢液は酸性のため、濃度によっては育てている植物や農作物が枯れてしまうこともあるので注意が必要だ。クルマのボディにも付着しないようにした方がよい。また、あくまでも予防策なので、「猫バンバン」も併用することをおすすめしたい。

 「猫バンバン」は、猫の命を守るために欠かせない。冷え込む時季になってきた今こそ、もう一度思い出して、エンジンをかける前に実践するよう心がけたい。

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