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クルマ最終更新日:2023.06.19 公開日:2023.03.01

もうそろそろ? ノーマルタイヤへの交換はいつがいい?

寒さが和らぎ、春の陽気を感じる時期は、スタッドレスタイヤからノーマルタイヤに履き替えるタイミングでもある。タイヤ交換の目安になる気象条件やタイヤの特性について紹介する。

文=くるくら編集部

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夏用・冬用タイヤの特性を再確認

(c)kelly marken – stock.adobe.com

 近年のスタッドレスタイヤ(冬用タイヤ)は乾いた路面でもスムーズに運転できるほど高性能になっているので、年中そのまま履き続けようと思う人もいるかもしれない。しかし、ノーマル・標準タイヤ(夏用タイヤ)とは特性が異なるため、タイヤ交換は必要なものだ。

夏用タイヤは高温への耐性と、排水性能に優れているが、5℃以下の低温になると、タイヤが硬くなりグリップ力が低下し、雪上や凍結した路面で滑りやすい。冬用タイヤは表面に細かな切れ込みがあり、雪上や凍結した路面でも高いグリップ力を発揮するが、吸水性が高い割に排水性能が低く、濡れた路面で滑りやすい。

排水性能は雨で濡れた路面でのグリップ力に影響するため、雪から雨に変わるタイミングが、タイヤを履き替える指標のひとつとなる。

左がスタッドレスタイヤで右がノーマルタイヤ。(c)tarou230 – stock.adobe.com

気温は5℃以上が目安

1日の最低気温が5℃を超えてくると降雪や路面凍結の心配も減り、夏用タイヤへの履き替えが適切なタイミングになる。その時期は月日で考えるとどのくらいになるのか、気象庁のデータを参考にしてみよう。

雪(終日) 霜(終日) 結氷(終日) 観測史上最晩の終雪
(観測年)
札幌 4月19日 4月26日 4月24日 5月25日(1941年)
仙台 4月7日 4月7日 4月3日 5月3日(1991年)
東京 3月9日 2月14日 3月5日 4月17日(3回※)
名古屋 3月7日 3月21日 3月23日 4月11日(1902年)
大阪 3月8日 3月18日 3月9日
広島 3月10日 3月8日 3月9日
福岡 3月2日 3月12日 2月27日

資料は気象庁「霜・雪・結氷の初終日と初冠雪日」と全国の気象台などから作成。日本各地での雪・霜・結氷の終日を表したもので、値はあくまで1991年~2020年の過去30年の平均値。※東京での終雪最晩記録は4月17日で、1967年・1969年・2010年の計3回観測された。降雪の統計開始年は気象台ごとにバラつきがあるため省略。

 タイヤ交換は、雪・霜・結氷(けっぴょう)の中で、最も終日が遅い時期までは待った方が安心だろう。確実な時期としては、記録観測史上最も終雪が遅かった日を待てば、その日以降に冬雪になる心配はなさそうだ。また、上記は都市部の値なので、自宅周辺の値については、気象庁の「過去の気象データ」から地域を選択し「霜・雪・結氷の初終日と初冠雪日」で確認しよう。

気象庁:http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php

暖かい時期の濡れた路面では、冬用タイヤは夏用タイヤよりグリップ力が劣る。(c)naka – stock.adobe.com

タイヤ交換前後の確認も忘れずに

タイヤ交換の際には、これから交換するタイヤと、交換し終えたタイヤの状態も確認しよう。走行を終えて摩耗した冬用タイヤの溝の深さは、新品状態の50%以下になると冬用タイヤとして使用できないとされている。また、タイヤは保管している間にもひび割れが進み、放っておくとバーストを引き起こす原因になりかねない。タイヤの溝やひび割れに不安がある人は整備工場やタイヤ販売店などで点検してもらおう。

他にも、夏用・冬用タイヤは使用開始から3~5年経過、または製造日から最長でも10年で寿命という意見もあるので、表面的なダメージだけで判断せず、使用年数も把握しておきたい。

冬用タイヤは夏用タイヤよりも高額で摩耗もはやいため、できるだけ先延ばしせずに履き替えたいところだ。しかし、タイヤ交換後に降雪や路面凍結が起きては運転できなくなってしまうので、タイミングをしっかりと見極めて、春先のドライブを楽しもう。

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