2022年10月16日 16:10 掲載

ライフスタイル ポイ捨てNG! ドライバーにモラルを問う「東扇島クリーン大作戦」

川崎市にある東扇島では、車からのポイ捨てにより道路上に大量のゴミが散乱しており、清掃を行っても状況の改善があまり見られないという。今年で10回目となる「東扇島クリーン大作戦」を例に、ポイ捨ての現実を再認識しよう。

文=くるくら編集部
写真=川崎市

不名誉な第10回目の開催

過去の東扇島クリーン大作戦における、清掃前と清掃後の様子。

 スポーツ観戦後にゴミを率先して拾い集める日本人の姿は、世界から称賛を浴びた。そして、それに倣うように美化活動を行う人たちが次々と現れている。そんなトピックスを目にするたび、日本人として誇らしい気持ちになる。

 しかし、そんな日本で令和4年となる現在でも、ゴミのポイ捨てに悩まされている地域が数多く存在するのが現実だ。

 神奈川県川崎市の臨海部に位置する、東扇島地区で行われている「東扇島クリーン大作戦」を紹介したい。この活動は、東扇島の一部地域でのあまりにも酷い道路へのポイ捨てを防止すべく、毎年300400名もの有志で美化啓発活動を行っているものだ。第1回目が平成23年から始まり、今年の10月5日の実施で、ついに第10回目の清掃活動を迎えた。

 東扇島クリーン大作戦は、行政や関連団体が協力して川崎マリエン、東扇島東公園周辺、国道357号などを中心に、ゴミ拾いと「東扇島からゴミ0(ゼロ)の臨海部へ!!」と書かれた横断幕の掲示を実施するものだ。

東扇島クリーン大作戦の実施場所は、 川崎市川崎区東扇島内。資料=国土交通省

第10回 東扇島クリーン大作戦の実施図。画像=国土交通省

誰がゴミを捨てている...?

 東扇島は島全体が川崎港の一部で、貨物船の積み荷の運搬や、物流・食品関係の倉庫が多いことから、トラックなどの運搬車両が多く行き交っている。また、千葉・東京・神奈川を跨ぐ湾岸道路や、羽田空港を利用する一般乗用車も走行している。徒歩や自転車はほとんど見かけないことから、ゴミを捨てている人の多くはドライバーということになる。その証拠は監視カメラや目撃情報だけでなく、特殊なゴミの捨て方にもあるようだ。

 湾岸線に合流する片側一車線の側道などでは、運転席側からゴミが捨てられているため、進行方向右側にある植栽の中や、ガードレール裏などに隠すように投棄されている場合が多い。さらに、トイレに行けずに用を足した尿が入ったままのペットボトルも投棄物の中には含まれている。これは、一部の長距離ドライバーによるものだ。

 車両を停められる場所が少ないことや、コンビニなどの施設からゴミ箱が撤去されたことも、ポイ捨てしてしまう一因であるかも知れないが、「だから捨てる」という選択は間違っている。

過去の清掃活動の様子。

これまでの清掃活動と、ゴミが捨てられている様子。

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