2021年11月02日 06:00 掲載

ライフスタイル 『イタリア発 大矢アキオの
今日もクルマでアンディアーモ!』第20回
実録・イタリア版ロードサービスのお世話になった話

異国の地での車両故障はスリル満点!? イタリア・シエナ在住のコラムニスト、大矢アキオがヨーロッパのクルマ事情についてアレコレ語る人気連載コラム。第20回は、筆者本人によるイタリア版ロードサービスの体験談についてお届けします。

文と写真=大矢アキオ(Akio Lorenzo OYA)

突然、太陽の道で

アレッツォのグランデ広場にて。2021年9月26日撮影。

アレッツォのグランデ広場にて。2021年9月26日撮影。

 今回は筆者が住むイタリア、それも同じ州内で、クルマが故障したときの体験談を。

 2021年の9月末、イタリア中部トスカーナ州の街アレッツォを女房と訪れた日のことである。1980-90年代のイタリア製小型車「フィアット・ウーノ・ターボ」の愛好会が集結するというのので、それを見に行ったのだった。

 天気予報は朝から雨だったにもかかわらず、ときおり太陽も顔を覗かせる空となった。舞台は1997年のイタリア映画「ライフ・イズ・ビューティフル」の舞台にもなったグランデ広場。色とりどりのウーノが約60台も集結。歴史装束の旗振り手によって歓迎を受けた。

 万事好調。昼食を済ませてから筆者は同じ州内で約90キロメートル離れたシエナの自宅まで、往路と同じアウトストラーダA1号線・通称「太陽の道」を使い、帰路を辿った。

 ところが走行開始から40数キロメートル、つまり帰路行程の半分ほどに達したときである。突如エンジンルームから「パン!」という異音がした。続いて、メーターパネルのバッテリー警告灯がけたたましいアラーム音とともに点灯した。

 幸い数百メートル先にサービスエリア(SA)があったので入ることにした。異音発生源をつきとめるべく、とりあえず臭いをくんくん嗅いでみたが、今ひとつ特定できない。15分ほど放置して、再びイグニッションをオンにしたが、やはり同じ警告灯が点灯する。

 ガソリンスタンドのおじさんが外にいたので症状を伝えると、「ACI(筆者注:イタリア自動車クラブ。本欄第1回参照)か、保険会社のロードアシスタンスに連絡してみるんだな」と言う。

 近年は、SAに限らず整備ブースも持たず、極めて少数の従業員で営業しているスタンドが少なくない。レストアされた古いクルマが外に置いてあり、車好きのスタンド店主がいて「よう、どうした」などと親身に相談に乗ってくれた、なんていうのはイタリアでも過去の話だ。

 放置しておいても解決しない。保険会社のコールセンターに電話をすると、400キロメートル以上離れたミラノのオペレーターが出た。ナンバープレートを告げるだけで本人確認は終了。レッカー移動代の約270ユーロ(約3万5000円)は保険で補償されるが、うち35ユーロ(4500円)が免責という。カード払いもできると教えてくれた。

 そのあと、今度はアシスタント会社のオペレーターから電話が掛かってきたのだが、もう一度最初からクルマの症状と現在地を告げるのは、それなりに面倒だった。日本のようにすんなりと連携プレーがいかないのが欧州と知りつつも、こういうときは、やはりもどかしい。

 さらにアシスタント会社は、地域のロードサービス代理店との連絡に時間を要したようだった。お待たせメロディをひたすら聴かされることになった。後日通話記録を確認すると、たった12分だったのだが、事態が事態だけに1時間近くに感じた。

「ロードサービス到着には、30分程度掛かります」と告げられた。暑さがやや穏やかになった9月で良かった。

ロードサービスの積載車に載せられ、自車の車中で揺られているときのスナップ。アウトストラーダ「太陽の道」にて。

ロードサービスの積載車に載せられ、自車の車中で揺られているときのスナップ。アウトストラーダ「太陽の道」にて。

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