マット、寝袋、布団、枕。車中泊を快適にするおすすめ寝具アイテム|森 風美のただいま軽バン改造中 vol.4
女子キャンパーとしてさまざまなメディアで活躍中の森 風美(もり ふうみ)さん。もともと「徒歩キャンパー」だった彼女は、「車中泊キャンパー」にもなるべく2019年4月に人生で初めてクルマを購入! 選んだクルマはHonda「バモス ホビオ※」です。この連載では、DIYや純正アクセサリーを使いながら「女子キャンプのための車中泊スタイル」を完成させていく道のりを紹介していきます。4回目は車中泊におすすめしたい「快眠のための寝具アイテム」について紹介していただきます! ※2018年5月に販売終了
記事提供元/カエライフ
森 風美(もり ふうみ)
年間80泊するほどキャンプを愛し、女子でも楽しめるキャンプスタイルをSNSで発信している女子キャンパー。女性向けアウトドアWebメディア「なちゅガール」の編集長も務める。ほか雑誌・テレビ・イベント出演など幅広い分野でも活躍中。
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twitter @fu_uyu
安全に楽しくクルマで旅をするために必要な「お休みアイテム」
こんにちは、森 風美です。完璧なフルフラットDIYが完成した次に考えるべきは「寝具」。快適な睡眠は安全な運転につながるので、自分に合った寝具を見つけることが大変重要です。そこで今回は、車中泊において少しでも快適で上質な睡眠をとるための「お休みアイテム」についてお話しします!
私の体感では、1回の睡眠で疲れがとれる割合は、キャンプのテント泊で5割、車中泊で7割、コテージやホテル泊は9割。単に寝たからといって、体力が完全に回復するわけではないんです。
実際キャンプでテント泊や車中泊をしたあとに、疲れによる免疫力の低下によって、風邪をひいてしまう人は多いもの。車中泊もキャンプのテント泊と同様に「外で寝る」ので、自宅の寝室とはまったく違う環境だと思ってください。
とくに冬場の車中泊は、ものすごく乾燥するんです。自分の吐く息や汗に含まれる水分などが冷気によって結露となり、その結果、車内の水分が奪われてしまいます。さらに車内が乾燥すると体感温度が低くなるので、気がついたら本格的に風邪をひいて病院へ行く羽目に…。
限られたスペースの車中泊。「敷布団」はテント泊用マットが優秀!
車中泊で重要な「寝具」は敷布団と掛け布団の2つです。まずは「敷布団」からご紹介します。
キャンプのテント泊でも車中泊でも、いちばん快適に寝られるのは、やっぱり普段使っている家庭用のお布団! 車中泊のために新調しなくていいので、お財布にも優しい選択です。敷布団は厚みがあってクッション性もいいですし、地面からの冷気もシャットアウトしてくれます。
ところが、私の愛車バモス ホビオの荷室(=寝室)サイズは186×122cm。実は一般的に売られている布団は210×120cmなので、荷室より20cm以上も長いのです。
最初のころは荷室からはみ出してしまう敷布団の端っこを、内側に折り曲げて使っていたのですが、クルマのドアを開けると敷布団がビロンと飛び出てしまい、ドアを閉めるのにもひと苦労…。それに起きてから敷布団を畳んで収納するのも干すのも、とにかく大きすぎるので手間がかかり、面倒になってきました。
そして今たどり着いた「敷布団」がテント泊用の「インフレータブルマット」というもの。私が愛用しているのは登山・キャンプ用品で有名なmont-bell(モンベル)の「U.L. コンフォートシステム キャンプパッド38 150」で、サイズは150cm×60cm、厚みが3.8cm、重さは890gのものです。
「長さが150cmだと短いのでは!?」と思ったかもしれませんが、足りない部分は枕で補います(ちなみに私は身長164cm)。マットからはみ出す形で枕をセットすれば、180cmくらいの方まで余裕で寝られる長さなんです。
このインフレータブルマットの最大の利点はコンパクトな携帯性! 使うときは空気を取り込んで膨らませ、収納するときには空気を抜いて小さく丸めたり折り畳んだりできる構造になっています。ぶ厚くて重い敷布団と違って、インフレータブルマットなら扱いも簡単なので、荷室の掃除もマメにするようになりました。もちろんウレタンフォームが入っているので、クッション性や保温性はバッチリ!
ほかにもテント泊用の寝具アイテムは携帯性に優れているタイプが多いので、スペースの限られた車中泊にも応用しやすいものが多くあります。厚みや長さのサイズバリエーションが豊富なので、自分の体に合わせて選んでみてください。車内が完璧なフルフラットではない場合、厚さが10cmほどのタイプを選んでもいいと思います(小さく収納はできませんが…)。
寝袋か毛布か? 冬でも暖かく過ごすための掛け布団選び!
続いて、とくに悩みの多い「冬の掛け布団」についてお話しします。夏はむしろ暑すぎることもあるので、タオルケット1枚あれば十分です。冬は寒さ対策として、冬用の寝袋や羽毛布団のような厚手の掛け布団が必要です。
冬の寝袋(シュラフ)は化繊よりもダウン(羽毛)のほうが断然温かいです。形は2タイプあります。1つは防寒性が高いミノムシのような形の「マミー型」。体にぴったりフィットするので温かいです。もう1つは快適性が高い「封筒型」。長方形になっているので、マミー型より足元がゆったりしています。
ここまで寝袋の紹介をしましたが、実は私はキャンプ女子としてあるまじきことに、寝袋が少し苦手…。寝返りが打ちにくくどうも寝づらいのです!
そんな私がどんな掛け布団を使っているかというと、自宅で愛用している羽毛の掛け布団! これに車中泊する場所の寒さに合わせて毛布を足して調整しています。寝具を家庭環境になるべく近づけることで、安心してぐっすり眠ることができます。
一見かさばりそうな羽毛布団ですが、大きめのバッグや風呂敷に入れてギュッと圧縮すれば、とっても小さくなりますよ!
そうそう、枕も重要なポイントです。私はお気に入りのクッションを枕代わりにしています。首や肩を痛めやすい人は、普段使っている枕を使ったほうがいいと思います。ちなみに私の父は「わざわざ枕のために、収納スペースを割きたくない!」といって母に手作りしてもらった「中に衣服を収納できる枕」を愛用しています。
使い勝手を考えると、改造プランの試行錯誤は続く…
もともと私のクルマ改造プランでは、最終的に車内にベッドを作って、その下に寝具や着替えなどを収納するスペースを作りたいと思っていました。でも、ベッドを設置すると、デメリットがあることがわかってきました。
まず、簡単に取り外せるようにベッドを設置する必要があったこと。私の愛車バモス ホビオのエンジンオイルは後部座席の下にあるため、定期点検のときに座席の下にあるカバー(正確には「メンテナンスリッド」というらしいです)を開けられないといけなかったのです。さらに車検のときや友達4人で出かけるときにも、ベッドは取り外さなくてはいけません。
vol.3でご紹介したDIYで作った床板でさえ、取り外したあとに置いておくスペースが、私のガレージにはないので悩んでいます。さらにベッドも、となるとなおのこと。そもそも1人で積み下ろしができるのかも不安…。さらにキャンプ用品が積みにくくなるなど、課題が多いためベッドの導入は今のところ見送っています。
新しい改造プランは試行錯誤を繰り返していますが、まずは冬の車中泊を快適にするために床板の下に断熱材を敷くDIYから取りかかろうと思っています。
睡眠も大事だけど、クルマの使い勝手も捨てられないのが「街乗りもする車中泊車」の難しいところ。便利なアイテムを使って快適な睡眠を確保しつつ、女子や体力に自信のない人でもできる車中泊スタイルへの探求は、まだまだ続きそうです。
次回は、さらなる安眠を求めて「車中泊には必須! 朝日や視線から自分を守るカーテンのつけ方」をご紹介します。
文・写真・イラスト/森 風美
写真/松本いく子(1、2、3、6、7枚目)
※この記事は、カエライフに2020年2月10日に掲載されたものです。