2022年04月12日 15:00 掲載

ライフスタイル 清水和夫さん、良いクルマの条件とはなんですか?|清水和夫が徹底解説「クルマの未来」<連載 第5回>

“良いクルマ”とは一体どんなクルマなのだろう。安全性? 乗り心地? それともデザイン? クルマ選びにおける重要なポイントについて、モータージャーナリストの清水和夫さんに聞いてみた。

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文=清水和夫

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 今回のテーマは良いクルマについてレポートしたいと思う。この質問は読者からもよく聞かれるが、良いクルマというのは、かなり主観的になりそうなので、ここでは一般論と清水の私的な意見を切り分けて考えてみる。

安全情報公開JNCAPを参考にする

 まずは一般論だが、重要な安全の話から始めよう。最近は交通事故を削減する安全機能が充実してきたので、ここは気になるポイントだろう。安全性では日本車の水準は非常に高く、サポカーの新基準も、昨年11月1日から政府と合意の上、被害軽減ブレーキの義務化が制定された。

 しかし、基準以上の安全性能を知るには、各国が行っている新車の安全性評価情報(アセスメント=NCAP)がためになる。日本ではJNCAPと呼ばれる情報公開が提供されているから、ググってみると良いだろ。

 安全基準とは政府が国連で同調して取り組むものなので、安全性能のベースライン。もっと安全なクルマは各メーカーの競争領域なので、情報が公開されるようになってからは、メーカーも必死に取り組んでいる。

安全の一丁目一番地とは

 しかし、人が運転するクルマの場合、そのスキルや経験で運転のし易いかどうかは個人差がありそうだ。そこで私が大切だと考えているのは、視界性能とドライビングポジション(以下ドラポジと略する)。もちろん、ペダル配置も重要だ。

 クルマは動く道具なので、その道具が使いやすいかどうか。ミスをしないで安心して運転できるかどうか。そのためには視界性能とドラポジは重要なのだ。レースカーではドラポジを決めるまでに、何日もかけて入念にシートなどを調整する。

「左折時の見やすさも、良いクルマの条件のひとつ」と清水氏は解説する。© One - stock.adobe.com

 ポイントはAピラーとドアミラーの部分だ。町中で左折するとき、一番気になるのが、左後方から近づく自転車と歩行者。中にはスマフォをみながら歩く人もいるし、足の悪いお年寄りもいるが、まだ、クルマは完全に左に曲がりきっていないので、左後方は見にくい。

 さらにAピラーが視界を遮ることがしばしばあるので、この部分の視界を配慮することは「安全運転の一丁目一番地」だと確信している。高速道路の事故はクルマ同士、あるいはクルマと道路の衝突なので、シートベルトを装着していれば、重症死亡率はかなり下がるが、町中のクルマの人身事故は悲劇的だ。ほとんどのケースでは歩行者の被害が大きいからだ。

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