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公開日:2025.11.13

アルファロメオらしさって何? 新型コンパクトSUV「ジュニア」が、私の胸をザワつかせる【瀬イオナの試乗レビュー】

アルファロメオの末っ子「ジュニア」が、私の胸をざわつかせる!【瀬イオナの試乗レビュー】

なぜアルファロメオは、いつの時代もクルマ好きを惹きつけるのか。新たなエントリーモデルとして誕生したコンパクトSUV「ジュニア」を、新米モータージャーナリストの瀬イオナが試乗した。

アルファロメオの末っ子「ジュニア」が、私の胸をざわつかせる!【瀬イオナの試乗レビュー】

文=瀬イオナ

写真=河野マルオ(maruo kono)

編集=秋月新一郎

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アルファロメオの入門モデル、ジュニア

アルファロメオ・ジュニア イブリダ コア|Alfa Romeo Junior Ibrida Core

「スクデット(盾)」と呼ばれるアルファロメオ伝統のグリルには、クラシカルな書体で「Alfa Romeo」の文字が描かれている

アルファロメオから待望のコンパクトSUV「ジュニア」がついに登場した。都心の街角で初めてその姿を目にしたとき、真っ赤なボディが無機質なビル群の中でひときわ映えていた。まるでドレスを纏った女性が立っているかのように──。

6月の新型発表会の時に、真っ赤なドレスで踊る演出があったが、まさにそれを体現しているようだった。

アルファロメオらしいスポーツスピリットと、現代的な先進性とが調和するジュニア。三眼のLEDヘッドライトや、伝統の縦型フロントグリルなどで構成される「トライローブ」と呼ばれる個性的なフロントマスクがとても印象的。

さらに空力特性のためにリアエンドを断ち切ったデザイン「コーダトロンカ」が施され、より一層スポーティな印象を強めている。コンパクトSUVでありながら、一目でアルファロメオだ!と分かるルックスと、存在感を放っているのがとてもオシャレだ。

アルファロメオ・ジュニア イブリダ コア|Alfa Romeo Junior Ibrida Core

モータースポーツのDNAを感じさせるドライバー中心に設計されたコックピットは、視認性重視のテレスコープデザインを採用する

さっそく運転席に座ってみると、包まれるようなコクピット感がありつつも、視界は良好。視認性の高さは日常の運転に安心をもたらしてくれそうだ。コンソールに目を向けると、大きくて操作性に優れた10.25インチのタッチスクリーンとご対面。アンビエントライトによって照らされた室内は、スポーティさと上質さが両立しており、乗り込むたびにドライブへの期待を膨らませてくれる。

ラゲッジルームは415Lを確保。街乗りから旅行まで、日常の幅広いシーンで頼れる収納力を備えている。コンパクトSUVの名を冠しながらも、利便性はしっかりと担保されていたのが印象的だった。

アルファロメオ・ジュニア イブリダ コア|Alfa Romeo Junior Ibrida Core

コンパクトSUVながら、415リットルというゆとりのあるラゲッジスペースを確保している

クルマは操って楽しむもの

今回試乗したのは、エントリーグレードの「イブリダ コア(Ibrida Core)」だ。パワートレインは、1.2リッター直列3気筒ターボに22PS(16kW)のモーターを組み合わせた48Vマイルドハイブリッドシステムを採用し、6速デュアルクラッチを介して前輪を駆動。システム合計最高出力は145PS(107kW)を発揮する。

ボディサイズは、全長4195×全幅1780×全高1585mmと都内の狭い道路でも扱いやすいサイズ感で、トヨタ・ヤリスとほぼ同じ。日本の道路事情にも非常にマッチしている。

アルファロメオ・ジュニア イブリダ コア|Alfa Romeo Junior Ibrida Core

アルファロメオ・ジュニア イブリダ コア|Alfa Romeo Junior Ibrida Core

アルファロメオ・ジュニア イブリダ コア|Alfa Romeo Junior Ibrida Core

ドアを開けて初めて姿を表すアルファロメオの紋章。末っ子だってオシャレ

アクセルを踏み込むと、滑らかで力強い加速にびっくり。3気筒ながら振動や騒音は抑えられていて、静粛性も良い。高速道路の120km/h区間でも余裕を感じさせ、BセグメントSUVの枠を超えた走りの質を体感できた。

ドライブモードは「アドバンスドエフィシェンシー」「ナチュナル」「ダイナミック」の3種類。ワインディングで特に印象的だったのは「ダイナミック」モードで、ステアリングレスポンスが研ぎ澄まされ、路面を捉える確かさが際立っていた。「クルマは操って楽しむもの」とあらためて感じさせてくれる乗り味で、速度以上に走らせる喜びを実感することができた。

アルファロメオ・ジュニア イブリダ コア|Alfa Romeo Junior Ibrida Core

ビショーネ(蛇)が光る、かわいいエアコンの吹き出し口

私はジュニアとダンスする

唯一気になったのは回生ブレーキ。特に「ダイナミック」モードでは減速Gが強めに発生し、慣れないうちは違和感が残る。しかし、数日試乗するうちに自然と馴染み、むしろアクセルとブレーキをリズミカルに操る楽しさへと変わっていった。

アルファロメオ・ジュニアは、デザインの美しさ、実用性、そしてアルファらしい走りの情熱をすべて兼ね備えたコンパクトSUVだと感じた。電動化の時代にあっても、走りの喜びをしっかりと残し、次世代へ向けた「アルファロメオ」を提示しているようにも思う。

コンパクトなボディの中に詰め込まれた伝統と革新の「ジュニア」は、これからのアルファロメオを象徴する一台になるだろうと確信した試乗だった。

アルファロメオ・ジュニア イブリダ コア|Alfa Romeo Junior Ibrida Core

ちょっとクセのある回生ブレーキも、慣れればダンスするように操れるアルファロメオ・ジュニア

SPECIFICATIONS
アルファロメオ・ジュニア イブリダ コア|Alfa Romeo Junior Ibrida Core
ボディサイズ:全長4195×全幅1780×全高1585mm
ホイールベース:2560mm
車両重量:1330kg
総排気量:1199cc
エンジン:直列3気筒ガソリンターボ
エンジン最高出力:136ps(100kW)/5500rpm
エンジン最大トルク:230Nm/1750rpm
モーター最高出力:16kW(22ps)/4264rpm
モーター最大トルク:51Nm/750-2499rpm
システム最高出力:145ps(107kW)
トランスミッション:6速DCT
駆動方式:FF
WLTCモード燃費:23.1km/L

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