白化した車の樹脂パーツを復活させたい! どうすればツヤを取り戻せる? たった2アイテムで手軽にできる施工方法を紹介【カーマニア本田浩隆の愛車日常メンテナンス】
日差しや経年によって、愛車の未塗装樹脂パーツが白くカサカサに劣化。このままでは見た目の印象が悪い! こんなとき、手軽に樹脂を復活させられるのだろうか? “35歳以下のクルマ好き”が集まるカーミーティング「YOKOHAMA Car Session」運営メンバーである本田浩隆さんに、白化した樹脂のツヤを取り戻す方法を教えてもらった!
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“樹脂復活”に必要なアイテムは?
突然の告白になりますが、筆者はバンパーやサイドモールがボディと同色のクルマよりも、未塗装樹脂の素地になっているクルマが好きです。イタリアやフランスのクルマには、未塗装樹脂パーツが多く使われていますよね。
ほかにもSUVやクロスカントリー系のクルマにも、タフさを演出するために未塗装樹脂パーツが多用されていますが、未塗装ゆえに樹脂が傷みやすく、白くボケてしまいがちです。
そこで、今回のメンテナンスでは、“神は細部に宿る”の精神で、未塗装樹脂の色味を新車当時のように甦らせようと思います。
キューブ型のメラミンスポンジ(写真左)は100円均一ショップで購入できるので経済的。黒樹脂コーティング剤(写真右)はクロス付きで1650円(税込)でした。
“樹脂復活”のために用意するものは、
・メラミンスポンジ
・樹脂復活コート剤(+拭き取りクロス)
これだけでOKです。
コート剤は主にアセトンなどの溶剤系が主成分のため、塗装面に付着すると塗膜剥がれの原因になります。万が一付着した場合は、すぐに拭き取ってください。
また、素肌に付着すると化学熱傷(やけど)の原因になりますので、手袋を着用し、通気性の良い場所で作業してください。
表面の汚れ落としは100均グッズが大活躍!
それでは作業を始めます。
今回施工したクルマは長期間屋外に停められていたため、もともと黒かった樹脂は白くボケており、シボ面にはワックスのカスも見られました。このカスが付着したままだとコート剤が弾かれて仕上がりが悪くなるため、あらかじめ取り除いておくのがベターです。
時間に余裕があれば、メラミンスポンジやブラシ(毛並みが硬めのもの)で掻き落としておくと効果的です。どちらも100円均一ショップで購入できます。
メラミンスポンジに水をたっぷりと含ませましょう。このグッズは使ったことがある方も多いですよね?
今回はキューブ型のメラミンスポンジを使用します。しっかりとスポンジに水を含ませたら、樹脂の表面を一皮むくようなイメージで擦っていきましょう。
ワックスのカスや汚れを落としたら、水気を拭き取り、乾燥させてください。
メラミンスポンジで磨くだけでも汚れが落ちてキレイになりますよ。
樹脂コーティング剤塗りは、すぐに効果が出る?
未塗装樹脂パーツの表面がキレイになったところで、いよいよ樹脂のツヤを甦らせます。
コート剤を塗りたくない箇所がある場合は、樹脂と塗装面の境界部分をマスキングしておくと安心です。もしコート剤がはみ出したとしても、すぐに拭き取れば問題ありません。
乾いたクロスにコート剤を適量取り、未塗装樹脂の表面に塗り込みます。この時、クロスに液剤をたっぷり取ってしまうと、垂れやムラ、塗装面への付着など、失敗の原因になりますので注意してください。
焦らず、やり過ぎないことがコツです。
黒樹脂コーティング剤は透明。少量でもクロスで伸ばせばクルマ1台分の樹脂パーツをカバーできると思います。
フロントグリルに黒樹脂コーティング剤を塗り込んでいます。ケミカル系のカー用品を扱う際は、ゴム手袋を着用しましょう。
ひとまとまりの樹脂パーツにコート剤を塗り終えたら、液剤が乾く前に別のクロスで余分な塗りムラを拭き取ります。目安は表面がサラッとした手触りになり、色味が黒々としているくらいがベストな状態です。
筆者は今回、「Car Zootプロ仕様 黒樹脂完全復活」という商品を使用しました。試しにボディ左半分の未塗装樹脂パーツに塗ってみたところ……スゴイ! 新車のような色味に戻りました!
左半分が施工後、右半分が施工前の状態です。一目瞭然ですね。
もともとはこんな色味だったのか……と感動しつつ、もう半分も塗り進めます。
液剤タイプはクロスにつけて塗るので、グリルなど細かい箇所にも塗布しやすいです。
実際に施工したクルマでは、目に見える範囲に樹脂パーツがあれば、すかさずコート剤を塗ってみました。未塗装樹脂本来のツヤと色味を取り戻すと、やはり全体的な雰囲気がシャキッとして見えますね。
ドアミラーまわりの樹脂が復活! 新車のようなツヤがよみがえりました。
手軽な樹脂復活は、ヤングタイマー乗りにもおすすめ!
施工から数か月が経過した現在でも、コート剤の耐候性は抜群で、屋外保管でも黒々とした質感を維持しています。仕上がりもギラギラし過ぎず、マットで自然な風合いが保たれる点も良いです。
このメンテナンスは現代のクルマはもちろん、80年代以降のヤングタイマー世代のクルマにも効果テキメンです。
ちなみに筆者の愛車、シトロエンBXのミラーやドアノブ、バンパーのモール、グリルなどにもコート剤を塗布していますが、5年経っても自然なツヤと黒さを保っていますよ。
写真上から、白化してしまった未塗装樹脂パーツと、施工後の未塗装樹脂パーツです。
いかがでしたか?
このクルマでは4回にわたり、洗車からヘッドライトの黄ばみ取り、ボディ&ガラスコーティング、そして樹脂復活の施工を実施しましたが、外観の印象が大きく変わったのは、ヘッドライトと外装モールでした。特に目元が透明になり、黒い差し色が引き締まるだけで、15年落ちの中古車とは思えない仕上がりになります。
ヘッドライト磨きや樹脂復活といった施工は、普段の洗車とは少し違いますが、数年に一度でも気になったタイミングで挑戦してみる価値があります。
手間はかかりますが、その分だけ成果に満足できるハズです。
洗車からヘッドライトの黄ばみ取り、ボディ&ガラスコーティング、そして樹脂復活まで施した姿がこちら。なんという美しさでしょう……!




