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最終更新日:2025.06.24 公開日:2025.06.24

東海環状道もついに大詰め! 本巣IC〜大野神戸ICが2025年8月に開通【道路のニュース】

東海環状道 本巣IC付近の写真。

愛知県、岐阜県、三重県で整備が進められている「東海環状自動車道(東海環状道)」は、2025年4月時点で全長約153kmのうち約80%にあたる127.8kmがすでに開通している。そして今回、残る未開通区間のひとつである「本巣IC〜大野神戸IC」が、2025年8月30日に開通予定であることが発表された。この記事では、この区間の開通によるメリットや、現在の工事進捗について詳しく解説する。

東海環状道 本巣IC付近の写真。

文=藤井宏治

画像、資料=国道交通省 中部地方整備局 岐阜国道事務所、NEXCO中日本

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東海環状道の本巣IC~大野神戸ICとは?

東海環状道の全体図。左上に位置する本巣IC〜大野神戸ICが、2025年8月30日に開通予定だ。

東海環状道の全体図。左上に位置する本巣IC〜大野神戸ICが、2025年8月30日に開通予定だ。

東海環状道は、名古屋市を中心とした内陸部をぐるりと一周する環状道路。愛知県豊田市から岐阜県を経由し、三重県四日市を結ぶ延長約153kmの高規格道路だ。東名・名神高速道路、中央自動車道、東海北陸自動車道、新東名・新名神高速道路の5本の道路と連結している。

2005年に最初の一部区間が開通して以降、着々と工事が進められ、残り少ない未開通区間のひとつである本巣IC~大野神戸ICの約6.8kmの区間が2025年8月30日に開通する予定だ。この区間が開通するメリットは大きく分けて4つ見込まれている。

まず、関西方面~北陸・飛騨高山方面間への経路でダブルネットワークが形成され、往来する車が分散して交通の信頼性が向上することだ。例えば、交通事故や災害などで、これまで主要ルートだった一宮JCT経由の道路に交通規制がかかっても、東海環状道を通れば目的地に到達する時間は大幅に遅延しなくなる。また、一宮JCTは年間を通して渋滞するポイント。この渋滞を解消するバイパス効果も期待される。

次に企業立地の促進だ。高速道路の整備は、物流を重視する企業にとって魅力的な立地条件となる。例えば、2019年に開通した大野神戸IC~大垣西ICは開通当初から5年ほどで工業団地数が約3倍に増加した。本巣IC~大野神戸IC付近にはすでに9企業が進出予定にあり、地域産業の活性化が予想されている。

そして、大阪まで至る広域的な物流の強化も期待されている。例えば、岐阜県はその標高差を活かして一年中ほうれん草を栽培・出荷している、全国でも珍しい地域だ。日本第二位の取り扱い高を誇る大阪市中央卸売市場で、岐阜県産ほうれん草は約5割のシェアを獲得している。従来は岐阜県から一宮JCTを通り大阪まで行くルートしかなかったが、そこに東海環状道が加わり輸送経路の選択肢が増えるため、輸送の安定化と効率化が実現できる。

最後のメリットは緊急医療サービスの向上だ。岐阜県唯一の高度救命救急センターである岐阜大学医学部附属病院は、東海環状道 本巣ICの東にある岐阜IC付近に位置している。本巣IC~大野神戸ICが開通すると、大垣市方面との搬送において時間短縮と安全な搬送を実現して医療を効率的に提供できる。

関西方面~北陸・飛騨方面間のダブルネットワークが完成する。

関西方面~北陸・飛騨方面間のダブルネットワークが完成する。

開通延期の経緯と2025年6月時点での工事進捗

東海環状道 山県IC~本巣ICは、2025年4月6日に開通していた。

東海環状道 山県IC~本巣ICは、2025年4月6日に開通していた。

2025年8月30日開通予定の本巣IC~大野神戸ICだが、実は先に開通した山県IC~本巣ICと同じ2025年4月6日に開通する予定であった。工事が遅れている理由は、本巣IC付近の高架橋「七五三第一高架橋」の橋梁下部工事で玉石が発見されたためだ。玉石とは硬くて丸い自然石のこと。当初は水圧で地中の土を緩めながら基礎を打ち込む方式が予定されていたが、玉石があるとこの方式では工事ができない。玉石を削りながら基礎を打ち込む方式に変更せざるを得なくなり、予定より開通が遅れてしまったという背景だ。

しかし、この橋梁下部工事も2024年11月末にはすべて完成済み。2025年4月時点で橋梁工事がすべて完了し、仕上げとともに各種検査の準備を進めていると発表されている。

本巣IC~大野神戸ICが開通し、東海環状道の岐阜県内区間が一本でつながる未来も、いよいよ現実のものとなってきた。地域住民のみならず、東海地区の住民に待ち望まれる開通予定日はもう目の前だ。

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