カーエアコンずっと「内気循環」は間違い?「外気導入」との使い分けや夏場におすすめの使い方。
カーエアコンには、「内気循環」と「外気導入」の設定がありますが、この意味や使い分け方を知っていますか? 夏場など外気温が上昇している際、車内温度を効率よく下げるためにはどちらを使えばいいのでしょうか?
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内気循環と外気導入の使い分けが重要

エアコンには「内気循環」と「外気導入」の2種類の機能が備わっています。
カーエアコンには、「内気循環」と「外気導入」の2種類の機能が備わっていて、任意で使い分けることができます。これらはどのような違いがあるのでしょうか?
内気循環は、車外の空気を取り込まず、車内の空気を循環させるモードです。このモードにすることで、エアコンから外気を取り入れないため、外の臭いが気になる時、トンネルなどで排ガスが充満している時など、車内空気を循環させたほうが快適に感じられる場合に活用します。
一方、外気導入は、車外の空気を車内に取り入れるモードです。一般的には、車内の空気を入れ替えたい時に活用します。例えば、雨天時などでフロントガラスが曇るときは、車内にこもった湿気を外へ排出できる外気導入と、デフロスタを同時に利用することで解消できます。
では、夏には「内気循環」と「外気導入」どちらを使用するのが適しているのでしょうか?
車内温度が高い時、エアコンを使って早く冷却したい場合は、内気循環を使用するといいでしょう。外の暑い空気を取り入れないため、冷房効率が上がりやすく短時間で車内温度を下げることができます。
しかし、夏にエアコンを使うと、フロントガラスが曇ることがあります。これは、冷房で車内が冷やされ、外気温との温度差が生じることで、ガラス表面に結露が発生するためです。この曇りを解消するには、前述と同様に外気導入とデフロスターを活用するといいでしょう。
1時間に1回は外気導入か換気を!

内気循環のみを使い続けると、車内の二酸化炭素濃度が上がる可能性がある。
ただし、長時間内気循環にしたままだと、乗員の呼吸によって二酸化炭素濃度が高くなり、眠気や頭痛の原因になる場合があるので、注意が必要です。
JAFは2019年、同型のミニバンを2台用意し、片方を内気循環、もう一方を外気導入に固定したまま、高速道路や郊外路、市街地をそれぞれ約1時間走行するテストをおこないました。
この結果によると、外気導入の場合、車内の二酸化炭素濃度がおおむね1000ppm前後で推移していました。しかし、内気循環では高速道路で最大4520ppm、郊外路で4730ppm、市街地で6770ppmとなり、一般的に眠気や注意力低下が起こる可能性があるという、3000ppmを大幅に超えました。実際、一部のテスト参加者は、内気循環のみを使用していると頭がぼんやりしたといいます。
このことよりJAFは、安全に運転をするために、走行中は外気導入を基本とし、排ガスや悪臭が気になる場面のみ内気循環へ切り替え、少なくとも1時間に1回は換気をおこなうことを推奨しています。
このように、内気循環と外気導入にはそれぞれのメリット・デメリットがあり、状況に応じて適切に使い分けることが必要です。夏本番がくる前に、その特性や使い分けを覚えておくようにしましょう。また、エアコンフィルター点検やエバポレーター洗浄などをおこない、乗員が吸い込む空気の質を向上させ、長時間ドライブでも快適に過ごせるようにしておきましょう。
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