いま大注目のスクランブラー、ロイヤルエンフィールド「Bear 650」に試乗! 1960年代の“本物感”を放つ唯一無二のミドルクラスだ【試乗レビュー】
レトロな雰囲気に、最新の装備を搭載したミドルクラスの輸入車が欲しいならコレだ! 市街地にもオフロードにも似合うデザインに、力強い走りを実現した「ロイヤルエンフィールド」の新型スクランブラー「Bear(ベア)650」を紹介!
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JAIA(日本自動車輸入組合)が主催する輸入二輪車の合同試乗会は、現在国内で発売されている輸入車メーカーの新たなモデルが一堂に揃うメディア向けのものとなっている。
各輸入車メーカーから毎年様々なモデルが登場している中、いま注目したいのは、乗りやすさと手頃な価格帯が魅力となるミドルクラスの大型車両たち。国産車とは異なる独特のデザインや乗り味、そして所有感を満たしてくれるのが輸入車の特徴であり、魅力でもある。
これまでBMW「F900R」、ライアンフ「スピードツイン900」と取り上げてきたが、今回はロイヤルエンフィールドの新型ミドルクラス「Bear(ベア)650」を紹介する。
60年代のスピリッツを持ったスクランブラー

Bear 650では2in1タイプのサイレンサーを採用。
新モデルを次々と発表し、近年勢いを増しているインドのモーターサイクルブランド「ロイヤルエンフィールド」。そんな同ブランドから2025年4月17日に発売された、最新スクランブラーモデルがBear 650だ。
このモデルは、1960年にカリフォルニアの砂漠で開催されたレース「ビッグ・ベア・ラン」で、最年少(16歳)チャンピオンとなった「Eddie Mulder(エディ・モルダー)」のスタイルがモチーフ。過酷な環境を走り抜くタフな仕様でオンロードはもちろん、オフロードでも爽快な走りが楽しめるモデルとなっている。
剛性の高いダブルクレードルフレームに、力強い走りを可能にする650ccの並列2気筒エンジンを搭載。さらに、新採用の2 INTO 1の排気システムにより、エンジン性能が最適化され、回転域全体で力強さを感じられる。

エンジンの見た目はINT650やCONTINENTAL GT650と同じ650cc並列2気筒エンジン。しかし、中速回転域でのパワーを上げ、スムーズな加速を実現するなど、性能が向上している。270度クランクの不等間隔爆発クランクによる歯切れの良い排気音も健在。
この軽快さはオンロードだけではもったいない!

ロイヤルエンフィールド ベア650|Royal Enfield Bear 650
筆者(身長172cm)が実際に跨ってみると、スクランブラーらしくシート高は830mmとやや高め。しかし、車重は214kgとそこまで重くないため、足つきに不安は感じにくい。ライディングポジションも自然で、長時間でも快適に走行できそうだ。
走りとしては、スタート時の加速は軽快で、コーナリングでも安定感があり、ワインディングではヒラヒラと操る楽しさを味わえる。
走破性を高めるショーワ製のビッグピストンフォーク、無骨なブロックタイヤ、調整可能なシートポジションなど、走りを楽しむための装備も充実。2 in 1サイレンサーは、見た目の美しさだけでなくトルクアップにも貢献している。これはぜひオフロードでも試してみたくなる仕上がりだ。

シート高830mmのBear 650に筆者(身長172cm)が跨ってみると、このような感じに。

Bear 650には5インチの円形ディスプレイを搭載。専用アプリと連携した「トリッパーダッシュ」モードでは、Googleマップによるナビゲーション表示に加え、音楽やメッセージなどの通知も確認できる。
悩ましいのは、用意された5つのカラーリング。それぞれ、フューエルタンクのグラフィックだけでなく、フレームやサイドパネル、フロントフォークの配色まで異なり、印象が大きく変わる(価格も若干異なる)。
中でも注目は、アイボリーのタンクに鮮やかなグリーンのフレームを組み合わせたパターン「Two Four Nine」。これは、前述したレースの最年少チャンピオンに敬意を表した特別カラーエディションで、特に人気を集めそうだ。

「249」は、1960年のビッグ・べア・ランを制したエディ・モルダーが当時付けていたレース用ナンバーだ。
SPECIFICATIONS
ロイヤルエンフィールド ベア650|Royal Enfield Bear 650
ボディサイズ:全長2216×全幅855×全高1160mm
シート高:830mm
車両重量:214kg
総排気量:648cc
エンジン:空冷並列2気筒SOHC4バルブ
最高出力:34.9kW(47PS)/7150rpm
最大トルク:56.5Nm/5150rpm
変速機:6速リターン
価格:99万円~101万5300円(税込)