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最終更新日:2025.07.03 公開日:2025.07.03

信号なし&無料の「名豊道路」全線開通は効果あった? 蒲郡バイパス開通後の交通状況や反響はいかに【道路のニュース】

全線開通した名豊道路の2車線区間。

「名豊道路」は、最後の未開通区間だった蒲郡バイパスが完成して、2025年3月に全線開通しました。開通によるさまざまなストック効果が期待されていますが、開通後の交通状況や効果はどうなったのでしょうか?

全線開通した名豊道路の2車線区間。

文=大門道子

資料=国土交通省 中部地方整備局

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名豊道路が2025年3月に全線開通!

名古屋から豊橋の所要時間を示す図(資料:国土交通省 中部地方整備局)

名豊道路は所要時間の短縮や物流効率化、災害に強い道路機能の確保等、さまざまなストック効果の発現が期待されている。

国道23号のバイパス「名豊道路」は、蒲郡バイパス(豊川為当IC~蒲郡IC:9.1km)の完成によって、2025年3月8日に全線開通しました。

名豊道路は、名古屋市と豊橋市を結び沿線の8市1町を通過する延長72.7kmの大規模バイパスで、知立・岡崎・蒲郡・豊橋・豊橋東の5つのバイパスによって構成されています。名古屋から豊橋まで信号のない無料ルートが繋がることで、移動所要時間の短縮や物流効率化、救急医療機関への搬送時間短縮等のさまざまなストック効果の発現が期待されています。

【名豊道路による所要時間の変化】
・名古屋市から豊橋市まで国道23号を利用した場合
 開通前:約1時間20分
 開通後:約1時間(約20分短縮)

蒲郡バイパス開通セレモニーの様子。

蒲郡バイパス開通セレモニーの様子。

蒲郡バイパスの開通で混雑が解消した道路も!

蒲郡バイパスの開通により、前芝ICから蒲郡ICへの移動が最大9分短縮された。

蒲郡バイパスの開通により、前芝ICから蒲郡ICへの移動が最大9分短縮された。

蒲郡バイパスが開通してから4か月が経過しましたが、果たしてその開通効果はどれくらいあったのでしょうか?

蒲郡バイパス開通前は、前芝ICから蒲郡ICへの移動する際、主要渋滞箇所である県道豊橋幸田線や国道1号を利用する必要がありました。しかし今回、蒲郡バイパスを利用できるようになったことで、同区間の移動時間は最大9分の短縮に。国土交通省中部地方整備局の発表によれば、平均27分かかっていたところ開通後は18分になったといいます。

また、同開通区間の交通量は12時間あたり約1万6500台を記録。これに伴い、並行する国道1号や県道豊橋幸田線などでは交通量が大幅に減少。特に豊川市周辺では両路線からの交通量が合わせて約1万台減少しました。

その結果、国道1号では最大渋滞長が530m減少、音羽蒲郡有料道路(オレンジロード)では最大渋滞長が190mあった渋滞が解消するなど、周辺道路の混雑が緩和しました。

では、実際に蒲郡バイパスを走行したドライバーはどのように感じているのでしょうか?

2025年5月に実施された「名四国道事務所ヒアリング調査」によると、蒲郡市の物流企業は「蒲郡バイパスを利用することで、名古屋市と東三河地域間の移動時間が10分程度短縮されました。ドライバーの拘束時間の削減につながっていると感じています」と回答したそうです。

名豊道路に直結する三河港は、完成自動車を含む機械類・輸送用機器が輸出額の約97%を占め、完成自動車の輸出台数が全国第2位となっている全国を代表する完成自動車の輸出港です。自動車組立工場から三河港までの完成自動車の輸送時間が短縮することで、輸送回数の増加等による大きな経済効果も期待されるでしょう。

このように、名豊道路の全線開通によって、交通混雑の解消や所要時間の短縮などの効果が現れているようです。一方、豊川為当ICの合流部で速度低下が発生しているとも報告されており、暫定2車線による運用のデメリットも発現しているようです。名豊道路開通によるストック効果を最大化するため、早期の4車線化への期待が集まります。

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