中央分離帯の植物のナゾ……なんのために植えられているの? 実はちゃんとした目的があった!
高速道路を走行中、ふと周囲の景色に目を向けると、中央分離帯に植物が植えられていることに気がついた……という経験のある人も多いでしょう。しかし、いったいなぜ、中央分離帯に植物が植えられているのでしょうか。そのナゾを解明してみましょう。
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中央分離帯の植物は安全運転に役立っている?
サザンカは、中央分離帯に植樹されることの多い植物の一つ。
高速道路の真ん中、中央分離帯には何故か植物が植えられていることが多いです。植物だと剪定の手間があったり、枯れてしまったりと、面倒なことが発生しそうですが、どのような目的があって植樹されているのでしょうか。
NEXCO東日本によると、これらの植物が植えられている目的はいくつかあるといいます。
1つ目は、対向車のヘッドライトの眩しさを軽減するためです。実際、昨今のクルマのヘッドライトはLEDライトにより、かなり眩しくなっています。また、車高が高い大型トラックが多く走行する高速道路において、眩しさ軽減という役割がもたらす効果の大きさは、言うまでもありません。
2つ目は、道路の線形(曲がっていく方向)を分かりやすくしたり、単調になりがちな走行景観に変化をつけたりする目的です。長時間、高速道路を走行していると、単調な景色に飽きてしまい、ついついスピードを出し過ぎてしまうことや、眠気に襲われることがあります。
植樹によって、景観に変化があることでドライバーを飽きさせず、さらに眠気を誘発しづらくする効果があるため、安全運転に貢献しているといいます。
3つ目は、樹木の光合成によって二酸化炭素を吸収する目的です。これにより、地球温暖化を防ぐ効果も期待できるようです。
なお、NEXCO中日本によれば、中央分離帯にはサザンカ・マサキ・カイヅカイブキの3種類が多く植えられているそうです。これは、常時遮光効果を発揮するために、常緑で維持管理の容易な樹木・地被植物が選定されているためだといいます。
造花じゃダメなの? SNSの反響は?
剪定作業での交通整理は、渋滞の発生には大きく影響を及ぼさないという。
そんな中央分離帯に植えられた植物に対して、SNS上では「剪定作業で渋滞しないのか気になる」といった声や、「わざわざ生きた植物を植えずに、造花で代用すればいいのにダメなのかな」といった意見もみられます。
生きた植物である以上、放置しておくことはできないため、維持管理の手間やコストを考えると、このような考え方が生まれるのも不思議ではありません。
しかし、前述のように地球温暖化を防ぐ役割も期待されているため、造花では代用がきかないことは明白です。
また、渋滞など交通への影響を最小限になるよう、なるべく手入れの少ない植物が採用されているそうです。さらに植物の剪定は、交通を妨げる可能性があると判断された場合にのみ行われているそうで、交通整理をおこなうことはあるものの、渋滞の発生には大きく影響を及ぼさないといいます。
このように、中央分離帯に植えられた植物の維持管理には少なからず手間がかかっているものの、それを補うメリットがあるようです。植物に変わる画期的な方法が登場しない限り、今後も適切に管理されながら存続していく可能性が高いでしょう。
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