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最終更新日:2025.01.24 公開日:2025.01.24

美の探求に立ち返る2025年版の「ピレリカレンダー」。今年はイーサン・ジェイムズ・グリーンが撮る!

イタリアのタイヤブランド「ピレリ」が毎年制作し、世界で最も有名なアートカレンダーとして知られる2025年版の「ピレリカレンダー」が到着! 手がけたのは写真家イーサン・ジェイムズ・グリーンだ。

文=小川フミオ

写真=PIRELLI

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世界でもっとも有名なピレリのアートカレンダー

ハンター・シェーファー(アメリカ人女優、モデル、活動家)

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カレンダーの季節がやってきた。自動車の世界には有名なカレンダーがある。タイヤで知られるピレリが出す「ピレリカレンダー」だ。2024年11月には2025年版が、ロンドンで発表された。

タイヤとは事業部がまったく別のこのカレンダー。最前線で活躍するファッション写真家が、著名な被写体を撮ることでも知られ、お歳暮(日本の話)として配られるものとは一線を画し、アート本としてとらえられている。

シモーヌ・アシュリー(イギリス人女優)

25年版は、ニューヨークを拠点に、数多くのファッションブランドの仕事もこなすイーサン・ジェイムズ・グリーンが手がけている。被写体は以下のとおり。

ハンター・シェーファー(アメリカ人女優、モデル、活動家)
パドマ・ラクシュミ(インド系アメリカ人のテレビ司会者で作家)
ヴァンサン・カッセル(フランス人俳優)
エロディ(イタリア人歌手、女優、モデル)
シモーヌ・アシュリー(イギリス人女優)
ホヨン(韓国人女優)
ジョディ・ターナー=スミス(イギリス人女優)
マルティーヌ・グティエレス(アメリカ人アーティスト)
コニー・フレミング(アメリカ人モデル、ファッションイラストレーター)
ジョン・ボイエガ(イギリス人俳優)
ジェニー・シミズ(アメリカ人モデル)
イーサン・ジェイムズ・グリーン(写真家自身)

男女や肌の色や国籍などとりまぜたキャスティングで、なかには米国のハンター・シェーファーのように女優やモデルをこなしながら、LGBTQの権利に関する社会活動で知られる人物も、というぐあい。

美の探求に立ち返る2025年版のピレリカレンダー

もうひとつ、注目に値するのが、2025年版のテーマ。

ピレリカレンダーの歴史をたどると、最初は1964年。ザ・ビートルズのジャケット写真(「With The Beatles」「Help!」「For Sale」「Rubber Soul」)も手がけた英国のロバート・フリーマンが、女性の裸身を高いクオリティでもって美しく撮影した。その後、名だたる写真家が続くが、テーマは2000年代までほぼ不変。

2010年代後半になると、しかし、コンセプトに大きな変化が生まれた。裸体でなく、もっと写真家の創造性を尊重する方針が打ち出され、12人の被写体とともに物語性が重視される”作品”が生み出されるようになった。

それはそれでおもしろかったのだけれど、しかし、今回のグリーンは「身体を通して明らかにされる美の探求に立ち返り、被写体に対して官能的なアプローチをとっています」(ピレリカレンダーの広報資料)と、ある意味、大きな方向転換をはかった。180度に近い方向転換といってもいいだろうか。

1990年代にリチャード・アベドンとハーブ・リッツといった写真家が手がけたピレリカレンダーにもっとも興奮した、というグリーン。「美しくて、時代を超越したイメージを生み出しています」とする。

「20年、30年後に人々が振り返っても時代遅れに感じず、将来も参照されるような作品です。それは私が達成したかったことの大きな部分でした」

ジョン・ボイエガ(イギリス人俳優)

25年版ピレリカレンダーのファッションディレクターを務めた、元『ヴォーグ』誌のファッションエディター、トン・グッドマンも言葉を添えている。

「さらけ出すために隠すべきは隠さなければなりませんでした。ファッションを表現するためではなく、体をさらけ出すことで個人的な感情が表れた姿勢を表現するための手段として使用できる服を見つけることがチャレンジでした」

出来た作品はどれもアーティスティックといえるもの。しかし、いまの時代、ウェブサイトへの掲載も少しためらわれるものがあるのも事実。実物を見ていただきたいが、あいにくピレリカレンダーは非売品。

ピレリカレンダーの専用サイト(https://pirellicalendar.pirelli.com)で「Refresh And Reveal」と題されたグリーンの作品を見ていただきたい。

パドマ・ラクシュミ(インド系アメリカ人のテレビ司会者で作家)

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