渡辺敏史が選ぶ今年の1台は「トヨタ ランドクルーザー70」━━【若者はこれに乗れ! KURU KURAカー・オブ・ザ・イヤー2024-25】
日本を代表する著名モータージャーナリスト20名が、20代・30代の若者にオススメしたい今年いちばんのクルマを選出。新車・中古車問わず、いま購入できる車両の中から、渡辺敏史が選んだベストカーを紹介しよう!
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今年いちばんのクルマ
トヨタ ランドクルーザー 70|Toyota Land Cruiser 70
今年の新型車を振り返るに、3つの流れがあったように思います。
ひとつはコンパクトカーの充実。フリードやスイフト、フロンクスやミニ、そしてLBXなど、多様多彩なモデルが登場しました。
もうひとつは真逆ともいえるゴツいSUV系の人気。久々再販となった70系や新型の250系などランクルは市場で争奪戦に。同様にトライトンも納車待ちが続いています。
最後はBEV攻勢の本格化。BYDやヒョンデ、ミニやボルボなど、続々と新しいモデルを投入してきました。
そんな中で個人的に推したいのは70系ランクルでしょうか。40年以上前から作られている、その痕跡も端々に漂うリビングレジェンドですが、爆速安楽快適豪華……みたいなものは後のクルマ人生でいくらでも味わえます。安いクルマではありませんが、こういうので思い切り走り倒すというのを若いうちに経験しておくと、クルマ人生の幅が広がりますよ。
ドライブデートしたいクルマ
スズキ ジムニー|Suzuki Jimny
ベタですがやっぱりジムニーですかね。相変わらず新車は待ち、中古はプレ値と買いやすいクルマではありませんし、速くもなければ燃費がいいわけでもありませんが、日本の道で行けないところはまずないだろうという高い機動力が、ドライブをちょっとしたアドベンチャーに変えてくれます。
ちなみにデートという点でいえば、悪路で車体が揺れると肩が触れそうなまくらいの左右席間のタイトさも嬉しいポイントではないでしょうか。
家族でお出かけしたいクルマ
マツダ RX-8|Mazda RX-8
的が広すぎるがゆえ、仮にお子さんが小さい4人家族でお父さんは運転好き……と仮定しましょう。
お子さんのクルマ耐性を高めつつ、父権をしっかりグリップし、時には独善的に運転も楽しみたい。でも4ドアはマスト……と、そういう狭小な選択肢の中でも、光るクルマはあるんです。おまけに恐らくは唯一無二のエンジンから得る力で後輪を駆動する、最後のクルマになるのではと目されるヤツが。
RX-8、今ならべらぼうな高値には至っていません。燃費も悪いし手間も掛かりますが、唯一無二のファミリーカーであることは間違いありません。
運転が楽しいクルマ
マツダ ロードスター|Mazda Roadster
ジムニーに次いでベタすぎですが、これはもうロードスターを置いて他にはなかろうかと。もちろん86/BRZもフェアレディZもスープラも……と、スポーツカー的選択肢は色々ありますし、今や日本はそういうクルマが適切な価格で買える唯一の国といっても過言ではない。なんならスポーツカー買わなきゃ損ですよ損! という感さえあるわけですが、中でもロードスターの尊さは一線を画しています。
質の高いスポーツドライビングと、軽やかなオープンエアモータリングとの両方が叶えられる世界でも唯一無二の佳作は、中古車も残存価格率もド高めゆえ、人生初の新車購入体験にもぴったりですよ。
いま20代だったら欲しいクルマ
マツダ マツダ2 15MB|Mazda Mazda2 15MB
どんなクルマに乗っても全然楽しいし、いつまでも走っていられる、それが20代の特権です。歳を重ねるごとに色々と贅沢を覚えてきて、しまいには九州行くなら飛行機が一番安いよという拙のようなオッさんが出来上がります。
ともあれクルマの美点とまっすぐに向き合える、そんな時に乗る銘柄なんてなんでもOKだと思います。でもそこに維持費とか、人や荷物をのせる生活実用度とか、そういうことを考えると、たとえばBセグメントで気持ちよく走れるクルマなんかは相性がいいですね。
そのゾーンのド鉄板はスイフトスポーツだと思いますが、ちょっと変化球でマツダ2のモータースポーツベース車である15MBなんかは面白いですよ。ロードスター譲りともいえる自然吸気4気筒をぶんぶん回してMTを駆使する気持ちよさもたっぷり味わえます。
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