車用サンシェードってどれだけ効果あるの? 選び方や100均グッズでの自作方法も解説
クルマ用のサンシェードは、快適なカーライフを過ごすために欠かせないアイテムの一つです。特に、暑さが厳しい夏場には日よけや暑さ対策にサンシェードが役立ちます。しかし「サンシェードにはどのくらい効果があるの?」と気になっている方も多いはずです。そこで今回は、サンシェードを装着したクルマと装着していないクルマの車内温度を比較した実験をもとに、サンシェードの効果について解説します。クルマ用サンシェードの選び方やおすすめの商品、100均グッズで自作する方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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記事提供元/カエライフ
神奈川県横浜市生まれの車中泊&キャンプライター。YouTubeをきっかけに車中泊キャンプを始め、最近はほぼ毎週車中泊を楽しんでいる。現在の愛車は軽バン。低コストで車内を改装中。
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暑い時期には必須! クルマ用サンシェードの効果を知ろう
クルマ用のサンシェードには、日差しを遮り、車内やダッシュボードの温度上昇を抑える効果があります。
JAFが行った実証実験では、フロントガラスにサンシェードを装着したクルマは、何も対策をしていないクルマに比べて車内の温度が最大7℃、ダッシュボードの温度が最大27℃も低いということがわかりました。実験では気温35℃の炎天下のなか、駐車条件の異なる5台のクルマの車内温度を検証しています。
駐車条件は、対策なし・サンシェード装着・窓開け3cm・エアコン作動の4種類。対策なしのみ黒と白のクルマを用意し、その他の条件はすべて白のクルマで行われました。
車内最高温度 | 車内平均温度 | ダッシュボード 最高温度 |
|
---|---|---|---|
対策なし(黒) | 57℃ | 51℃ | 79℃ |
対策なし(白) | 52℃ | 47℃ | 74℃ |
車内最高温度 | 57℃ | 57℃ | 57℃ |
サンシェード装着 | 50℃ | 45℃ | 52℃ |
窓開け(3cm) | 45℃ | 42℃ | 72℃ |
エアコン作動 | 27℃ | 26℃ | 61℃ |
出典:JAFユーザーテスト「真夏の車内温度」
サンシェードを装着したクルマの車内最高温度は、対策なしの黒いクルマと比べると7℃も低い結果に。さらに、ダッシュボードの温度は対策なしの黒いクルマと比べて27℃、対策なしの白いクルマと比べて22℃も低くなっていました。
またサンシェードは、日光による車内装備の劣化防止にも効果があると考えられます。
「ダッシュボードに置いていたものが、日光や暑さのせいで壊れてしまった」という経験がある方も少なくないはずです。筆者も、ダッシュボードに置いていたCDケースの表面が溶けてしまった経験があります。JAFの実験でも、ダッシュボードの上に置いていたライターに亀裂が生じてガスが抜けたり、スマートフォンが高温により一時的に使用不能になったりする現象が確認されました。
車内に置いていたものが破裂したり引火したりする事故、やけどなどのけがを防ぐためにも、サンシェードをうまく活用しましょう。ただ、サンシェードの使用にはメリットだけでなくデメリットもあるため、まずはメリット・デメリットを確認していきます。
使い方・価格ともに手軽なのがメリット
クルマ用のサンシェードは、車内やダッシュボードの温度を抑える効果があるだけでなく、手軽に使える点や安価で購入できる点もメリットです。
一般的なフロントガラス用サンシェードの場合、広げてフロントガラスに設置するだけで使えます。設置方法は吸盤やマグネットなど製品によってさまざまですが、使い方に複雑な手順はありません。また安価なものが多く、フロントガラス用サンシェードは100円均一ショップでも手に入ります。
さらに、目隠しになる素材や形状のサンシェードをフロントガラス以外の窓にも装着すれば、プライバシーを確保することも可能です。車内で眠るときや着替えをするときなど、プライバシーが気になるシーンで役立ちますよ。
収納や暑さ対策の面ではデメリットもある
サンシェードには、収納や暑さ対策の部分でデメリットもあります。
多くのサンシェードは畳めるようになっていますが、畳んだとしても多少はかさばるので、収納に場所を取ってしまうことがあります。またサンシェードがあれば暑さ対策が完璧という訳ではありません。
先述のJAFの実験では、サンシェードを装着したクルマであっても車内平均気温は45℃と、人が過ごすには厳しい温度でした。さらに、サンシェードを装着したクルマと対策なしの白いクルマを比べた場合、車内最高温度・車内平均温度ともに違いはわずか2℃。クルマの色や環境によって、サンシェードを装着しても車内の温度がほとんど変わらないことも考えられます。
車中泊をする際など車内で過ごす時間が長い場合には、サンシェードだけではなく、エアコンや扇風機といった方法も組み合わせて暑さ対策をしましょう。
「クルマ用サンシェードはいらない」は間違い! 正しい使い方もチェック
最近では、多くのクルマが赤外線・紫外線カットガラスを採用しています。
例えばHonda車の場合、窓ガラスの赤外線カット率は70%以上のクルマがほとんどで、高いものでは80%を超えます。紫外線カット率は多くのクルマで90%を超えており、99%ものカット率を誇るクルマも。このように車両側にも工夫が施されているために「サンシェードはいらないのでは?」と感じる方もいると思います。
しかし、赤外線・紫外線カット率の高い窓ガラスでも、赤外線や紫外線、日光などを完璧に防げるわけではありません。内装の日焼けや劣化、車内温度の上昇を防ぐには、サンシェードも活用するのがベストです。
またサンシェードを使う際にはいくつか注意すべきポイントもあるため、ここからはサンシェードの正しい使い方について解説します。
前方座席のドアガラスに装着したままの走行は違法
運転席や助手席のドアガラスにサンシェードを装着したまま走行すると、道路交通法違反として取り締まりの対象になります。罰則は普通車6,000円・大型車7,000円の反則金と、違反点数1点です。道路交通法では運転者の視野を妨げる行為が違反であるため、走行中に窓全体を覆うのはもちろん、窓の一部を覆ったり、透けているサンシェードを装着したりすることも禁止されています。
一方、後部座席のドアガラスへの装着は道路交通法違反にはあたりません。ただし後方確認の際に視界が制限されるので、運転に自信がない人は注意しましょう。
走行中は外れないようにする
「チャイルドシートに座っている子どものために日よけしたい!」といった理由で、走行中に後部座席の窓へサンシェードを装着する場合、振動でサンシェードが外れてしまわないように注意が必要です。走行中に外れてしまったサンシェードに気を取られて思わぬ事故を起こすケースもあるため、走行前にはサンシェードの装着具合をしっかりとチェックしてください。特に、吸盤タイプのサンシェードは吸盤が劣化すると外れやすくなるので、吸盤の状態をチェックして、劣化していれば新しいものに付け替えましょう。
また車内に金属フレームがあるクルマの場合は、吸盤タイプよりも固定力が安定しているマグネットタイプのサンシェードを使うのがおすすめです。
ドライブレコーダーとの位置関係に注意
駐車中にフロントガラスへサンシェードを装着する際は、ドライブレコーダーとの位置関係に注意しましょう。
車内から見て、ドライブレコーダーよりも内側にサンシェードを設置してしまうと、直射日光とサンシェードからの反射熱によりドライブレコーダーが故障する場合があります。上部にスリットがあるなどドライブレコーダーに対応しているサンシェードを選ぶか、フロントガラスとドライブレコーダーの間にサンシェードを装着しましょう。
ただし、フロントガラスとドライブレコーダーの間にサンシェードを装着した場合、ドライブレコーダーのパーキングモード(駐車監視機能)で、クルマ前方の様子を録画することが難しくなります。パーキングモードを使いたい方は、ドライブレコーダーに対応しているサンシェードを選んでくださいね。
クルマ用サンシェードを選ぶポイントはサイズ・装着方法・使用目的の三つ
クルマ用のサンシェードは、サイズ・装着方法・使用目的を意識して選びましょう。もっとも重要なのは「装着場所に合うサイズであるか」という点です。小さすぎるとサンシェードの効果を十分に得られず、大きすぎるとうまく装着できません。
また装着方法も考慮したいポイントです。例えばフロントガラス用のサンシェードには、サンバイザーで挟んで固定するタイプ・ベルトでサンバイザーに固定するタイプ・吸盤で固定するタイプがあります。
吸盤タイプはガラスに密着させやすく、ルームミラーやドライブレコーダーに多少干渉してもしっかり装着できますが、ガラスに跡が残りやすいデメリットも。ガラスをできる限りきれいに保ちたい方には、吸盤を使用しないタイプがおすすめですよ。
さらに、サンシェードの使用目的を明確にしておくのも大切です。次のように、使用目的によって選ぶべき形状や必要な枚数は変わってきます。
- 駐車時のみ使用する場合:フロントガラス用のサンシェードだけでOK
- 走行中に使用する場合:後部座席の窓に合った形状のものを、必要な枚数だけ用意する
- 車中泊で使用する場合:すべての窓に対して、それぞれの窓に合った形状のものを用意する
車中泊などでプライバシーを確保をしたい場合には、純正品か車種専用品のシェードを選ぶといいでしょう。汎用品のシェードは簡易的な作りのものが多く、透けていたり、サイズが合わずガラス全体を覆えなかったりして、十分にプライバシーを確保できない場合があるからです。「N-VAN」や「FREED」といったHonda車には、純正アクセサリーとして「プライバシーシェード」のラインアップがあります。
純正品のためサイズもピッタリで、隙間から車内が見えることがないので、しっかりプライバシーを確保できます。またどちらのプライバシーシェードも吸盤や面ファスナーで固定するため、安定感もバッチリです。装着方法も簡単で、車内での休憩や車中泊のときにおすすめです。詳しい装着方法は動画でも解説しているので、ぜひご覧ください。