若者が憧れるクルマは、実はあのブランドだった!? KINTO取材で分かった意外な調査結果とは?(後編)【特集:若者のクルマと恋愛事情】
クルマのサブスクサービスを展開するKINTOが行う“意識調査”を読み解くこのインタビュー。後編では、若者がどのようなクルマに憧れ、どのような情報を求めているのか? 若者とクルマを近づけるためのKINTOの策を尋ねてみた。
若者に響くサービスを模索中、新サービスの反応に期待!
──前編では、Z世代の若者がクルマを欲しいと思っていることや、運転が好きだという意外な調査結果を紹介しました。また、それなのにクルマを所有しないのは、主に経済的な理由によるものだということがわかりました。
後編となる今回は、興味や関心のある若者が、どうしたらクルマに近づいてもらえるのかを考えたいと思います。KINTOの利用者の約4割が20歳代、30歳代の若い世代だとうかがっています。これまでの施策で、若者に響いた企画があればお聞かせください。
小川 直近の例としては、今年1月にトヨタ自動車が一部改良モデルを発売したトヨタのヤリスとヤリス クロスです。この2車種をKINTOでご提供するにあたって、若いお客様に魅力に感じていただくためのポイントを、マーケティングはもちろん、サービス自体にも戦略的に取り入れました。具体的には、若いお客様の手に届きやすいよう、「KINTO Unlimited」というサービスとセットで専用のUグレードを設け、いずれも月額2万円台のリーズナブルな価格を設定しました。さらに、運転スキルや燃費が一目でわかる診断機能をアプリでご提供したり、クルマの安全装備をスマホのように随時更新できる仕組みもプラスしました」
こんな動画やCMがバズった!
木村 ヤリスとヤリス クロスを「KINTO Unlimited」でご提供するタイミングに合わせて、TikTokの運用もスタートしています。いま行っているのは、クリエイターに若年層向けの動画を作っていただき、それを弊社のコンテンツとして発信するという形です。なぜこのような形になったかというと、Z世代の意識調査でクルマやドライブに興味を持っているという形を受けて、この世代が興味を持ちそうなコンテンツを掘り起こしています。
──若者がクルマへ興味を持ってくれるためのコンテンツで、バズったものはありますか。TikTokを拝見すると、ドライブデートの回の再生回数がかなり伸びていました。
木村 Z世代は、楽しいことに時間を費やしたいという価値観が強いようです。だったら大切な人と出かけたらどうだろうという話を小川としまして、そこからあのような動画になりました。
小川 難しい話をするよりもクルマってもっと近い存在だと思ってもらいたいというのがひとつあって、デートとか旅行のタイミングがあるんじゃないか、と考えました。
もう少しハードルを下げてカジュアルな内容で作っていこうとしているところでして、過去の事例としては、芸人のZAZYさんに紙芝居でKINTOを紹介してもらうWEBコマーシャルをつくったこともあります。この動画をサッカーW杯のハーフタイム中に流し、若いお客様に興味を持っていただくうえで、一定の話題づくりにつなげることができました。
@kinto_jp デートでいきたい!無料のドライブスポット!滋賀編♪【クルマのサブスクKINTO】 クリエイターtabitoko様(@旅とこ🐾関西のデートや旅行はお任せ!)に作成いただきました! #滋賀観光 #おでかけスポット #デート #ドライブ #KINTO #トヨタ ♬ オリジナル楽曲 – KINTO公式〜クルマのサブスク・キント〜
若者の4割がウェブでクルマを買いたがっている?
──TikTokのドライブデートの回も、ZAZYさんのコマーシャルも、確かに印象に残りますね。若い世代の興味の方向や情報の入手の経路が昔とは変わっているので、KINTOの取り組みは参考になります。KINTOの申込みはウェブ経由が多いと聞きましたが、クルマを買う時にはディーラーに足を運ぶことがかつては常識でした。
岡部 ウェブの申込みが全体の3分の2で、夜間の23時から24時と、お昼休みの時間のお申し込みが多いという傾向があります。家族会議で相談して夜に申し込むとか、次の日のお昼休みに入力していることが想像できます。
小川 洋服もお店で買うもので、ウェブは主流にならないと昔は言われていましたが、いまやECが高い人気を集めており、クルマもオンラインが選択肢のひとつになるといいな、と思っています。
岡部 KINTOの調査では、20~30代の4割強は「自動車をオンラインで購入・契約できる仕組みがあったら利用を検討したい」という結果もあるので、ウェブでクルマ選びがしやすいようなコンテンツを工夫して、情報を発信していきたいですね。ウェブで契約して、納車の時に初めてディーラーに足を運ぶというケースも増えているので、カーライフに入っていただくハードルを下げるという使命がKINTOにはあると思います。
──ほかに、若い世代にクルマを身近に思ってもらうための施策はありますか。
岡部 KINTOはクルマに乗りたいと思った時に寄り添ってくれる会社だと思ってもらいたいと考えて、2年近くかけてマスコットキャラクターを開発しました。筋斗雲とモビリティを組み合わせた「くもびぃ」というキャラクターで、クルマに乗りたいと思った時にふわりと現れるというコンセプトです。くもびぃをきっかけにクルマに乗りたいと考えている特に女性のお手伝いをしたいですね。
Z世代が憧れているクルマのブランド、第一位は?
──最後に、KINTOマーケティング企画部のみなさんのカーライフをお聞かせください。
岡部 まだマイカーは持っていませんが、家族のクルマとか社有車をちょこちょこと運転していて、ロケ撮影などは自分で運転して行くこともあります。使用頻度と維持費を考えると、マイカーはまだ持てていないのですが、1~2年以内には持ちたいと考えています。
小川 自分のクルマを持っていたのですが、東京に引っ越すタイミングで手放しました。木村さんも一緒ですね。
木村 一緒です。
──【Z世代の自動車教習に関する実態調査】「Q13 あなたが免許取得後にいつかは乗りたいと考えている、憧れの車名かメーカー名を教えてください。」という質問では、1位がメルセデス・ベンツ、2位レクサス、3位トヨタ・アルファードという結果でした。クルマへの憧れが失われていないランキングだと感じましたが、みなさんの憧れのクルマを何でしょう?
木村 インスタグラムの撮影の時に、新しいトヨタ・プリウスに乗せてもらったんです。私が以前乗っていた軽自動車とは滑らかさが桁違いで、これは欲しいと思いました。
岡部 私は、仕事で乗せていただいたレクサスLBXですね。かわいい感じで、小さな高級車という雰囲気に憧れます。
──今回のインタビューを通じて、クルマや運転を好きだと思っている若い世代がまだたくさんいることや、ウェブやSNSを効果的に使うことで彼らとクルマをもっと近づける可能性があることを知りました。インタビューをお受けいただき、ありがとうございました。
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