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最終更新日:2024.02.09 公開日:2024.02.09

高速道路のジャンクションは上から見ると美しい! 構造美を堪能するための基本的な種類。

高速道路のジャンクション。利用者としては、複雑でどちらに進めばいいのかわからなくなったり、ぐるぐると無駄に走らされているように感じたりすることもあるのではないだろうか。地図上で見てみると、そこには、複雑な設計と立体に交差する道路の生み出す構造美が存在する。実は、いくつか種類があるので、実例をもとに紹介しよう。

文=宮本 奈々(KURU KURA編集部)

ジャンクションの構造も千差万別!

豊田JCT。ハーフタービン型の綺麗な円形。(画像:(c) northsan - stock.adobe.com)

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ジャンクション(JCT)とは、道路と道路を接続する立体的な交差地点のことをいう。一般の道路では、交差点で道路と道路を接続し信号機で交通を制御するが、高速道路の場合、車両が道路をノンストップで走行しながら交差できるよう、立体的な構造物としている。

ジャンクションを建設する際は、周辺の場所や地形、通過する車両の交通量、交差する道路の数、走行の安全性など、様々な条件を勘案して構造を検討している。傾向としては、日本は平地の少ない地形のため、用地を要する巨大なジャンクションよりコンパクトな構造のジャンクションを建設していることがあげられる。

利用する側としては、あまり意識することはないかもしれない。複雑でわかりにくいと思うことはあるかもしれない。しかし、地図上や航空写真でみてみると、複雑な設計と立体に交差する道路の生み出すジャンクションの構造美におどろかされるはずだ。

それでは代表的な型を代表的なジャンクションで紹介しよう。

トランペット型

トランペット型のジャンクション。(画像:NEXCO西日本)

上から見るとトランペットのような「トランペット型」のジャンクション。インターチェンジによく使用される。ループはひとつでシンプルな構造。

北海道の帯広JCT。トランペットのようにループがひとつある。

画像は道東自動車道と帯広広尾自動車道に接続する「帯広JCT」だ。大平原にまっすぐ伸びた道路と道路がループで交わる。

その他、トランペット型とトランペット型を本線に対して向かい合うように設置したダブル使いしているジャンクションもある。

 

Y型

Y型のジャンクション。ランプ路のループを最小限にした直結タイプ。(画像:NEXCO西日本)

アルファベットのYのかたちをしている「Y型」。直結Y型と準直結Y型の2種類がある。

【直結Y型】
本線に対してランプ路を最短でつないでいる。岩舟JCT、山口JCTなど。交通量が多く、かつその差の小さい場合に適している。

【準直結Y型】
本線に対してランプ路を大きく迂回してつないでいる。東北道と北関東道を結ぶ栃木都賀JCTなど。一方の道路の交通量に差がある場合に適している。

栃木県の岩舟JCT。シンプルな直結Y型。

東北自動車道と北関東自動車道を結ぶ「岩舟JCT」は、ランプ路もコンパクトにおさめた典型的な直結Y型である。

クローバー型

クローバー型のジャンクション。(画像:NEXCO西日本)

上から見るとよつばのクローバーのようなかたちをしている「クローバー型」。1方面に、ふたつの分岐点とふたつの合流点があるため、利用する側としては、分岐や合流のわかりにくいジャンクションになりやすい。建設には広大な用地を必要とするため、急峻な地形の多い日本では珍しいタイプ。クローバー型を改良した変形クローバー型は各地に存在している。

ほぼ左右対称(大きさは不揃い)の完璧なクローバー型。

図は佐賀県鳥栖市の「鳥栖JCT」。九州自動車道、長崎自動車道、大分自動車道、この3路線を1箇所でさばく巨大ジャンクション。利用者にとっては「超むずかしいジャンクション」として知られているが、日本では貴重といえる完全(サガンクロス橋は架かっているが)なクローバー型である。

鳥栖JCTの路線図。九州自動車道に長崎自動車道と大分自動車道が直角に交わる。(画像:NEXCO西日本をもとに作成)

九州自動車道の福岡→長崎に向かう流れと、福岡→鳥栖出口に向かう流れが交差し、大渋滞を引き起こしていたため、サガンクロス橋を設けて長崎に向かう流れと鳥栖出口に向かう流れとを分離して現在のかたちとなっている。

タービン型

タービン型のジャンクション。(画像:NEXCO西日本)

二重の円を描く「タービン型」。立体交差の数は多いが、カーブの角度が一定で、ドライバーにとって走行しやすい。三郷JCTや清洲JCT、久御山JCTなどが該当。

二重の円を描くタービン型。

典型的なタービン型の清洲JCT。名二環と清須線・一宮線の3路線が交差している。

ハーフタービン型の円はひとつ。

続いてはひとつの円を描く「ハーフタービン型」の豊田JCT。東名高速と伊勢湾岸道が交差している。

ハンドルを握っていると「ここのジャンクションはわかりにくくていやだ」と思うこともあるかもしれないが、ぜひ、どんな構造をしているんだろう? 上から見たらどんな形なんだろう?と地図や航空写真を見てみてほしい。

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