新車販売台数ランキング【軽自動車】2023年度 上半期。トップは9年連続でN-BOX!
一般社団法人 全国軽自動車協会連合会(全軽自協)の発表する統計データより、2023年4~9月における軽自動車の車名別新車販売台数をまとめた。新型コロナウイルス感染症や半導体不足の影響により、減少していた総販売台数は前年比106.6%と回復基調。車名別でみると、「ホンダ・N-BOX」が9年連続でトップとなった。
目次
2023年度上期・軽自動車の新車販売台数は前年比106%
2023年4~9月における軽自動車の新車売台数は、軽乗用車と軽貨物車の合計が80万170台(前年比106.6%)。実に4年ぶりのプラスとなった。
車種別にみると軽乗用車が61万6155台(前年比110.2%)で増加。軽貨物車が18万4015台(前年比96.1%)と微減している。
昨年度上期の軽自動車新車販売台数は、新型コロナウイルス感染症やロシアによるウクライナ侵攻などの影響により、半導体や電子部品の製造・流通が滞り、自動車メーカーが部品の調達難に陥ったことを原因に減少傾向にあった。しかし本年度になると、半導体不足は解消に向かっていて、販売台数もコロナ禍以前の水準に向けて徐々に回復している。
2023年度上期・メーカー別新車販売台数ランキング
次にメーカー別の新車販売台数を見てみよう。1位はスズキで25万7626台(前年比108.6%)を販売し、3年ぶりに上半期首位戴冠。2位のダイハツも25万3899台(前年比105.3%)と伸ばしたが、スズキの勢いには勝てなかった。3位のホンダは13万7984台(前年比106.0%)で4年ぶりにプラスとなった。
メーカー別で前年比が最も伸びたのは、5位の三菱で2万6254台(前年比132.3%)。三菱はSUVとミニバンをかけ合わせた軽スーパーハイトワゴン「デリカミニ」を5月25日に発売。その好調により販売数を上乗せした。
全体を見ると、上位8メーカーのうち6メーカーがプラスという結果となった。
2023年度 上期・車名別新車販売台数ランキング(軽乗用車)
次に2023年上期における軽乗用車の車名別の新車販売台数をランキング形式で見てみよう。
1位:ホンダ・N-BOX 10万409台(前年比115.6%)
1位は、ホンダ・N-BOXで販売台数は10万409台(前年比115.6%)だった。
N-BOXは、2011年の発売以来連続してTOP3にランクインするトールワゴンタイプ。実に9年連続の首位戴冠である。2位以下に約3万台の差をつけて首位をキープする結果となった。普通車トップのトヨタ・ヤリスの販売台数が9万4443台なので、乗用車全体で見てもトップを走っている。
さらにN-BOXは、フルモデルチェンジした新型を10月6日に発売。下半期はこの新型の売れ行きに注目だ。
2位:ダイハツ・タント 7万3493台(前年比189.7%)
ダイハツ・タントは販売台数7万3493台(前年比189.7%)と大幅に増加させて、昨年4位から2ランクアップ。
タントは2022年10月にマイナーチェンジ。新たに「タント カスタム」、「タント ファンクロス」をラインナップに追加した。カスタム、ファンクロスともにフロントフェイスを刷新。これまでよりもやや無骨でカッコいいデザインが人気だ。さらに、ファンクロスはルーフレールや撥水加工が施されたカモフラージュ柄のシート表皮など、アウトドアを意識した装備を充実させ、新たなユーザー層へとリーチしているようだ。
3位:スズキ・スペーシア 5万7224台(前年比117.0%)
3位は、スズキ・スペーシアで販売台数は5万7224台(前年比117.0%)。タントに押される形で2位から転落した。2022年8月にシリーズ初の商用モデル「スペーシアベース」を発売し好調だが、商用車なので、このランキングには影響しない。
スペーシアは、実に6年ぶりにフルモデルチェンジがアナウンスされ、新型を待つ顧客による買い控えの影響があったのにもかかわらずの3位。11月22日に発売されたばかりの新型で、下半期は更なる上積みを狙う。
4位:ダイハツ・ムーヴ 5万1518台(前年比117.3%)
ムーヴは2022年7月に、フルモデルチェンジした「ムーヴ キャンバス」の新型を発売。発売後1ヵ月の累計受注台数が月間目標台数の4倍(26000台)となるなど、セールス好調だ。
しかし、無印のムーヴは7月24日に販売終了。本来なら7月3日にフルモデルチェンジが予定されていたが、同社が生産する一部車種にて認証手続きに不正があることが発覚。その不正の全容解明と再発防止策の実施が完了するまでフルモデルチェンジの発売が延期されている。この問題が解決されない限り、ムーヴの販売台数は大きく減少する可能性がある。
5位:スズキ・ハスラー 4万542台(前年比119.3%)
昨年7位から2ランクアップし、トップ5に仲間入りしたのはスズキ・ハスラー。販売台数は4万542台(前年比119.3%)。
ハスラーは、軽トールワゴンとSUVの要素を融合させたモデル。2020年1月に2代目となる新型を発売。初代からのコンセプトはそのままに、マイルドハイブリッドシステムを搭載して、燃費性能を向上させた。その後も、マイナーチェンジや特別仕様車の設定などを実施。カラーバリエーションの豊富さや近年のアウトドア人気に後押しされてか、順調に販売数を伸ばしている。
ランキングを見てみると、順位の入れ替わりはあるものの、上位の顔ぶれには大きな変化はなかった。トップ3は、いずれも全高1700mmを超えるトールワゴンで後席にスライドドアを配したタイプであり、トールワゴン人気はまだまだ継続していることがわかる。また、ムーヴもやや全高が低いが同様のタイプである。さらに、N-BOXとスペーシアは新型を発売したばかり、どちらがより販売台数を伸ばすのか下半期のランキングにも注目したい。
■普通車の新車販売台数ランキングはこちら → 2023年度上期・新車販売台数ランキング【普通車・小型車】
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