クルマのある暮らしをもっと豊かに、もっと楽しく

クルマ最終更新日:2023.11.14 公開日:2023.11.14

どっちのハイエースが好き? 初代ハイエース vs 最新ハイエース!【ジャパンモビリティショー2023】

トヨタ車体はジャパンモビリティショー2023で、「初代ハイエース」や最新BEVとなる「グローバル ハイエース BEVコンセプト」を出展した。初代ハイエース登場から56年の時を経て、次世代型のハイエースはどのように進化しているのだろうか。

文・写真=岩井リョースケ(KURU KURA)

写真左が「初代ハイエース」、写真右が「グローバル ハイエース BEVコンセプト」

記事の画像ギャラリーを見る

トヨタのミニバン、商用車、SUVなどの企画・開発・生産を行っている「トヨタ車体」は、ジャパンモビリティショー2023で「初代ハイエース」と、次世代を担う新型車「グローバル ハイエース BEVコンセプト」を展示した。このグローバル ハイエース BEVコンセプトは、初代はもちろん、現行のハイエースとも異なる外観だが、どんな理由があるのだろうか?

1967年生まれ、初代ハイエース!

会場で展示されていた初代ハイエース。この個体は元もと一般の方が乗っていたものを譲り受け、トヨタ車体がレストアしたもの。

1954年に登場した商用トラック「トヨペット・ライトトラックSKB型(1956年にトヨエースに改称)」の小型版として、モノを運ぶトラックと人を乗せる乗用車、その双方の属性を兼ね備えた新しい商用車「ハイエース(10系)」が、1967年に誕生した。ハイエースという名前の由来は「高級な、より優れた」という意味を持つ“High”と“Ace”を組み合わせたものだ。

初代ハイエースのボディパネルは曲線が多用され、商用とは思えない洗練された美しさがある。真横から見たシルエットもユニークで、フロントとリアのパネルラインが似ていることで、一瞬みただけではどちらが前かわからない、そんな面白さがある。

今回展示された青いハイエースは、トヨタ車体内部での技術伝承もテーマに含めてレストアされたもの。ボディは板金で修復した後、ブルーの美しい塗装が施されている。内装はシートなどは取り外し、取り替えられている。エンジンまわりは損傷が激しく、まだ自走できる状態ではないそうだ。

■初代ハイエース 諸元
タイプ/グレード:デリバリーバン/9人乗り
型式:PH10V-C
サイズ:全長4305×全幅1690×全高1890mm
ホイールベース:2350mm
車両重量:1130kg
エンジン:1600cc、ガソリン(12R-J)
トランスミッション:4速MT

真横から見ると、パッと見で前後の区別がつきにくいデザイン。

初代ハイエースのリアビュー。

海外で発売? グローバル ハイエース BEVコンセプト!

「グローバル ハイエース BEVコンセプト」は、セミボンネット化されたことで、国内のハイエースとは全く異なるシルエットになった。

グローバル ハイエースは広い荷室空間を持ち、荷物の移動と使いやすさを兼ね備えたという次世代BEVバンのコンセプトモデル。海外向けのハイエース(H300系)がベースとなっており、アルファードよりもさらに大きなボディが特徴。また、衝突時の安全性を配慮し、セミボンネット化したことで、これまでのハイエースとは異なるシルエットに仕上がっている。“グローバル”の名は、海外で商用車のEV化を要望する声が上がっているため、“世界”を意識して付けたそうだ。

展示されたグローバル ハイエースは、乗車定員1名という思い切った構造にすることで、広々とした空間を確保し、荷室はフラットにしてウォークスルーも可能、さらに、専用カートで荷物を楽に移動できるため、配送業務に適した仕様となっていた。

■グローバル ハイエース BEVコンセプト 諸元
乗車定員:1人乗り
サイズ:全長5280×全幅1950×全高1990mm
荷室(最大):長さ3490×幅1715×高さ1270mm
ホイールベース:3210mm
動力系・電池仕様などは未公開

右ハンドルの運転席まわり。パネルモニターには、配送ルートの最適化や次に配達する荷物の積載位置を表示するコネクティッド機能が搭載されるとのこと。

バックドアは観音開き。助手席がカーゴスペースとなったため、最大3.5mの長尺物も載せられるようになっている。

この先、ハイエースはどこに向かう?

海外向けに開発された、このグローバル ハイエースは、将来的に海外で販売される可能性が高いそうだ。逆に国内では全く予定がないそうだが、ネックになるのは車両の大きさだ。1950mmという車幅はトヨタの上級送迎車「グランエース」とほぼ同等なサイズとなるワケだが、たしかにここまで大きくなってしまうと、日本の道路で仕事用として使うには、やはり窮屈なのだろう。それに加え、現行の200系ハイエースはその完成度の高さや、車中泊仕様といったカスタムベース車両としての人気も大変なものとなっているため、果たしてフルモデルチェンジする必要があるのだろうか? あくまで筆者個人の意見ではあるが、もし時代の流れでBEV化の必要に迫られることになったのなら、初代ハイエースのデザインを踏襲してBEV化してくれれば、国内でも人気が出そうな気がしてならない。

ハイエースファンのみなさんは、ハイエースにどのような進化を求めているのだろうか?

記事の画像ギャラリーを見る

この記事をシェア

  

応募する

応募はこちら!(4月30日まで)
応募はこちら!(4月30日まで)