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最終更新日:2023.09.25 公開日:2023.09.21

フェリーで行く、秋のドライブ・ツーリング。 予約、乗船、下船、フェリーでの過ごし方まで解説

秋はドライブ・ツーリングにもってこいのシーズンだ。暑くもない、寒くもない、紅葉もきれい。行く先々で秋の味覚を堪能できる。せっかくなら、秋の連休にフェリーを利用して、遠く離れたはじめての道を走ってみてはどうだろうか? というわけで、これまで何度もフェリーを利用してきた筆者が、予約、乗船、下船などについて解説する。

文=宮本 奈々(KURU KURA編集部)

愛車と船で行く! 主な長距離フェリー航路

新日本海フェリーのらべんだあ。(画像:新日本海フェリー提供)

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北は北海道、南は沖縄まで、島国の日本はフェリー航路が充実している。北海道で生まれ育った筆者は、フェリーを利用して青森、八戸、新潟、舞鶴などに足を運んでいる。航路に関わらず、乗客のほとんどはドライバー(長距離トラックドライバーも多い)、もしくはライダーだが、もちろん人だけでも利用できる。

新日本海フェリーのらべんだあ。小樽から新潟に向かう際、筆者が撮影。天気はあまり良くない。

さて、フェリーを利用してどこからどこまで行けるのか。長距離、中距離、短距離と、数えきれないほどの航路があるが、ここでは長距離の航路に限定して、主なフェリー航路を取り上げる。

 

【新日本海フェリー】
舞鶴-小樽、新潟-小樽
敦賀-(新潟)-(秋田)-苫小牧

【太平洋フェリー】
名古屋-仙台-苫小牧

【商船三井フェリー】
苫小牧-大洗

【オーシャン東九フェリー】
東京―徳島-新門司

【宮崎カーフェリー】
神戸-宮崎

【名門大洋フェリー】
大阪-北九州

【阪九フェリー】
泉大津-新門司
神戸-新門司

【フェリーさんふらわあ】
大阪-別府、神戸-大分
大阪-志布志

【東京九州フェリー】
横須賀-新門司

小樽から舞鶴までは21時間超!?

新日本海フェリーの新潟-小樽航路と舞鶴-小樽港の所要時間。飛行機だと数時間だがフェリーでは半日以上かかる。

では、出発港から到着港まで、どのくらいの時間がかかるのだろうか。例えば、新日本海フェリーの新潟-小樽間はおよそ16時間30分、舞鶴-小樽間はおよそ21時間30分(北行きと南行きで、若干、異なる)である。飛行機だと、新千歳空港から新潟空港まで直行便で1時15分ほど、関西空港まで2時間15分ほどなので、時間だけを考えれば圧倒的に飛行機が便利だ。

 

だが、時間はかかるものの、フェリーには愛車とともに移動できるメリットがある。さらに、広い海を眺めながらのんびり過ごすという船旅ならではの楽しみは、他の乗り物では味わえないものだ。

はじめてでも大丈夫! フェリーの予約・乗船・下船

八戸港、仙台港、大洗港、名古屋港の就航する苫小牧フェリーターミナルの西港。

はじめてフェリーを利用する際は、「これで大丈夫なのか?」と不安になることも多いだろう。でも難しいことはない。フェリー初心者も、以下の3点を押さえておけば、トラブルなく乗船できる。

 

  • 必ず予約をしよう。
  • 乗船手続き時に車検証を忘れないようにしよう。
  • 出発港には時間に余裕を持って向かおう。

 

それでは、順を追って、フェリーの予約・乗船・下船の方法について説明しよう。

フェリーを予約しよう

フェリーの予約時には車検証があるとよい。(c) Kumi - stock.adobe.com

フェリーの予約はインターネットの他、電話や窓口でも対応している。ただし、船会社や予約するプランによっては、予約方法を指定されることもある。予約の際には以下の情報を用意しておこう。

 

①乗船日と航路と船室の情報
乗船日、航路はもちろんだが、長距離フェリーの場合いろいろな種類の船室がある。個室や、安価に乗れる相部屋などが選べることもあるので、予め乗りたい船室を決めておこう。

 

②乗船者の情報
乗船者の名前、性別、年齢、電話番号といった基本的な情報。

 

③車両の情報
ナンバープレートの情報、乗用車は車長、バイクは排気量等も調べておこう。予約の際も、手元に車検証があると便利だ。発行された乗船番号などの情報は、乗船手続きで必要になるので、必ず保存しておこう。

フェリーに乗船しよう

手慣れている係員の指示に従い、徐行すれば問題ない。(c) Tminaz - stock.adobe.com

待ちに待った船旅。あらかじめ「出航〇〇分前までにお越しください」といった注意があるはずなので、時間には余裕を持って出かけてほしい。時間に余裕を持って到着すれば、フェリーと愛車のツーショットが撮影できるかもしれない(ただしフェリー乗り場にはいろいろ規制や指示があるので、移動には十分注意しよう)。

 

出発港に到着したら、看板や標識、道路標示などで指示された駐車場に車両を駐めてから、フェリーターミナルの窓口で乗船手続きをする。このとき、クルマでもバイクでも車検証を確認する(長距離の航路では、基本的に窓口で車検証を提示を求められる)ので車内に置き忘れないように。なお、提示する車検証はコピーでも構わない。あとは乗船まで待機。乗船のアナウンスで船内に乗り込む。

 

はじめてクルマで船内に入る際は緊張するかもしれないが、係員が誘導してくれるので、それに従ってゆっくり乗船すればいい。船内には段差があったり、左右に寄せるなどの指示もあったりするので、慣れないうちは徐行を心がけてほしい。

フェリーから下船しよう

下船時はアナウンスに耳を傾けるようにしよう。(c) Evgenii Starkov - stock.adobe.com

下船の時間が近付いたら、荷物をまとめ、いつでも船を降りられるように準備しておこう。到着する時刻にもよるが、早朝に着く便などでは、寝過ごさないように注意!

フェリーだからこそ! おすすめの過ごし方

長距離フェリーでは、乗船から下船まで長い時間を過ごすことになる。スマホの電波は弱かったり、届かないことが多いし、フェリーにWi-Fiのサービスがあっても速度が遅いこともある。「暇すぎる!」という声が聞こえてきそうだが、そこは船旅ならではの自由な時間を満喫してほしい。

飲んで食べる

ひとりでフェリーに乗船していた筆者は、窓際のカウンターに座った記憶がある。(画像:新日本海フェリー提供)

船内の売店。営業時間が限られるの要注意。(画像:新日本海フェリー提供)

筆者の経験だが、長距離フェリーには、飲み物、食べ物、アイス、このあたりの自販機は設置されていると思う。(画像:新日本海フェリー提供)

船旅では、時間に余裕もあるので、飲食を楽しみたい。レストランのあるフェリーなら、海の見える特等席でランチやディナーを楽しむことができるし、レストランのないフェリーでも売店や自販機で食事を買える。売店には地域限定商品のスナック類などが販売されていることもある。もちろん、予め食べ物を準備して乗り込んでもいい。

 

また、船内にはビールやハイボールなど、アルコールの自販機もある。さらに、売店では氷のカップも販売している。しかし、クルマやバイクの運転者は、下船時刻を考えて、決して飲酒運転にならないよう飲酒量に注意しなければならない。なんといっても、お酒は飲み始めると気が大きくなりやすい。特に、旅行という非日常で、気が緩んでいると飲みすぎにもなりがちだ。乗船時間にもよるものの、クルマやバイクで乗船したのであれば、飲酒は避けた方がよいだろう。

甲板に出て海を眺める

新潟港に向かう途中、早起きした筆者が、フェリーの甲板から見た朝日。

せっかくの船旅。ぜひ、甲板に出て海を眺めてほしい。大海原の見せる表情も刻一刻と変わるので、数時間置きに甲板に出てみるのもいいだろう。夜明け前に起き出し、売店のコーヒーで目を覚ましてから、甲板に出て朝日を眺めるのが、筆者のお決まりになっている。

大浴場に行ってみる

フェリーの大浴場。窓から大海原を見渡せる。(画像:新日本海フェリー提供)

フェリーの露天風呂は気持ちがいい。(画像:新日本海フェリー提供)

長距離フェリーには大浴場がある。船によっては露天風呂もあり、潮風を浴びながら入浴することができる。筆者としても、ぜひ一度は体験してもらいたい。大海原に浮かんでいるような心地になる。

他のドライバーやライダーと会話する

船内にはこのようなパブリックスペースがあり、時間を持て余した乗客が会話を楽しんでいる光景をよく見かける。(画像:新日本海フェリー提供)

フェリーの乗客の多くは、ドライブやツーリングを目的としているだけに、いわば同志で話も合う。パブリックスペースにいれば、おのずと会話も盛り上がる。筆者も、船内で会話したドライバーやライダーからおすすめの観光地や飲食店を教えてもらったことがある。筆者の経験則だが、実際に足を運んだ人のおすすめなだけに、当たり率も高いと思う。

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