経済波及効果は約26兆円! 中央自動車道が全線開通から40年
NEXCO中日本は、今年で全線開通から40年を迎えるE19 E20 E68中央自動車道(中央道)の整備効果をまとめている。首都圏・甲信地方・中京圏をつなぎ、内陸部の発展に大きく貢献した中央道を紹介しよう。
関東、関西、中部地方を結ぶ大動脈、中央道!
NEXCO中日本が管理している中央自動車道(中央道)は、東京都杉並区にある高井戸ICから、愛知県小牧市の小牧JCTおよび、山梨県吉田市の富士吉田ICを結ぶ総延長368kmの高速道路だ。中央道は1982年に全線が開通し、東京、神奈川、山梨、長野、岐阜、愛知を結び、経済発展に大きく貢献。中央道の全線開通による生産額変化額は、40年間の累計で約26兆円にも及んでいる。
その他にも中央道の整備効果は次のような項目が挙げられる。
・中央道沿線3県(山梨・長野・岐阜)の雇用が約8万人増加し、製造品出荷額が約14倍まで成長。※中央道あり︓内閣府 県⺠経済計算における県内雇⽤者数。中央道なし︓上記から中央⾃動⾞道整備による雇⽤者増加数を除いた数
・1日あたりの平均利用台数は20万台以上、2021年度末時点の累計利用台数は約38億台に到達した。※出典︓NEXCO中⽇本
・山梨・長野・岐阜の農水産品の県外への自動車貨物送量が1965年度から2020年度までで約6倍に成長。特に野菜や果物の出荷量が大幅に増加した。※出典︓貨物地域流動調査
・中央道と東名高速との連携により、事故・災害時、リニューアル工事などの際に、代替え道路として機能を発揮(リダンダンシー効果)。富士山の噴火や、震災等が発生した際には、東西への交通手段として非常に大きな役割を担うことになる。
・中央道沿線にあるJリーグチームのアウェイ戦時における、移動時間の短縮。電車よりも速く移動できるようクラブハウスを中央道沿線に設置し、選手やサポーターのスタジアムへの移動負荷を削減している。
現在進行中のプロジェクト
中央道の利便性をさらに向上させてくれるのが、東京-名古屋間を最速40分で結び、2027年に開業予定のリニア中央新幹線の存在だ。中央道沿線の移動手段にリニア新幹線が加わることで、中央道の渋滞緩和にも繋がり、大都市間の移動をより日常的なものにしてくれるだろう。中津川、飯田、甲府には新しくリニア駅が誕生する予定で、地域の発展にも期待できそうだ。
しかし、40年が経過したということは、道路や建造物の老朽化が進行していることも忘れてはならない。NEXCO中日本管轄の高速道路と一般有料道路のうち、供用から30年以上経過している道路は約60%で、50年以上経過した道路は約25%を占めている。諸説あるが、鉄筋コンクリートの建造物の寿命は50年~60年と言われており、2032年にはNEXCO中日本管轄の高速道路の約50%が供用から50年以上となるため、急ピッチで修繕工事を進める必要がある。
これらの対策として、NEXCO3社では「高速道路リニューアルプロジェクト」という大規模更新・修繕事業に取り組んでいる。これは、工事を行う際に橋梁やトンネルのような構造物を最新の技術を用いて補修し、建設当初と同等かそれ以上の耐久性をもたせるという計画だ。中央道では2018年春よりリニューアル⼯事に着⼿し、2022年12⽉までに⾼井⼾IC〜伊北IC間で2橋、園原IC~中津川IC間で12橋、⼟岐IC〜多治⾒IC間で深沢橋の床版取替などが完了。現在も一部区間で車線規制や車線シフトを伴うリニューアル工事は続いている。
一度始まると長期間止められない工事が広範囲で控えていることは、できるだけ多くの人が認識しておくべきだ。便利な道路を未来に繋ぐための工事なのだから、交通規制などが発生した際には、混雑ルートの回避や迂回を心掛け、積極的に工事に協力しよう。
中央道の40年のあゆみや、開通当時の写真は、
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