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最終更新日:2023.06.23 公開日:2023.03.18

多機能カーブミラーで出会い頭事故を防止せよ!

静岡県の藤枝市では、市内で発生する交差点での出会い頭事故を減らすため、民間企業と共同で「多機能カーブミラー」を開発。2023年2月から藤枝市内の4か所に設置して運用を開始した。多機能カーブミラーとはどのような機能を持っているのだろうか?

文=くるくら編集部
資料=OKI

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カーブミラーが車両の接近をドライバーに伝達!

多機能カーブミラーは、特に夜間で高い効果を発揮する。写真=OKI

 信号機のない交差点では、常に出会い頭の衝突事故が起こる危険性が高い。藤枝市では、発生した交通事故のうち、交差点における出会い頭事故が約3割を占めているという。この事故を減少させるため、同市は民間企業の村上開明堂と、沖電気工業(OKI)と官民共同で「多機能カーブミラー」を開発し、市内の4か所に設置した。場所はいずれも藤枝市内にある小学校の通学路となる交差点が選定された。2022年2月に実施した実証実験の結果、交差点を通過する車両の平均速度の低下に効果があったということで、この多機能カーブミラーについて紹介したい。

多機能カーブミラーの構成と挙動

 この多機能カーブミラーは、カーブミラー、センサーカメラ、AI処理機能で構成されている。AI処理を行うコンピューターには、カメラ映像を通して画像認識や解析処理を行うOKI製の映像AIソリューション「AISION」が搭載されており、事前に設定しておいたエリアに車両が入ると、カーブミラーの一部に使用されたLEDが点滅し、ドライバーへ注意喚起を行う仕組みとなっている。カーブミラーのLED点滅には、自動車用バックミラーの国内トップメーカーである村上開明堂の技術が活かされている。

 多機能カーブミラーの具体的な挙動は、ある方向から車両が近づいた際、その方向を示す三角形のブラインドスポットモニター(以下、BSM)が点滅する。また、左右両方から車両が近付く場合、カーブミラー周囲のLEDと左右のBSMが交互に高速で点滅する仕組みとなっている。

交差点でカーブミラーを確認した際、交差点に接近する車両をカメラが検知すると、カーブミラー内の三角マークが点滅し、接近する車両の方向を教えてくれる。

多機能カーブミラーは現在も稼働中!

 2022年2月に実施した実証実験では、計測線を通過する車両の平均速度の低下を確認でき、日没後には平均3.3%の減速があったという。減速効果が認められたことで、多機能カーブミラーは、人身事故が多い市内4か所の交差点で本稼働をしている。藤枝市では、大きな効果が得られれば、一気に増設することも検討しているようだ。

動画=OKI

藤枝市小石川町内で行われた点灯式。(写真左)左から藤枝警察署長 鈴木淳一氏、藤枝市長 北村正平氏。(写真右)は多機能カーブミラーの構成・効果を説明する村上開明堂

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