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最終更新日:2023.03.10 公開日:2023.03.10

いまどきのディーゼル車ってどうなの? フォルクスワーゲン、BMWなど欧州メーカーが続々投入中。

ディーゼルエンジンを搭載する欧州車が、いま再び日本でラインナップを増やしている。いまどきのディーゼル車ってどうなの? 小川フミオがリポートする。

文=小川フミオ

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意外と多い!? 日本で買えるディーゼル車

フォルクスワーゲン ゴルフ ヴァリアント|Volkswagen Golf Variant

 フォルクスワーゲン・ゴルフのステーションワゴンに、「TDI」というディーゼルモデルが追加され、昨年末に日本発売されました。「ゴルフ・バリアントTDI」と名づけられたこのモデル、2リッターディーゼルエンジン搭載で、最高出力110ps、最大トルク360Nmを発生する前輪駆動です。

 日本市場において、ちょっと前にディーゼルエンジンは盛り上がりを見せたあと、やや沈静化。でもいままた、なかなかよいエンジン搭載のモデルが出てきています。

 フォルクスワーゲンは日本でも、「ゴルフ」(ハッチバック)、SUVの「トゥーラン」と「T-ROC」、ミニバンの「シャラン」、それに「パサート」および「パサートバリアント」など、すでに多くのモデルにディーゼルエンジン車を送り出しています。

 目を日本市場ぜんたいに拡げてみると、ほかにディーゼルを手がけているのが、メルセデス・ベンツやBMWといったドイツ車、プジョーとシトロンのフランス車、それにマツダといったブランドです。

 ゴルフ・バリアントTDIの競合となりそうなディーゼル車というと、「BMW 218d アクティブツアラー」と「同218d グランドツアラー」、「メルセデス・ベンツ B200d」といったクロスオーバーがまず浮かびます。

 フランス車では、プジョーだと「308 SW BlueHDi」がステーションワゴンという車型でライバルとしてドンピシャ。加えて「2008 GT BlueHDi」なるSUVもあります。シトロエンはステーションワゴンをもっていません。SUVの「C5 AIRCROSS SUV SHINE BlueHDi」や、いっぷう変わったスタイルとしてファストバックの「C4 SHINE BlueHDi」とやや変化球。魅力的でありますが。

ビー・エム・ダブリュー 2シリーズ アクティブツアラー|BMW 2Series Active Tourer

メルセデス・ベンツ Bクラス|Mercedes-Benz B-Class

プジョー 308 SW|Peugeot 308 SW

プジョー 2008|Peugeot 2008

シトロエン C5 エアクロス SUV|Citroen C5 AIRCROSS SUV

シトロエン C4|Citroen C4

 マツダも日本製ではディーゼルエンジンの可能性を追求しているメーカー。ディーゼル車は多様です。マツダにはディーゼルエンジン搭載の「マツダ6 ワゴン」があります。ただ全長4640mmのゴルフ・バリアントに対して、4805mmとちょっと大きめサイズです。

 サイズ的にいうと、SUVになりますが、全長4575ミリの「マツダCX-5」とか、4740mmの「同CX-60」などが注目株です。とくにCX-60は新開発の3.3リッター直列6気筒ディーゼルエンジンおよびそれにモーターを搭載したマイルドハイブリッド仕様もあって、ヤル気をびんびん感じさせます。

マツダ マツダ6 ステーションワゴン|Mazda Mazda6 Stationwagon

マツダ CX-5|Mazda CX-5

マツダ CX-60|Mazda CX-60

ディーゼルはやっぱり魅力的?

タッチスクリーンによるインフォテイメント画面とデジタルスクリーンを採用する。同一車線内全車速運転支援システムをはじめ安全装備や運転支援システムは、多くが標準装備だ(写真はStyle)。

 ゴルフに話を戻すと、今回のバリアントに用意されたディーゼルエンジンは、2021年末に日本発売されたゴルフハッチバック TDIに採用されているのと同じもの。特徴は、ツインドージング(デュアルAdBlue噴射)システムを採用することで、窒素酸化物(NOx)の排出量を大幅に削減している点と説明されています。

 ゴルフハッチバックに対するバリアントの大きなメリットは、やはり機能性でしょう。ひとつは荷室の大きさ。ハッチバックの380リッターに対して、バリアントは611リッターもあります。荷室にキャンプ道具とか積んで遠出したいひとも多いのではないでしょうか。

 もうひとつは、燃費です。1.5リッターガソリンの「TSI」だと1リッターあたり17.0kmですが、2リッターディーゼルだと19.0km(ともにWLTCモード)と優れています。

 今回は、市街地と山道と高速道路を走りました。ほとんどの使用状況をシミュレーションしたといってもいいでしょう。感覚としてもっともよかったのは、市街地です。「従来より低い回転数から(力を)発揮する」とはフォルクスワーゲン・ジャパンの謳い文句。そのとおりという感じです。

 ワインディングロードでも、操縦性が意外なほど高くて、安心して走れます。最大トルクが1600rpmから2750rpmにかけて出るので、力不足感はほとんど感じませんでした。

 このエンジン、回転を上げていくと、やや存在感を主張する音が聞こえてきますが、それはそれとして、パワーの伸び感がいい感じなんです。高速でも、するするする〜と速度が上がっていきます。

ゴルフ ヴァリアントのボディサイズは、全長4640mm、全幅1790mm、全高1485mmで、ホイールベース2670mm(写真はStyle)。

 ディーゼルエンジンのフィーリングがいいのは、フォルクスワーゲンだけでなく、先述のBMW 2シリーズも同じ。いま再び、排ガスをクリーン化したディーゼルエンジンの可能性に欧州メーカーが注目している証拠といっていいでしょう。

 私が乗った「Style(スタイル)」というグレードは、「スポーツコンフォートシート」と名づけられたホールド性のいい形状の前席シートをそなえています。シート表皮はマイクロフリース素材です。海外で動物福祉の観点から忌避されはじめた本革シートは、ゴルフにおいても過去のものとなりつつあるようです。このあたりも、最新のトレンドを取り入れた内容といえるでしょう。

 ゴルフTDIバリアントは4グレード展開。「Active Basic」「Active Advance」「Style」「R-Line」。すべて前輪駆動。価格は、374万9000円から441万6000円です。

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