6日再打上のH3ロケットを運ぶ、タイヤ56本の「ドーリー」がカッコイイ!
日本の新型基幹ロケット「H3」の再打上が3月6日に決まったようだ。今度こその成功を祈りたいが、今回紹介するのはH3用に開発された「新型移動発射台運搬台車」。タイヤが56本もある巨大運搬車、通称ドーリーである。もちろん今回の再打上でも活躍するはずだ。
2台で最大1,460トンの重量物を運搬!
日本の新型基幹ロケット「H3」の再打上が、今月6日で決定したようだ。この新しいH3の打ち上げのためには、関係する設備も更新されていることを忘れてはならない。そのひとつに、56本ものタイヤを履いたH3ロケット用新型ML(※移動発射台の略)運搬台車、通称「ドーリー」と呼ばれる車両があるので紹介しよう。
ドーリーは、ロケットを搭載したMLを大型ロケット組立棟(VAB)から打上げ射点まで運ぶ役割を担っている。運搬の際には2台1組でMLを持ち上げて運ぶという、まさに縁の下の力持ちの存在だ。
ドーリーのスゴイところ!
ドーリーは全長25.4m、全幅3.3m、全高2.84m~3.44m(60cmの昇降)、重量約150tと、列車のような長大なシルエットを持っている。タイヤは14軸56輪で構成され、振動を吸収するためにウレタンゴムを採用。車両はディーゼル発電機を備え、その電力でモーターを駆動し、前進・後進の他に横向きにも移動が可能だ。移動発射台の運搬時の最高速度は時速2kmとなり、およそ500mの距離を30分ほどの時間をかけて、ゆっくりと走行する。移動する際は人も搭乗するが、基本的には走行路に埋設されたマグネットを検知して自動走行するため、2台で息の合った運搬が可能となっている。
H3の打ち上げを見届けたい!
H3は、2月17日の発射直前に異常が検知され、打ち上げが中止となった。その後、2月18日にVABに移動し、打ち上げ中断に至った原因の究明や、再打ち上げの準備が進められてきた。今後、再打上に向けては再びドーリーも活躍することになる。打ち上げの成功を期待しよう。