これからのタイヤ交換は、AIが決めてくれる!?
タイヤ交換が気になる時期が近付いてきた。冬用タイヤを履き替える際、交換するタイヤの溝やひび割れを見ながら、このタイヤはいつまで履けるのかと気になる人もいるのではないだろうか。そこで、オートモーティブワールドで見つけた面白いタイヤ診断ツールを紹介しよう。
誰でも簡単に操作できる!
タイヤのひび割れはどこまで許容できるかを紹介している、くるくらの人気記事「気になるタイヤのひび割れ。どこまでなら大丈夫?」では、セルフチェックの目安を案内した。しかし、それでもタイヤの交換時期をプロ目線で簡単に判断できれば、どれほど素晴らしいことだろう。
東京ビッグサイトで開催された第15回 オートモーティブワールドでは、自動運転、クルマの電子化・電動化など、自動車業界の最新技術が一堂に会したが、その大半がBtoB向けのサービスとなっている。そんな中、関係業者だけでなく、一般人目線でも便利さが伝わってくるソリューションを発見したので紹介しよう。
その名も「AIみぞみるくん」
大阪に本社を構える「パーソルAVCテクノロジー」は、国内で電子機器の企画・開発・検証・量産化サポート、ソフトウェア開発・システム構築など、幅広い技術で顧客のニーズを実現する何でも屋のような企業だ。そんな同社が出展していたソリューションのひとつに、レーザーとAIでタイヤの溝と劣化を測定する小型端末「AI みぞみるくん」があった。
AI みぞみるくんは、タイヤ側面の傷や亀裂を診断し、タイヤ交換のタイミングを知らせてくれるプロの整備士のような役割を担ってくれるデバイスだ。
使い方は簡単で、端末をタイヤに沿ってかざすだけ。すると、レーザーが700か所で高精度な測定を行い、タイヤの状態を数値や映像などにデータ化。そのデータを基に、タイヤの交換時期をAIが判断してくれるというものだ。
タイヤ溝の測定には、従来であればデプスゲージと呼ばれる溝の深さなどを測定する器具を用いることが一般的であるが、デプスゲージは位置が少しズレるだけで数値に誤差が生じやすく、コツを掴むまで慣れが必要だ。しかも、摩耗状況が異なるタイヤは4本とも別途に測定する必要があるため、手間もかかる。いっぽうで、レーザー検知であれば1本あたり数秒で簡単に溝の深さを測定することが可能だ。
そして、AI みぞみるくんはただ測定をして終わりではない。測定後の結果でタイヤの擦り減りや、ひび割れ状況が悪かった場合、交換を促してくれる機能もある。また、溝の深さから逆算し、いつごろタイヤの交換時期が訪れそうか、日数計算も行ってくれるという。
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ユニークな販促機能を紹介!
販促機能がユニークで実用的
測定したデータはクラウド上で管理され、ナンバープレートやタイヤ情報を紐付けて顧客データとして蓄積される。そこでは、前回のタイヤの測定時からの変化で、あと何日走れるかも可視化してくれる機能もある。
実際にタイヤの交換が必要な場合、販促機能として顧客のタイヤ情報化から、おすすめのタイヤリストが表示され、価格も同時に表示させることができる。これはメーカー毎や、店舗の在庫にあるタイヤだけに設定することも可能で、このリストはダイレクトメールで顧客に通知することも可能。販売員や業者にとっても便利で、顧客目線でも質問せずにモデル別の見積もり金額を提示してくれるのはありがたい機能だ。
いろんな所に置いてあったら楽しそう!
AI みぞみるくんはプロの整備士やカーグッズ専門店向けのソリューションではあるが、コンシューマーが触れられる状況も期待したくなる。例えば、立ち寄る頻度が高いEVの給電場所や、ガソリンスタンドに置いてあれば、ついでに測定してデータ更新が楽しくなりそうだ。バイクや自転車向けにも発展してくれれば、一家に一台なんて日が来るかもしれない。街の自転車屋や電器屋が店頭で空気入れを貸し出すように、AI みぞみるくんも置いてくれる未来をつい妄想してしまった。