雨の日には「猫バンバン」した方がいいって本当? クルマに潜む猫の習性。
「猫は寒くなると車の中に隠れる」という認識は間違いだった!? JAF(日本自動車連盟)によれば、6月の「猫がクルマに入り込んだことによるトラブル」の救援要請の件数は、日本全国で284件。これは1月の21件の13.5倍だという。猫たちに一体何が起きているのか。知られざるその習性とは?
日本全国で「猫がクルマに入り込んだことによるトラブル」が毎年報告されている。狭くて暗く温かい場所を好む猫は、まれにクルマのエンジンルームに潜り込んでいることがある。
それに気づかずにエンジンをかけてしまうと、猫が命を落としかねない。そこで実践したいのが、乗車前にクルマを叩く「猫バンバン」だ。
そこまでは知っていても、どうして本格的な冬になる前に「猫バンバン」が必要なのかと思う方も多いのではないだろうか。そこで、寒くなる前から注意が必要な理由を確認していきたい。
本格的な冬の前に「猫バンバン」が必要な理由3つ
その1
春と秋に子猫が生まれることが多いから。
6月と11月頃は、春と秋に生まれた子猫が活発に動き回る時期だ。猫は、落ち着ける隠れ場所を必要とする。隠れ場所には、暗くて狭い場所を選びがちなため、クルマに潜り込む可能性が高いという。この時期はより一層の注意が必要そうだ。
その2
そもそも猫が隠れられる場所が減ったから。
ベネッセが運営するウェブマガジン「ねこのきもち」が発信している「ねこのきもち獣医師相談室」の情報によれば、野生の猫は、眠るときに敵から身を隠していたのだそう。そのため、猫には隠れる場所は必須なのだという。
家猫の場合には、押し入れや家具の隙間、こんな所に入ったのというようなせまい隙間が好きな猫は多い。
都会では特に、隠れられる軒下や緑の多い公園など、外猫たちの隠れられるような場所がなくなったこともクルマのエンジンルームに猫が入り込みやすくなった原因ではないかと推測する。
その3
猫が雨宿りをするから。
猫が原因のクルマのトラブルは、6月を見ると増加していることがわかる。理由は、梅雨に入ったことが考えられる。
猫が水にぬれることを嫌がるため、雨を避けられるクルマの下へ避難した可能性が高いということだ。雨の日は寒さに関係なく、猫がクルマに潜り込んでいる可能性を考えた方がよさそうだ。
実践してみよう! 正しく「猫バンバン」。
JAF(日本自動車連盟)によると、救援要請のあった284件のうち3割が「エンジン始動後」の連絡だったという。猫が入り込んでいることに気づかずエンジンをかけてしまうとエンジンベルトなどに猫が巻き込まれる場合がある。
猫が命の危険にさらされるのはもちろんのこと、クルマの故障にもつながる。そこで実践したいのが「猫バンバン」だ。
その1:乗車前にボンネットなどエンジンルーム付近をやさしく叩く。
その2:エンジンをかける前に数秒静止して、猫の気配がしないか確認する。
その3:少しでも気になることがあれば、念のためボンネットを開けて猫がいないか確認しよう。
「猫バンバン」は100%確実な方法ではないものの、トラブルを避けるために有効な手段だ。エンジンをかける前には、猫へのやさしい気づかいをぜひ実践したい。
<参考資料>
ねこのきもちWEB MAGAZINE
https://cat.benesse.ne.jp/
JAFウェブサイト:クルマ何でも質問箱「猫がエンジンルームに入ることを知っていますか?」
https://jaf.or.jp/common/kuruma-qa/category-trouble/subcategory-prevention/faq256