乗り物絵本の最新トレンドとは⁉ 【大人の絵本再入門2022】第2回
神保町で唯一の絵本専門店「ブックハウスカフェ」が、本好きの人たちの間で話題だ。第2回は、いま最も人気のある乗り物絵本について、店長の茅野さんにお話を伺った。
2022年トレンドの絵本とは?
もうすぐクリスマス。絵本をプレゼントするのなら、トレンドを押さえた人気の絵本を選んでみてはいかがだろうか? 特集「大人の絵本再入門2022」の第2回は、乗り物絵本の最近のトレンドについて、神保町で唯一の絵本専門店「ブックハウスカフェ」店長の茅野さんにお話を伺った。
──子供たちは、どんな乗り物の絵本が好きですか?
絵本の人気は時代によって変わったりするのですが、今も昔も根強い人気を誇っているのは、やはり働くクルマや汽車ですね。今ちょうど店内のギャラリーでは、絵本作家の「鈴木まもる」さんの原画展を開催しています。
鈴木さんは、ご自身が乗り物好きということもあって、絵を描くときにもリアルさとデフォルメ具合の塩梅がほどよく、子供も身近に感じられるあたたかいタッチが最大の魅力。そのバランス感覚が絶妙なのだと思います。この方の絵本は、もうずっと人気です。
ブックハウスカフェの奥にはギャラリーがあり、絵を見ながら座って食事もできる。取材当日は、『ピン・ポン・バス』など、多数の乗り物絵本を手がけている作家、鈴木まもるさんの原画展「せんろはつづく にほんいっしゅう」が開催されていた。
鈴木まもるさんは電車だけでなく、クルマのイラストも人気。ギャラリーには、絵がかけられているほか、働くクルマの絵本がそばの机に何冊も置かれていて、自由に見ることができる。
──1番人気の乗り物を教えてください。
私もびっくりしたんですが、幼稚園くらいの子供たちの間では、いま、ごみ収集車が大人気です。
──なぜ、ごみ収集車が人気なのでしょう?
コロナ渦もあって、エッセンシャルワーカー(社会インフラを支える仕事をしている人たち)への関心が高まっているのはみなさんご存知だと思いますが、どうやらそれが子供たちにも影響を与えていたようなんです。道路で収集車を見かけると「ありがとう、ごみを集めてくれて!」と手を振ったりするそうですよ。
町がゴミでいっぱいにならないのは、ごみを集める仕事をしている人がいるから。そういった人々の生活を支えている仕事を、絵本を通して子供たちに知ってもらうことはとても大事なことだと思います。
──他にもオススメの絵本を教えてください。
『でんしゃでいこう でんしゃでかえろう』という絵本も素敵ですよ。絵本の中の電車をよく見ると、どちらに向かって走っているのか、わからないように描かれています。
行きは『でんしゃでいこう』という表紙から読み始めて、読み終わったら今度は『でんしゃでかえろう』という裏表紙から読み始めることができます。読み聞かせがずっと終わらない絵本です。
クルマや電車の絵本が好きな子供は多く、たくさんの絵本の中から選びやすいように、乗り物絵本のコーナーが入り口近くにあった。
流線形のかっこいいフォルムをした乗り物のイラストも非常に人気だが、温かみのある絵を好む子供も意外に多いという。子供によって、それぞれ好みが異なるので、ぜひ参考にして選んでみたい。
次回の【大人の絵本再入門2022】第3回は、「ブックハウスカフェ」閉店後の店内で、BARがOPENする理由についてお話を伺う。
「Book house Cafe(ブックハウスカフェ)」
こどもの本専門店&カフェ
東京都千代田区神田神保町2-5 北沢ビル1階/「神保町駅」A1出口徒歩1分
【営業時間】
・書店:11時~18時
・カフェ:11時~17時30分(L.O.17時)(平日)、11時~18時(L.O.17時30分)(土日祝)
・バー:20時~23時(平日のみ)