生活必需品だけじゃない!タイヤ、バッテリーなど車に関する2022年の値上げ情報
さまざまな生活必需品で「2022年から値上げ」というニュースを聞く。車に関するものではタイヤ、バッテリー、オイル、輸入車なども。車に関する値上げ時期とその率などを紹介。
原因は需要と供給の差が拡大
さまざまな商品で「原材料価格の高止まりや輸送コストの高騰により、2022年から値上げ」というニュースを耳にする。多くの値上げの根底にあるのは、新型コロナウイルス感染症拡大前の経済へ立て直すための需要拡大に対して、供給側が感染症拡大による工場の活動停滞や、豪雨、洪水、酷暑、寒波のような自然災害による農作物・鉱物の減産、さらに物流も停滞してしまい、拡大する需要に応えられていないことが原因となっている。このような需要が供給を上回るという構図から、さまざまな商品の原材料の価格が高騰し、高止まりという状況を生み出している。
これらの高騰・高止まりから生産コストが上昇、それを企業努力では吸収しきれなくなり、さまざまな商品が値上げへ踏み切らざる得ない状況となっている。それは車業界も無関係ではないようだ。
タイヤは天然ゴム、石油化学系原材料の高騰で値上げ
まずはタイヤの値上げから説明しよう。タイヤの材料である天然ゴムや石油化学系原材料のなどの生産が、需要に応えられず価格の高騰・高止まりが続いている。加えて電力や物流コストも上昇。これらが長期に続いたことで、メーカーが出荷価格の値上げを発表している。
各タイヤメーカーの値上げ時期と値上げ率は次の通りだ。
ブリヂストンは2022年4月1日から約7~10%の値上げ。ダンロップ・ファルケンの住友ゴムは2022年3月1日から約10%の値上げ(冬用タイヤは同年4月1日から値上げ)。横浜ゴムは2022年4月1日より最大で約9%の値上げ(冬用タイヤは同年7月1日から値上げ)。トーヨータイヤは2022年1月から最大で約10%に値上げ済み。
海外タイヤメーカーは、ミシュラン・BFグッドリッチの日本ミシュランが2022年4月1日から約7~10%の値上げ(冬用タイヤは同年8月1日から値上げ)。コンチネンタルタイヤ・ジャパンが2022年4月1日から約5%の値上げを行う。ピレリジャパンは2022年2月1日から乗用車・SUV用の夏タイヤを約5%に値上げ済み。クムホは2022年2月1日から約10%に値上げ済みとなっている。
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バッテリー、オイルの値上がり
バッテリーは鉛の価格が高止まり
タイヤと同時にバッテリーの値上げも2022年2月1日から始まっている。理由は、主原料である鉛や、ケースに使われる樹脂の材料である石油化学系原材料の価格高騰・高止まりだ。値上げ率は古河バッテリーが、約10~15%の値上げ。GSユアサが自動車・バイク用で10%以上、サイクルサービス用で15%以上となっている。
エンジンオイル、ケミカル商品も原料価格が高騰
主原料が原油や石油化学系原材料であるエンジンオイルの値上げも発表されている。WAKO’Sがエンジンオイル、ミッションオイルなどのオイル、そして添加剤やクリーナーなどのケミカル商品の価格を2022年2月1日から値上げしている。オイルは1リットル当たり20~150円の値上げ、ケミカル商品は約5~10%の値上げとなる。オイルの原材料のほとんどは原油であり、高騰の影響を受けやすい商品の1つでもある。
タイヤ、バッテリー、オイルが値上がりすれば
車の価格はどうなる?
構成する部品が値上がりすれば車の価格は……
ここまでタイヤやバッテリーが値上がりしていることを紹介したが、アルミや鉄などの鉱物の価格も高止まりしている。鉱物も車にとっては重要な原材料の1つだ。
そのような原材料の価格が値上がりしている状況で、車の価格はどうなるだろうか? すでに2021年半ばころより「原価の高騰」を理由に、一部の輸入車ではメーカー希望小売価格(以下価格)の見直しが始まっている。
例えばメルセデス・ベンツは、2021年9月3日から2022年2月10日にかけて10モデルが一部装備変更し価格を改定。BMWは、2022年1月1日に全車の価格を改定し、一部モデルでは標準装備の見直しも行われる。フォルクスワーゲンは、2022年4月1日から7モデルを平均で約2%の値上げ。アウディは、2022年4月1日から多数のモデルで価格を平均で約2%の値上げする。
現段階では、為替や輸送コストの変動に影響を受けやすい輸入車のみが価格改定を行っているが、原材料価格の高騰や高止まりに苦しんでいるのは国産車も同じ。モデルチェンジ・マイナーチェンジや一部改良、商品仕様変更の際には、原材料価格の高騰・高止まりの影響が反映されるかもしれない。
価格改定をした輸入車の写真は
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