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最終更新日:2023.06.14 公開日:2022.01.26

吉田 匠の 『スポーツ&クラシックカー研究所』Vol.10 コッパ・ディ・東京 2021(後編)クラシックカーで、東京の歴史を巡るツーリング!

モータージャーナリストの吉田 匠が、古今東西のスポーツカーとクラシックカーについて解説する連載コラム。第7回は前回に引き続き、昨年末に開催されたクラシックカーのラリーイベント、「コッパ・ディ・東京」をご紹介。当研究所の代表たる吉田 匠も愛車のポルシェ356でエントリー。参戦レポートの後編をお届けする。

文=吉田 匠
写真=奥村純一、沼田 亨

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【前編はこちらから】

柳橋の小松屋前を右折する、1964年ジャガーEタイプS1ロードスター。

同じ場所を通過する、1955年メルセデス・ベンツ190SL。

同様に柳橋に向けて右折する、1959年ポルシェ356スピードスター。

クラシックカーで江戸東京を時空旅行

神田明神を出てしばらく走ると不忍池に突き当たり、そこを左折すると、森鴎外旧居や東京芸大、さらには国立博物館と歴史的な文化施設が続くかつての東京文化の中心地、上野の森を走り抜けることに。やがて鶯谷駅前を下って言問通りに出ると、そこから今度は両国方面を目指す。下町情緒溢れる柳橋のチェックポイントに至ったら、両国橋を走って隅田川を渡ったのち、門前仲町、月島と通過して、東京の湾岸エリアに到達。台場からレインボーブリッジを渡って都心にステアリングを向け、今度は六本木方面へ。

やがて外苑西通りから青山通りに出て青山5丁目を左折、今回のイギリス車特集にちなんで、ブリティッシュファッションの館、VULCANIZE Londonのショップ裏に立ち寄り。そこから南青山、赤坂と走って、日本の政治の中心地たる霞が関に至り、やがて芝、大門と通過して汐留イタリア街に戻るというのが今回のルートで、走行距離およそ45km。

柳橋をわたる、極初期の1965年ポルシェ912。空冷水平対向エンジンは4気筒1.6リッター。

同地点で、1967年ランチア・フルヴィア・クーペ1.3ラリー。

1965年ジュリア・ベルリーナと、1965年ジュリア・スパイダーおよび1959年ジュリエッタ・スパイダーからなる、アルファロメオ群団。

南青山の裏道に入ってVULCANIZE Londonのそばを通過する、1951年ジャガーXK120と、1949年ヒーリー・シルヴァーストーン。

国会正門前を気持ちよさそうに飛ばす、1954年オースティン・ヒーリー100、1974年アルファロメオGT1600ジュニア、それに1964年MGB。

東京タワー下を右折する、1936年MG TAと、当方の1962年ポルシェ356B。戦前型MGも思いの外よく走ることを並走して実感。

コッパ・ディ・東京の醍醐味

ところで、このイベントの名称はコッパ・ディ・東京、つまり東京カップ、日本語にすると「東京杯」だと前に書いた。ならば勝敗はどのように決めるのかというと、決められた区間の決められた距離を、主催者が指定した秒数になるべく近い時間で走るという、通称「PC競技」区間がコース上に合計5セクション設けてある。で、そこをなるべく指定秒数に近いスピードで走ったクルマが上位にランクされ、東京杯というカップを授与されるというわけだ。

当方のような東京居住者でも普段はめったに走ったり訪れたりすることのない地域、それも江戸に始まる東京の歴史の深さを垣間見せてくれるような場所をクラシックカーで巡るという、通常はなかなか体験できない稀有な経験をさせてくれるのが、コッパ・ディ・東京というイベントの真骨頂だといえる。で、今回のコースのテーマは、前半が「水の東京」、後半が「坂の東京」というものだが、本当に東京は水が豊かで、しかも坂の多い街だということが、クルマをドライビングしていて実感できるルートだった。

芝大門をいくラリー仕様スタイルの1957年トライアンフTR3と、後方の1959年オースティンA35。

「東京杯」の順位を決めるPC競技は、こんな感じ。フィアット・アバルト750アレマーノ・スパイダーのコ・ドライバーが、身を乗り出して距離を読むの図。

同じくPCスタート地点を慎重に走り出す、1948年チシタリア・コロンボ。

VWビートルをベースにフェルディナント・ポルシェ博士らが生み出したドイツの軍用車、1944年キューベルヴァーゲン。乗り手の服装も決まっている。

東京ツーリングを終えて帰ってきたクルマと乗り手たちが和む、午後のイタリア街。

愉しい一日でした、ではまた来年!

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