大学対抗F1タイヤ交換。優勝校は学ラン姿で参加したあの大学
2021年12月13日、東京・渋谷のZeroBase渋谷で「Wings for Students Red Bull Motorsports Gathering」が開催された。同イベントは6つの大学自動車部が、実物大のF1模型でタイヤ交換のタイムを競うというもの。2人1組でタイヤ交換を行うのだが、大学生たちは知力・体力を総動員してタイムを競った。その結果、、、
1回目は立教大学が10秒58でトップに
2021年12月13日に東京・渋谷にあるZeroBase渋谷で「Wings for Students Red Bull Motorsports Gathering」というイベントが開催された。同イベントは6つの大学自動車部が、実物大のF1模型でタイヤ交換のタイムを競うものだ(交換するタイヤは1つのみ)。競技は2人1組で行い、ボルトを緩める→タイヤを外す→別のタイヤを取り付ける→ボルトを締めるという一連の作業を、どう分担すればタイムを短縮できるかに大学生たちは知恵を絞った。
参加したのは東京大学、慶応大学、早稲田大学、立教大学、法政大学、東洋大学の自動車部の学生たち。参加できるのは2名だが見学する部員たちも加わりタイム短縮をシミュレーションした。
タイム計測は2回行われた。1回目は立教大学が10秒58でトップタイムをマーク。それに慶応大学、東京大学が続いた。この1回目のタイムを計測する前、各大学に作業をシミュレーションする時間が設けられていたが、2回目の前にも作戦を練るためのインターバルタイムが設けられた。このインターバルタイムで、さらならタイム短縮を試行錯誤する。
学ラン姿の慶応大学が8秒65で優勝
学生たちは秘策を練って臨んだが、ボルトが落下したり、タイヤの取り外しがスムーズにできないなどシミュレーション通りにいかないことが多いなか、慶応大学が自身の1回目のタイムを3秒以上も縮めた8秒65で優勝した。その作業は素早くスムーズで2位に大差をつけての優勝だった。
その理由を慶応大学に聞いたところ「タイヤの取り外しだけでなく、置く場所や1つ1つの動作までシミュレーションしました。それで8秒台と想定していたのですが、その通りのタイムを出せて嬉しいです。部活の大会でも、スターティンググリッドで数分以内にタイヤ交換を行うといったことを経験しているので、その時の緊張感が役立ったと思います」と喜びを爆発させた。
2位となった立教大学は「タイヤの前に立ったのは自分がやりやすかったから。またボルトを落としたり無くしたりしないように手で押さえておくのが意外と難しかった。1回目でトップだったけど、2回目の慶応大学は早すぎです」とちょっと悔しさを滲ませた。
他校にも感想を聞いてみた。
「ふだんの部活でも少ない時間でタイヤ交換をすることがあるので、それが役に立ちました」(東京大学)
「2人だと外したタイヤを受け取ってくれる人がいないので、レッドブルのイベントスタッフの方へ転がして受け取ってもらう作戦でした」(早稲田大学)
「2人でタイヤ交換を行ったり、時間に迫られて作業するのは初めて。本番は焦りからボルトが落下してしまい、大きくタイムロスしてしまったのが悔しいです」(東洋大学)
「時間に迫られるタイヤ交換は初めてだったので、事前に動線や動きを右回りにしようとシミュレーションしていたのですが、本番では頭が真っ白になってしまい残念」(法政大学)
どこの大学も、時間に迫られたときの緊張感の凄さを振り返っていた。そしてF1メカニックが2~3秒で4輪のタイヤ交換を済ますことの凄さに改めて感嘆していた。ちなみにF1のタイヤ交換の世界記録は1.8秒。
レッドブルの日本人ドライバーとトークショー
同日、タイヤ交換のイベントに続いて、レッドブルがスポンサードするSUPER GTのTEAM Red Bull MUGENの笹原右京、大場都史樹と、スーパーフォーミュラのRed Bull MUGEN TEAM Gohの大津弘樹とのトークショーが行われた。
3ドライバーとも年齢は20代で、大学生たちと年齢が近かったこともあり、いつもと違った親近感を感じるトークショーで新鮮だった、と語っている。
学生たちは、自分たちが出場する大会で緊張したときのメンタル面の対処法に加え、シートのポジション合わせなどといった具体的なことを質問。それらに対してプロドライバーの3人は、プロとして培ってきた具体的な心構えや準備などの対策を説明。これが学生たちにとっては好評だった。
年齢が近いことに加え、車が好きなことや、ドライビングが楽しいという気持ちを共有できたことで、3人のプロドライバーもいつもとはチョット違った力をもらったと今回の感想を述べていた。
各大学がタイヤ交換をする
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