似ている道路標識。この違い分かりますか?けん引自動車の高速自動車国道通行区分と特定の種類の車両の通行区分編
道路の傍らや上空に設置され、交通規制や危険箇所への警戒喚起、指示や案内などが示されている道路標識。運転免許を取得した人なら誰もが自動車教習所で教わっているはず。しかし、デザインが似ている標識や、普段目にすることが少ない標識は、どんな意味を持つか、忘れてしまいがちである。今回は、「けん引自動車の高速自動車国道通行区分」、「特定の種類の車両の通行区分」の違いを紹介しよう。
似ている道路標識。違いが分かりますか?
問題:この2つ標識はそれぞれ、下記のどちらの意味をもつ標識でしょうか?
1:けん引自動車の高速自動車国道通行区分
2:特定の種類の車両の通行区分
この2つの標識はどちらも、青色の下地に、白色でトラックもしくはトレーラー、矢印、破線が描かれているもの。2つを横並びにすれば違いが分かり易いが、一見するととてもよく似た標識である。それぞれどんな意味を持つ標識なのか覚えているだろうか?
けん引自動車の高速自動車国道通行区分
この標識の名称は「けん引自動車の高速自動車国道通行区分」。高速自動車国道において、重被けん引車をけん引しているけん引自動車の通行区分を示す規制標識である。
※重被けん引車とは、車両総重量が750kgを超えた被けん引車(トレーラー)。
この標識より先を通行する場合、重被けん引車をけん引しているけん引自動車は、標識に示された車両通行帯(車線)を通行しなければならない。
特定の種類の車両の通行区分
この標識の名称は「特定の種類の車両の通行区分」。特定の種類の車両(大型貨物、特定中型、大型特殊)の通行区分を示す規制標識である。主に、高速自動車国道または自動車専用道路に設けられている。
この標識より先を通行する場合、特定の種類の車両は、道路の左から一番目の車線(第一車線)を通行しなければならない。
なぜ大型トラックなどは通行区分が示されるの?
なぜ、けん引自動車や特定の種類の車両は、標識によって通行区分が示されるのだろうか。
それは、けん引自動車、大型貨物自動車、8トン以上の中型貨物自動車の最高速度が80kmであると道路交通法で定められていること。それらのクルマは、速度リミッターの装着義務によって、構造的にも時速90kmまでしかスピードを出せないことが理由である。乗用車や大型バスなど、最高速度が100km(※)のクルマと走行する車線を分けることで、お互いが安全に走行できるように配慮されているのだ。
※新東名高速・御殿場JCT~浜松いなさJCT付近など、特定区間では最高速度120kmの場合もある。
今回取り上げた2つの標識は見た目も意味も似ている標識である。しかし、周囲の交通状況に配慮して安全に走行するためには、この標識の意味を正しく知っておく必要がある。もし、運転中に少しでも分からない標識やルール、疑問に思うことがあれば、すぐに知識の穴埋めをしてほしい。