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最終更新日:2020.09.01 公開日:2020.09.01

2019年の飲酒運転死亡事故は微減。死亡事故率は通常の7.9倍。

警察庁の発表した統計によると、2019年の飲酒運転による交通事故件数は3047件。2018年と比べると308件減少。死亡事故件数は176件で、22件減少した。ここ数年減少スピードは緩やかでほぼ横ばいである。また、飲酒運転の死亡事故率は、飲酒なしの7.9倍と大変危険であることが分かった。

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2019年の飲酒運転死亡事故は微減

飲酒運転事故件数の推移(2009~2019年)。 出典:警察庁資料をもとに作成

 警察庁が発表した資料によると、2019年の原付以上運転者(第1当事者)の飲酒運転による交通事故件数は3047件。2018年と比べると308件減少。死亡事故件数は176件で、2018年の198件と比べると減少はしたが、その件数はわずかに22件であった。

飲酒運転による死亡事故件数の推移(1999~2019年)。 出典:警察庁資料

 飲酒運転による死亡事故件数は、2000年がピークで1276件もあった。これは道交法の改正が実施されるたびに大きく減少しており、近年では2007年の飲酒運転および助長行為の厳罰化により、その翌年に129件減少した。しかしその後は、減少スピードが緩やかになり、依然として飲酒運転による事故はなくならない。

飲酒運転の死亡事故率は約7.9倍

 飲酒運転の危険性と特徴について見てみよう。

飲酒なしとありの死亡事故率比較(2019年)。飲酒事故の方が7.9倍も事故率が高い。 出典:警察庁資料

 警察庁によると、飲酒運転による死亡事故率は5.78%。飲酒なしの0.73%と比較すると約7.9倍と極めて高く、飲酒運転による交通事故は死亡事故につながる危険性が高いという。

 また、警察庁によると、飲酒運転による死亡事故には、下記のような特徴があるという。

【飲酒運転による死亡事故の主な特徴】
・単独事故が多く、運転者や同乗者が死亡する事例が多いが、約3割は第三者を死亡させている。
・運転者の飲酒状況は、酒酔い又は酒気帯び(呼気0.25mg以上)が7割を超える。
・アルコールの影響が大きい状況ほど、車両単独による死亡事故が多く発生。
・飲酒死亡事故が発生する時間帯は、22時から6時までが約6割を占める。
・免許保有者10万人あたりでみると、30歳未満の年齢層が多く事故を起こしている。

当事者は飲酒運転の危険を認識していた

飲酒運転の根絶リーフレット。 出典:警察庁WEBサイト

 なぜ飲酒運転をしてしまうのだろうか。交通事故総合分析センター(ITARDA)が2005年に飲酒運転事故の当事者に対して実施したアンケートからは以下のことが分かる。

【飲酒運転の当事者のアンケート調査】
・当事者の多くは、飲酒運転の危険性を認識していた。
・飲酒運転を行った理由は、「酔っていないと思った」が37%、「飲酒量が少ない」「飲酒から時間が経った」「酔いがさめた」がそれぞれ20~25%で、アルコールの影響を過小評価していた。
・飲酒運転を継続した理由に「今まで事故を起こさなかった」「危ない場面に遭ったことがない」といった成功体験を挙げた。

※対象者:2005年に飲酒運転事故・違反を犯した者(免許取消および停止処分者講習の受講者)
 対象地域:東京都、神奈川県、新潟県の202名

 飲酒運転当事者の多くは、それが危険であると知りながら、アルコールの影響を過小評価し、過去の成功体験を過信して事故を起こしていることが分かった。また、警察庁の調査によると、「出勤のため二日酔いで運転してしまった」、「時間経過により大丈夫だと思った」などの理由が挙げられており、自分の飲酒量と睡眠時間などを考慮していないことも多いという。


 飲酒運転は未然に防ぐことが可能なものである。「飲んだら乗るな」という言葉があるように、クルマの運転をするならば飲まない。翌日にクルマを運転する予定があれば、それを考慮した飲酒時間、飲酒量を心がけることが重要。夜遅くまで飲酒した場合、翌朝には体内にアルコールが残っている可能性があるので運転は控えることが必要である。

 また、クルマに乗ってグループで飲食店に行き、飲酒する場合は必ず、飲酒をせずに運転をする人「ハンドルキーパー」を決めておきたい。可能であれば、ハンドルキーパーにはバッジやリストバンドなどの目印を付けてもらい、周囲も運転者に飲ませないことを意識する必要がある。ドライバー、同乗者ともに「飲酒運転を絶対にしない・させない」という意識を強く持ち、飲酒運転を根絶させたい。

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