高速道路の落下物ランキング!落とした時の対処法は?
国土交通省のまとめから、主要な高速道路の本線上における落下物処理件数が年間34万5000件もあることがわかった。最も多い落下物は、プラスチック・布・ビニールで約10万件だった。もし高速道路上で物を落としたり、見つけたりした場合はどうすればいいのだろう。
高速道路の落下物は1日約850件
国土交通省のまとめによると、高速道路各社(NEXCO東日本、NEXCO中日本、NEXCO西日本、JB本四高速、阪神高速、首都高速)の高速道路本線上における2017年の年間落下物処理件数は34万5000件だった。これは、1日あたり約850件にのぼり、時間あたりで計算すると約2分に1件も落下物を処理していることになる。一体どんなものが落下しているのだろうか。
NEXCO3社およびJB本四高速と首都高速および阪神高速では集計方法が異なる。そのため、NEXCO3社およびJB本四高速の落下物品目をランキング形式でまとめた。
【高速道路の落下物ランキング】
1位:プラスチック・布・ビニール類 9万9900件
2位:自動車部品類(タイヤを含む) 3万3600件
3位:木材類 3万900件
最も多い落下物は、「プラスチック・布・ビニール類」で9万9900件。次いで、「自動車部品類(タイヤを含む)」が3万3600件。「木材類」が3万900件となっている。プラスチック・布・ビニール類および木材類の多くは、トラックの荷台や乗用車のルーフなど、車外に積んでいたものが落下するケースで、固定方法に問題があることがわかっている。
また、過去にあった珍しい落下物としては、コンテナや木製コイル、発電機、スノーボードなどがあるという。「どうしてこんなモノが!」と驚くほどのラインナップである。これほど大きなものが前走車から落下してきたことを想像するだけで恐ろしい。
高速道路で物を落とした時、見つけた時の対処法
落下物の品目はさまざまだが、いずれも接触したり、乗り上げたりすると大きな事故に発展する危険性がある。もし、高速道路を走行中に物を落としてしまったり、見つけたりした場合はどうすればいいのだろう。NEXCOの推奨する対処法をまとめてみた。
・非常電話から通報する
高速道路本線上(1kmおき)、トンネル内(200mおき)、IC、サービスエリア(SA)、パーキングエリア(PA)、バス停、非常駐車帯などに設置されている非常電話から通報する。
・料金所やSA・PAの係員に伝える
料金所を通過する際に、料金所の係員に伝える。もしくは、最寄りのSA・PA係員に伝える。
・道路緊急ダイヤル(#9910)に通報する
SA・PAなどの安全な場所から道路緊急ダイヤルに通報する。もしくは、同乗者がいる場合、走行中に同乗者が通報する。道路緊急ダイヤルは、全国の高速道路および国交省管理の国道において24時間無料で利用可能。
なお、落下物の場所を通報する際には、高速道路上に表示された「キロポスト」や、河川名や道路名などを伝えることで、より正確に場所を特定できる。それらが分からない場合は、近くのICやSA・PAなどの施設や、そこからの所要時間などを伝えるといいだろう。
高速道路会社は、落下物の通報があった場合、ただちに道路情報板に表示するという。道路情報板に落下物の表示を見つけた際は、速度を落とし、車間距離を十分にとって走行したい。
また、自身が落とし物をした場合、絶対に自分で取りに行こうとしてはいけない。交通量の少ない時間帯であっても、非常に危険な行為である。時速100kmで走行している車は、1秒で約28mも進む。どんなに遠くに見えていても、あっという間に目の前までやってくるのだ。
積み荷を落下させると道交法違反
高速道路を走行するとき、運転者は、自動車に積載している物を転落させたり、もしくは飛散させたりしないよう、防止措置を講じなければならないと道路交通法で定められている。つまり、落下物は落とした車のドライバーの責任になるのだ。
高速道路上に積載物を落とした場合、違反点数は2点、普通車の場合は反則金9000円が課せられる。さらに、落下物によって交通事故や死傷者が出た場合は過失運転致死罪に問われ、7年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金が課せられる可能性もある。
高速道路会社は、荷物を積載する際には以下のようなことを徹底してほしいという。
・出発前には、車両の整備点検と積み荷の固定状況を確認する。
・砂利や採石などを運搬する際はシートで覆い、飛散しないようにする。
・過積載は絶対にしない。
・こまめに積荷の固定状況を確認する。
・制限速度を守りスピードを出しすぎない。
高速道路本線上における落下物は、交通事故に直結する大変危険なもの。積み荷を落下させないようにしっかり固定することを心がけたい。また、落下物を見つけた場合は、ただちに通報することで誰もが安心して走行できる環境作りをしていこう。