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最終更新日:2020.03.05 公開日:2020.03.05

ファスナー合流で渋滞損失時間が約3割減少!名神の一宮JCTで確認

2019年11月、東海北陸道が名神高速道路の上り線に接続する一宮ジャンクションで、渋滞緩和策として「ファスナー合流」を促すためにラバーポール区間を延伸した。その効果を2020年2月にNEXCO中日本が発表。それによると名神高速道路の渋滞損失時間が約3割減少した。

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高速道路における「ファスナー合流」の結果発表

合流のラバーポール区間(オレンジ色に白い矢印が描かれたところ)が延伸された一宮JCT。写真:NEXCO中日本

 NEXCO中日本は、東北北陸自動車道路(以下東北北陸道)が名神高速道路(以下名神高速)上り線に接続する一宮ジャンクション(以下JCT)の渋滞を緩和するために、20191129日から合流区間のラバーポールを延伸して「ファスナー合流」をしやすくなるようにした。それによる渋滞緩和の結果を取りまとめ発表した。

一宮JCT合流区間のラバーポール区間延伸の概要

 一宮JCTのラバーポール区間延伸に関しては、20191127日の「名神の一宮JCTでファスナー合流大作戦」で紹介したが簡単におさらいをしておこう。ファスナー合流とは、合流する加速車道のドライバーと、本線を走るドライバーがお互いを確認しあって、1台ずつ交互に合流する方法のこと。交互に合流するさまが、「ファスナー」が閉まっていくように見えることから命名された。

 一宮JCTは、東海北陸道の加速車線のまちまちの地点から合流しており、それが本線である名神高速の流れを悪化させていることが分かっていた。そこで加速車線と本線を区切るラバーポール区間の延伸や路面標示を変更して、加速車線の先頭でファスナー合流を促す構造への改良工事を行った。

上の写真がラバーポール区間延伸前の一宮JCT。加速車線に入るや否や、本選に合流しようとする車が確認できる。下は延伸後。加速車線の先頭で合流する構造になった。写真:NEXCO中日本

 この改良工事によってラバーポール区間は260m延伸し、全長100mから360mとなった。そして合流部は140m短縮されて、全長350mから210mへ変わった。

ファスナー合流で渋滞損失時間が約3割減少

 NEXCO中日本は、1129日の運用開始から2か月間の交通状況を、前年の同時期と比較する調査を行った。それによると本年と前年の交通量※1はほぼ同じ(図4)にもかかわらず、名神高速と東海北陸道を合わせた渋滞による損失時間※2が約3割減少した(図1)。また渋滞している区間の平均通過時間※3は、名神高速では約13分から約10分となり、3分の短縮となった(図2)。また渋滞件数も約1割減少している(図3)。図1、図3、図4では、名神高速と東海北陸道それぞれの結果も色分けして表示している。渋滞損失時間(図1)と渋滞件数(図3)の2つにおいては、交通量の多い名神高速での効果が高かった。

比較期間:延伸前の2018122日(日)から201921日(金)と
延伸後の2019121日(日)から2020131日(金)
註:渋滞に関する指標は、交通集中のみを対象とし、事故や工事による渋滞を除いた集計

1交通量:719時の12時間に通過した交通量
2渋滞損失時間:(渋滞時の通過時間-非渋滞時の通過時間)×通過台数
3渋滞通過時間:1620時の図2の各IC間(岐阜鳥羽ICから一宮IC、尾西ICから一宮IC)で渋滞したときの通過時間

 NEXCO中日本では今回の結果から、今後ファスナー合流がドライバーに定着すれば、ラバーポールの効果が大きくなることも期待できると述べている。同時にJCTだけでなく、インターチェンジやサービスエリア・パーキングエリアなどからの合流が渋滞するところへのラバーポール設置も検討しているそうだ。

ファスナー合流を解説したNEXCO中日本の動画

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