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最終更新日:2021.01.22 公開日:2021.01.22

2020年軽自動車・新車販売台数ランキング!TOP10はどのクルマ?

一般社団法人 全国軽自動車協会連合会(全軽自協)は、2020年1~12月における軽自動車の車名別新車販売台を発表した。新型コロナウイルスの影響により、軽自動車の総販売台数は前年比89.9%と減少。ランキング上位の顔ぶれは大きく変わらず、トールワゴン人気は継続した。

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2020年軽自動車の新車販売台数は4年ぶりのマイナス

2020年新車販売台数(軽自動車)。 出典:一般社団法人 全国軽自動車協会連合会の資料より作成

 2020年1~12月における軽自動車の新車販売台数は、軽乗用車と軽貨物車の合計が171万8088台(前年比89.9%)と昨年より減少した。車種別に見ると軽乗用車が133万1149台(前年比90.0%)、軽貨物車が38万6939台(前年比89.7%)と軽貨物車の減少幅が大きかった。

 これは新型コロナウイルスの感染拡大による影響が大きいと考えられる。2019年までは、ホンダ・N-BOXやスズキ・スペーシアなどの軽トールワゴンが乗用車全体でも売れ筋となっており、3年連続で軽自動車の新車販売台数はプラスとなっていた。特に軽貨物車のうちボンネットバンは2018年と比較すると155.0%と大幅に販売台数を伸ばしていた。しかし、本年は新型コロナウイルスによって強い逆風が吹いた。

2020年月別新車販売台数(軽自動車)。 出典:一般社団法人 全国軽自動車協会連合会の資料より作成 

 2020年における軽自動車の新車販売台数を月別にみると、1~3月までは前年比約90%で推移。しかし、緊急事態宣言の発出された4月になると一気に前年比66.5%へと減少。さらに、飲食店などへの休業要請や県をまたぐ移動の自粛期間中であった5月の販売台数は、前年比47.3%とさらに大きく減少した。

 その後、7月に98.9%まで回復。8、9月は前年比約80%程度に推移。GoToキャンペーンなどもあり、人の移動が活性化した10月には一気に125.6%へと増加。年末まで前年比100%を超える展開となった。しかしながら、その他の月が全てマイナスだったため全体としては減少となった。

 新型コロナによって世界規模で経済活動が停止したことの影響は、一般的に2008年のリーマン・ショックをも上回るといわれている。個人の消費行動にも大きな影響を与えており、一時は各自動車メーカーの製造ラインもストップした。自動車産業は関連産業も含めて就業人口が550万人といわれており、日本経済全体への影響も大きいため、2021年での巻き返しが望まれる。

2020年メーカー別新車販売台数ランキング(軽自動車)

2020年メーカー別新車販売台数(軽自動車)。 出典:一般社団法人 全国軽自動車協会連合会の資料より作成

 次に2020年におけるメーカー別の新車販売台数を見てみよう。1位はダイハツで53万6292台(前年比87.2%)。2位はスズキで52万3604台(前年比91.2%)。3位はホンダで32万5332台(前年比89.2%)とトップ3の顔ぶれは変わらないが、それぞれ約10%販売台数を落した。 

 唯一販売台数を伸ばしたのは日産で20万2255台(前年比101.1%)。日産は、デイズが前年比55.3%と大きく販売台数を落したが、2020年に3月にフルモデルチェンジしたルークスによって販売台数を上積みし、新型コロナウイルスの影響の中でも善戦と言える結果を残した。

車名別新車販売台数ランキング(軽自動車)

 次に2020年における車名別の新車販売台数(軽自動車)をランキング形式で見てみよう。

2020年 車名別新車販売台数ランキング トップ10(軽自動車)。 出典:一般社団法人 全国軽自動車協会連合会の資料より作成

ホンダ・N-BOX 出典:ホンダ

1位:ホンダ・N-BOX 19万5984台(前年比77.3%)

 1位は、ホンダ・N-BOXで販売台数は19万5984台だった。

 N-BOXは、2011年の発売以来連続してTOP3にランクインするトールワゴンタイプ。実に6年連続の首位戴冠である。2位以下に約5万台以上の差をつけて首位をキープする結果となった。

 普通車トップのトヨタ・ヤリスの販売台数が15万1766台なので、乗用車全体で見ても独走状態である。しかし、新型コロナウイルスの影響には抗えず前年比でみると20%以上販売台数を落とした。


スズキ・スペーシア 出典:スズキ

2位:スズキ・スペーシア 13万9851台(前年比84.1%)

 2位は、スズキ・スペーシアで販売台数は13万9851台だった。

 スペーシアは2018年12月にSUV風のエクステリアをまとったスペーシアギアを発売。俳優・ムロツヨシ氏を起用したCMを展開するなど、遊び心を感じさせるイメージ戦略が功を奏しており、昨年3位から1ランクアップした。とはいえ、こちらも前年比でみると16%も販売台数を落とした。


ダイハツ・タント 出典:ダイハツ

3位:ダイハツ・タント 12万9680台(前年比74.0%)

 ダイハツ・タントは販売台数12万9680台。スズキ・スペーシアに押される形で3位となった。

 タントは2017年に一度トップ3から転落したが、2019年7月のフルモデルチェンジにより返り咲きを果たしている。プラットフォームを40kg軽量化し、エンジンにマルチスパーク(複数回点火)を採用した低燃費化や安全運転支援装備の充実がトップ3入りの一因だろう。こちらも新型コロナウイルスの影響を受けて前年比でみると26%販売台数を落とした。


ダイハツ・ムーヴ 出典:ダイハツ

4位:ダイハツ・ムーヴ 10万4133台(前年比84.8%)

 4位はダイハツ・ムーヴで販売台数は10万4133台だった。

 ムーヴは2017年にマイナーチェンジして販売台数を伸ばしたが、それ以降に大きな刷新はなく、2018年から3年連続で販売台数を落としている。


日産・ルークス 出典:日産

5位:日産・ルークス 7万2820台(2020年3月発売)

 5位は、日産・ルークスで販売台数7万2820台だった。

 ルークスは2020年3月にフルモデルチェンジして発売。ランキング圏外から一気にトップ5の仲間入りを果たした。安全運転支援システムやステアリングアシスト、SOSコールなどの機能を搭載したことが功を奏したようだ。

 トップ10の中で唯一販売台数を伸ばしたのは6位のスズキ・ハスラー(前年比138.5%)。ハスラーは2020年1月にフルモデルチェンジしたばかりで、多彩なカラーバリエーションや安全運転支援装備の充実、近年のSUV人気もあって好調だ。

 また、ランキングを見てみると、上位の顔ぶれには大きな変化がなく、トールワゴン人気が継続していることがわかる。トップ3は、いずれも全高1700mmを超えるトールワゴンで後席にスライドドアを配したタイプである。


 新型コロナウイルスの影響により移動のニーズが変化しており、感染症対策のためにマイカー購入を視野に入れるユーザーが増加したといわれている。そういったコロナ禍の変化が軽自動車販売にどのような影響を与えるのか、2021年についても興味深くみていきたい。

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