世界の活火山5選。ストリートビューで煮えたぎる溶岩を見に行く
地球は生きている。そのことを活火山はたびたび教えてくれる。地球の血液と表現される煮えたぎるマグマや、火山活動によって生み出された美しい景観は、観光地としても人気が高いが、今やストリートビューでも見ることができる。本記事では、ストリートビューで訪れることができる、世界中の火山から活火山5つをご紹介しよう。
火山活動がもたらす力強い景観をストリートビューで見る
地球の生命力を感じる自然現象のひとつに火山活動がある。噴火による爆発は、時に人々が住む街を溶岩や灰で覆ってしまう、脅威ともいえる存在だ。中でも、最も有名な噴火といえば、古代都市ポンペイを一夜にして死の街へ変えたヴェスヴィオ火山の大噴火だろう。しかし一方で火山は、恐ろしくも力強く美しい姿を見せてくれる。実際に見に行くのは大変だが、Googleストリートビューなら、手軽に、世界の活火山の景観や溶岩を訪れることができるので紹介しよう。
マラム火山(バヌアツ共和国)
オーストラリアの東に位置するバヌアツ共和国、アンブリム島にある2つの活火山。そのうちのひとつが、マラム火山だ。現在も活発に活動しているマラム火山の山頂には12km×8kmほどの巨大なカルデラがあり、マラム火口が口を開けている。火口の底には、世界に5つしか存在しないという希少な溶岩湖がある。
ストリートビューでは溶岩湖の中の、700℃~1200℃に達することもあるという、煮えたぎり飛沫をあげる溶岩を見ることが可能だ。ほかにも、火口を100mほど降りた地点の岩棚から溶岩湖を見渡せる画像もあり、その景観は圧巻というよりほかにない。
ヤスール山(バヌアツ共和国)
同じくバヌアツ共和国はタンナ島にあるヤスール火山は、世界で最も火口に近づける活火山として有名だ。絶えず噴煙を噴き上げている様子は、遠くからでも眺めることができるそうで、その存在感は偉大でさえある。火口では、数分に一度のペースで爆音と共に溶岩が噴きあがり、特に夕暮れや暗闇の中で見る噴火は幻想的でもあるという。
ストリートビューでも、オレンジ色に輝く溶岩が噴き上がっている瞬間を観察できる。現地では、噴火の際に火山弾が降ってくる危険もあるということだが、ストリートビューならば万が一にも火山弾が当たる心配はないので安心だ。
エトナ山(イタリア)
イタリアのシチリア島東海岸にあるエトナ山は、ヨーロッパ最大の活火山であり標高は3323mである。その火山噴火の歴史は50万年前まで遡り、記録に残る最古の噴火活動は2700年前のものであるといわれる。火山とその斜面は1987年からエトナ公園となっており、2013年には世界自然遺産にも登録された。
世界で最も活発な火山と呼ばれるこのエトナ山は、標高2920mの噴火口区域までバスやロープウェーで登ることができる観光名所でもある。辺り一面から水蒸気が出ている様子は、もちろんストリートビューでも窺える。また、火口を囲むように多数ある360°ビューでは、雄大な景色をぐるりと見渡すことも可能だ。
キラウエア火山(アメリカ)
ハワイ島にあるキラウエア火山は、ハワイで1番人気の観光スポットといっても過言ではないだろう。世界自然遺産に登録されているハワイ火山国立公園の中にあり、1983年の噴火以来、現在も断続的に噴火を継続させていた。中でも最も活動している火口はハレマウマウ・クレーターだったが、2018年に起こった大規模な噴火活動以降は収束している。
そのため、残念ながらストリートビューでも、以前のようなオレンジ色に輝く溶岩を見ることはできなくなってしまった。しかし、火山活動によって生み出されたクレーターと、地平線まで続くかのような雄大な景観は健在だ。
阿蘇山(日本)
熊本県阿蘇市に位置する阿蘇山は、古代中国の史書にも表記があるとされる活火山。東西約17km、南北約25kmという世界最大級の大きさを誇るカルデラの中には、現在も活動中の中岳をはじめとする中央火口丘群が存在する。
周囲4kmにも及ぶ巨大な噴火口の中岳の、噴煙やエメラルドグリーンの火口湖がある景観を、ストリートビューでも楽しむことができる。ちなみに現在、中岳火口へのロープウェーは架け替え工事中で、2020年中の運行再開を目指しているとのことだ。
世界中にはまだまだ数多くの活火山が存在していており、地球の生命力を我々に感じさせてくれる。地表よりさらに下にある煮えたぎる溶岩や、火山活動によって生み出された景観。それらを家にいながら臨めるストリートビューを使って、あなただけの冒険に出かけてみてはいかがだろうか。