車内感染対策の意識向上。TOP3は「マスク」「一人で乗る」「窓開け換気」
緊急事態宣言後、車の使われ方はどう変わったのか。自家用車を所有するドライバーを対象にした「緊急事態宣言下のカーライフに関する調査」結果が発表された。それによると、クルマの利用目的や車内で行うようになったことなど、新型コロナ感染予防を意識しているドライバーの心情が窺えた。
緊急事態宣言下に増加したクルマ利用
この調査は、20~69歳のマイカー所有者を対象に、ホンダアクセスが調査を実施した。新型コロナ感染対策を念頭に置いて行動することが当たり前になった社会状況下では、クルマの利用目的も変わってきているようだ。
まず、緊急事態宣言下での車の使用頻度については、全体で6割以上が「増えた」と回答していた。特に多かったのは20代で、男性は79%、女性75%といずれも8割近くにのぼった。外出自粛を呼びかけられていた中、これほどまでに車利用が増加したのは何故なのだろうか。
クルマ利用が増えたと回答した人に理由を聞いてみると、「生活必需品の買い物」が85.8%。次に多かった「通勤・通学」が22.6%と比べても断トツで高い数値である。
一方で、別の質問では「ドライブに行かなかった(自粛した)」人が9割を超えた。これらのことから、ドライバーのクルマ利用の増加は、必要最低限の目的にとどまっていたと考えられる。日常の買い物や通勤などの必要最低限の移動で、公共交通機関ではなくマイカーを選択した結果、使用頻度が増加したわけであって、レジャーとしての利用に注目が集まったわけではなさそうだ。
車内の新型コロナ対策は?
前述した感染リスクを避けるための行動は、車内での行動にも表れていた。緊急事態宣言下にクルマを運転した人は、「マスクをする」ようになった人が過半数近くを占めた。次いで、「一人で乗る」が36.3%、「窓を開ける」が31.7%で、 “うつらないうつさない” ことを意識しているドライバーが多いことが分かった。
また、除菌グッズを車内に備えるドライバーも見受けられた。ほかにも、「エアコンを外気導入にする」といった車の機能を利用する層も1割弱ではあるが存在した。
さて、換気機能をはじめとした車の諸機能は、日ごろのメンテナンスがあってこそ利用できるもの。実際にドライバーが緊急事態宣言下で行ったメンテナンスは、「洗車をする」26.3%が最も多い回答だった。次いで「車内を掃除する」20.4%と「車内を換気する」15.3%と続いた。また、「タイヤを点検する」や「定期的にエンジンをかける」といったドライバーも見受けられた。
JAFによると、2020年5月の故障救援実施件数の総数は前年よりも減少したにもかかわらず、過放電バッテリー(バッテリー上がり)だけを見ると、5万5586件から6万4149件へ増加したという。乗らない状態が長く続いている時には、こまめなメンテナンスを心がけたい。