自動車税、納付困難者に特例措置。徴収猶予を各自治体で対応
生活に多大なる影響を及ぼしている新型コロナウイルス感染症。その影響を考慮し、自動車税を含めた地方税納付について、徴収猶予の特例措置が全国の自治体から発表されている。
自動車税の納付について、徴収猶予の特例措置
自動車税・軽自動車税は都道府県(軽自動車は市町村)に収める地方税である。納税の義務があるのは、4月1日時点で自動車を所有している人で、納税額は排気量によって10段階に分けられている。例年5月末日(※)が納付期限となっているが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により納付が困難な人に対して、徴収猶予の特例措置が実施されている。基本的には全国でこの特例措置が実施されているようで、申請によって受けられる徴収猶予期間は1年間となっている。その間、担保は不要、延滞金も発生しない。この措置は、自動車税に限らずすべての地方税が対象となっている。申請方法などは各自治体によって異なる可能性があるが、東京都の場合は下記の通りだ。
※ 青森県と秋田県は6月末日が納付期限。
【徴収猶予の「特例制度」概要】
対象者:下記2つの要件を満たしている人
・2020年2月以降の任意の期間(1か月以上)において、新型コロナウイルス感染症の影響により事業等に係る収入が前年同期に比べて概ね20%減少している
・一時に納付し、又は納付を行うことが困難であること
対象期間:2020年2月1日~2021年1月31日に納期限が到来するすべての都税
※ 自動車税環境性能割、狩猟税等を除く
猶予期間:1年間
※ 担保不要、延滞金全額免除
申請期限:納税通知書に記載の納期限まで
※ ただし、2020年2月1日~6月30日までが納期限の場合は、すべての申請期限を6月30日とする。
必要書類:
・徴収猶予申請書
・財産収支状況書(100万円未満)もしくは財産目録・収支の明細書(100万円以上)、収入減少等の証明が可能な書類(売上帳、現金出納帳、給与明細、預金通帳等のコピーなど)
※ 書類は「特例制度用」に記載が必要
上記書類を郵便等で所管の都税事務所へ送付。数日~20日程で、審査結果の通知書と新たな納付書が郵送されてくる。
また、上記「特例措置」の要件を満たしていない場合でも、以下のケースに該当する場合は通常の徴収猶予制度を受けることが可能だ。
【「徴収猶予制度」申請要件】
・新型コロナウイルス感染症の患者が発生した施設で、消毒作業が行われたことにより備品や棚卸資産を廃棄した場合
・納税者本人、または生計を同じにする家族が病気にかかった場合
・事業を廃止、または休止した場合
・事業の利益減少などにより著しい損失を受けた場合
徴収猶予制度も、猶予期間は基本的に1年間となっている。なお、申請が下りた場合、期間内には一括ではなく分割での支払いも可能になるケースもある。東京都の場合には、そうした分割納付金などの詳細について、適宜相談にて本人に合わせた方法を提案してくれるとのことだ。
いずれの猶予制度も、税事務所ごとに申請方法などが異なる場合があるので公式HPなどで詳細情報の確認をするようにしよう。また、どちらにも該当しない場合でも、納税緩和制度として「申請による換価の猶予」が適用されるケースもある。
東京都主税局の担当者によると、「自分にはどの制度が該当するか分からないケースなども、ぜひ相談していただければ嬉しい」とのことなので、悩んでいる人はまずが相談してみるのが良いだろう。