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最終更新日:2020.01.29 公開日:2020.01.29

【動画あり】首都高・神奈川7号横浜北西線を走ってみた!

首都高は、開通を3月22日(日)に控えた神奈川7号横浜北西線の報道向け現場公開を実施。横浜港北IC・JCTから横浜青葉IC・JCTまで、バスによる全区間の走行が行われた。今回は、その車窓からの景観を動画で紹介する。

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 首都高・神奈川7号横浜北西線(K7北西線)は、E1東名高速および厚木街道(国道246号)と接続する横浜青葉IC・JCTから、首都高・神奈川7号横浜北線(K7北線)と第三京浜と接続する横浜港北JCTまでを接続する、延長約7.1kmの高速道路だ(トンネル区間は約4.1km)。ルートは画像1の通りだ。

画像1。K7北西線のルート。番号は、掲載した4本の動画それぞれの出発および到着地点。

 K7北西線はこの3月22日(日)に開通し、横浜と首都圏の交通を大きく変えると期待されている。今回は、K7北西線全線をバスで走行し、その車窓からの景観を動画で収録。4本に分けて掲載した。

動画1:トンネル東方出入口~横浜港北JCT。景観のよさがポイント

画像2。K7北西線の横浜港北JCT。今回が初公開となる。オーバーパスする連絡路の最高地点は44メートルもある。

 動画1は、画像1のルート図の(1)東方(ひがしかた)地区のトンネル出入口から(2)横浜港北IC・JCT(画像2)までの高架(橋梁)区間を収録した(画像3)。画像2を撮影した地点は、横浜港北JCTの上り車線では最も高い辺りで約35mの高さがある。また画像2では上り車線をオーバーパスする連絡路があるが、これは横浜港北IC入口や第三京浜からの連絡路で、横浜青葉IC・JCT方面へ向かう下り車線に接続している。ちょうど画像2に写っている辺りが最高地点で約44mの高さがある。

画像3。トンネル区間を出て横浜港北IC・JCT側は上下線が重ねられたダブルデッキ構造が採用されている。

 また高架区間の特徴は、上下線がダブルデッキ構造となっていること(画像3)。さらに、横浜港北JCTには3月22日に同時にICも開通する予定だ。そのため横浜港北IC・JCTは複雑なレイアウトになっており、本線のダブルデッキの上下にも連絡路が重なる。最大5層構造になる場所もあるほどだ。ちなみにその5層構造は、以下の通り。

●地上4層目:下り本線に接続する連絡路
●地上3層目:上り本線
●地上2層目:下り本線
●地上部(1層目):横浜港北IC出口への連絡路
●地下部(1層目):横浜港北IC入口からの連絡路

動画1。再生時間3分34秒。なお今回、バスは安全のために時速20kmほどで走行している。ちなみに高架区間の舗装はまだ完了していない。

動画2:横浜港北JCT~トンネル内。

画像1を再掲載。動画2は(2)横浜港北JCT⇒(1)トンネル区間・東方出入口の少し先まで。

 動画2は、(2)横浜港北IC・JCTから高架区間を戻りつつ、(1)の少し先、東方地区の出入口~トンネル区間に入ってしばらくしたところまでを収録した。今回は走行していないが、地上4層目・高さ約44mで上り本線をオーバーパスする連絡路は、上り本線より1層下の下り本線に接続するため勾配がきつく、ちょっとしたジェットコースターのような感覚に近いのではないだろうか(画像4)。

画像4。横浜港北IC・JCTを、東方地区のトンネル出入口側からドローンで空撮したもの(2019年11月撮影)。

 ちなみに東方地区のトンネル出入口は、上下線の間にもうひとつ出入口が設けられている(画像5)。これは、道路下安全空間(避難通路・画像6)へつながっており、緊急車両が同空間内へ入るための緊急用の出入口だ。一方、北八朔地区のトンネル出入口にはなく、別の位置から緊急車両が出入りできるようになっている。

画像5。K7北西線のトンネル区間、東方地区出入口をドローンで空撮したもの(2019年9月撮影)。

画像6。トンネル区間は路面の下に火災発生時などに逃げ込むための避難通路があり、非常時は緊急車両がここを走行することも可能。

動画2。再生時間6分47秒。5分00秒頃からトンネル区間内に入る。

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続いては横浜青葉IC・JCT近辺

動画3:トンネル内~横浜青葉JCT。最下部から5%の急勾配区間

画像1を再掲載。動画3はトンネル内の(3)⇒(4)横浜青葉JCTまで。

 動画3は、トンネル区間の途中を割愛し、横浜市営地下鉄のトンネルの下をアンダーパスする(3)の辺りからスタート。その後に、鶴見川の川底をくぐると、青葉IC・JCT(画像7)に向けて上り勾配5%という急坂路となる。そして北八朔地区のトンネル出入口を通り、E1東名高速をオーバーパスする横浜青葉JCTの頂点付近までの様子を収録した。

画像7。首都高・神奈川7号横浜北西線の横浜青葉IC・JCT。厚木街道(国道246号)を背にして撮影。

 K7北西線のトンネル区間は、シールドマシンがモグラのように横穴を掘り進む「シールド工法」で建設されている(画像8)。その際、難しかったのが既存の構造物、つまり横浜市営地下鉄グリーンラインをアンダーパスするときだったという(ルート図の(3)のすぐ左側)。地下鉄の構造物に一切影響を与えないようにする必要があったからだ。また、鶴見川(ルート図の(3)のさらに左側)をくぐるときは、川底から10m深い地点を掘り進むことで、川底が抜けるような事態を回避したそうである。

画像8。シールドマシンの先端部分。巨大なドリルで地中をモグラのように掘り進む。2017年3月のK7北西線のシールドマシン発進式で撮影。

 なお、鶴見川をくぐるためにトンネルの深度を下げてから、そこから東名高速をオーバーパスする横浜青葉JCTへと向かうため、北八朔地区側は5%という急勾配の坂路となる。いわゆるサグ区間となっており、K7北西線の下り線(横浜港北IC・JCT側⇒横浜青葉IC・JCT側)を利用する際は、この近辺の速度低下に注意する必要がありそうだ。

動画3。再生時間8分1秒。3分過ぎにトンネル区間から出て横浜青葉JCTへ向かう高架区間となる。

動画4:横浜青葉JCT~東方地区トンネル出入口。下りの急勾配を体感

画像1を再掲載。動画4は(4)横浜青葉JCT⇒(1)トンネル区間・東方出入口を収録。

 最後は、(4)横浜青葉JCTからスタートして、北八朔地区でトンネル区間に入り、(1)東方地区のトンネル出口までを収録した(トンネル内は途中を割愛した)。動画3とは逆に下り坂なので(画像9)、北八朔地区の田畑が広がっている様子を見やすい(画像10)。またトンネル内は、下りなので動画3の上り坂以上に5%という急勾配を見て取れる。

画像9。横浜青葉JCT上にて、横浜青葉ICを背にして料金所方面を見て撮影。路面の舗装が真新しく、白線の白さが眩しい。

画像10。ドローンによる北八朔地区のトンネル出入口付近の空撮画像(2019年11月撮影)。上り線は下り坂のため、周囲の風景を見やすい。

動画4。再生時間7分13秒。(4)横浜青葉JCTから(1)の東方地区のトンネル出入口まで。


 今回、横浜港北IC・JCT側の高架区間などがまだ舗装が済んでいないが、こうしてバスで走れるようになった。K7横浜北西線の完成が近づいていることを理解してもらえたことだろう。

 なお、K7北西線が開通すると、首都高としては初めて2か所でE1東名高速と接続することになる。そのため、現行の1320円が上限のETC料金制度では同じ目的地へ向かうのに首都高を長距離利用した方がトータルで安くなる状況が生じてしまう。そのため、E1東名高速~K7北西線(上下線どちらも)の連続利用に限り、首都高の上限料金を1800円に調整する方向で手続きが進められている。料金に関しては、近いうちに正式発表される予定だ。

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