新車燃費ランキング2019【乗用車・小型車(ガソリン車)】1位はカローラスポーツ。
国土交通省は、2019年12月現在新車として販売されている車種のうち、WLTCモードで計測した燃費データがあるクルマについて、その数値を発表した。ガソリン車のうち最も燃費の良かったクルマは「トヨタ・カローラスポーツ」で、燃費性能は30.0km/Lだった。
WLTCモードとは?
今回紹介するのは、世界基準の燃費測定方法「WLTCモード」で測定されたガソリン車の燃費ランキングである。まだ、市販車のすべてが「WLTCモード」の燃費を公表しているわけではないので、そこは注意してほしい。
WLTCモードとは、「世界統一試験サイクル」といわれる国際的な試験方法のことで、2014年3月に国連欧州経済委員会自動車基準調和世界フォーラムで採択された。「市街地モード」「郊外モード」「高速道路モード」の3つの走行モードによる燃費とそれらを総合したWLTCモードの4つの燃費が表記される。これによりユーザーは、自身の使用条件に合った燃費を比較することが可能となった。
日本ではこれまで「10・15モード」、「JC08モード」という測定方法が使用されていたが、2017年の夏以降から徐々にWLTCモードが使われるようになっている。
新車燃費ランキング2019・乗用車、小型車(ガソリン車)
それでは早速、2019年12月現在に新車として販売されている乗用車・小型車(ガソリン車)の燃費ランキングを見てみよう。なお、同一車種名のグレード・仕様違いなどは最も燃費の優れたものを採用した。
1位:トヨタ・カローラスポーツ 30.0km/L
新車の乗用車・小型車(ガソリン車)の中で、WLTCモードの数値が最も良かったのは、トヨタのコンパクトカー「カローラスポーツ」。
カローラスポーツは、2018年6月に発売されたハッチバック型の乗用車。グレードは、ハイブリッド車、ガソリンエンジン車共通で「G」、「G”X”」、「G”Z”」がある。
ハイブリッド車は1.8Lガソリンエンジンとモーターを組み合わせた「HYBRID G」、「HYBRID G”X”」、「HYBRID G”Z”」の3種類。ガソリン車は1.2Lガソリンエンジンの「G」、「G”X”」、「G”Z”」の3種類だ。
今回1位となったのは、ハイブリッド車の「HYBRID G」と「HYBRID G”Z”」。燃費値は30.0km/Lである。
2位:トヨタ・カローラ、トヨタ・カローラツーリング(2WD) 29.0km/L
続いて、WLTCモードの数値が良かったのは、トヨタ・カローラ(2WD)とトヨタ・カローラツーリング(2WD)で、同率2位となった。
トヨタ・カローラは、1966年に登場してして以来のロングセラー。現在販売されているカローラは12代目である。カローラツーリングは、同モデルのステーションワゴン型。
グレードは、ガソリンエンジン車、ハイブリッド車共通で「G-X」、「S」、「W×B」の3グレードがある。
ハイブリッド車は1.8Lのガソリンエンジンとモーターを組み合わせた「HYBRID G-X」、「HYBRID S」、「HYBRID W×B」があり、それぞれに2WDと電気式4WD「E-Four」が設定されている。
ガソリン車は、1.8Lガソリンエンジンの「G-X」、「S」、「W×B」。1.2Lガソリンターボエンジンで6速MTの「W×B 1.2L TURBO・6MT」が設定されている。
今回2位となったのは、トヨタ・カローラ(2WD)、トヨタ・カローラツーリング(2WD)のハイブリッド車「HYBRID S」と「HYBRID G-X」で燃費は29.0km/Lである。
4位:ホンダ・インサイト 28.4km/L
4位になったのはホンダ・インサイト。
ホンダ・インサイトは、1999年に初代が誕生し、2006年に生産・販売を終了。3年後の2009年に復活するも、2014年に再び生産を終了。その後、4年の時を経て2018年に3代目として復活したクルマである。3代目といっても共通点はハイブリッド専用車というだけで、ボディ形状や車格、コンセプトは世代ごとに大きく異なっている。
グレードは、「LX」、「EX」、「EX BLACK STYLE」の3種類。パワートレインはいずれも、1.5Lのガソリンエンジンとモーター2つ(2WD)を組み合わせた2モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-MMD」を搭載している。
今回4位となったグレードは、LXで燃費値は28.4km/Lである。
5位:トヨタ・C-HR 25.8km/L
5位になったのはトヨタ・CH-R。一般的に燃費の悪いイメージがあるSUVでも上位にランクイン。
トヨタ・CH-Rは、同価格帯のコンパクトSUVとしては珍しく、ニュルブルクリンクを初めとするさまざまなコースでの走行テストを実施。ステアリングやショックアブソーバーのチューニングなどで、走行性能や乗り味を追求したモデル。
グレードは、1.2Lガソリンエンジン車の「S-T」、「G-T」。1.8Lガソリンエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド車「S」、「G」の4種類を基本として、ガソリン車、ハイブリッド車ともに2WDと4WDの仕様がある。さらに2019年10月のマイナーチェンジでモータースポーツの知見をフィードバックして走行性能を高めた「S-T”GR SPORT”」「S”GR SPORT”」が仲間入りした。
今回5位になったのは、ハイブリッド車の「S」と「G」で燃費値は25.8km/Lとなった。
WLTCモードでの燃費性能の良い新車6~10位は以下の通り。
6位:ホンダ・シャトル 24.8km/L
7位:レクサス・UX250h 22.8km/L
7位:トヨタ・シエンタ 22.8km/L
9位:トヨタ・カムリ 21.6km/L
10位:トヨタ・RAV4 21.4km/L
2019年12月現在の乗用車・小型車(ガソリン車)の新車における燃費性能トップ10のうち7車種はトヨタであり、カローラがトップ3を総なめにした。ちなみに今回は、WLTCモードの測定値を取り上げたので、従来のJC08モードでのみ測定されていた「トヨタ・プリウス」や「日産・ノート」は入っていない。
例えばトヨタ・プリウス Eの燃費はJC08モードで39.0km/L。今回トップのトヨタ・カローラスポーツの燃費はJC08モードで34.2km/Lなので、カローラの燃費性能はプリウスには及ばないだろう。しかし、測定方法によって値は変わるので、WLTCモードで測定したプリウスの燃費が知りたいところだ。
【お詫びと訂正】公開時、ランキングの前提条件に表記漏れがありましたので、正しい表記に修正いたしました。お詫びして訂正させていただきます。