京急線、羽田空港2駅を含む6駅が駅名変更。3月14日から。
京浜急行電鉄株式会社は、京急線6駅の駅名を3月14日に変更することを発表した。対象となる既存駅は、産業道路駅、花月園前駅、仲木戸駅、新逗子駅、羽田空港国際線ターミナル駅、羽田空港国内線ターミナル駅だ。
記念行事の一環として駅名変更を実施。
京浜急行電鉄が行う今回の駅名変更は、同社創立120周年記念業として沿線地域の活性化につなげることを目的に実施される。対象となる既存駅は、産業道路駅、花月園前駅、仲木戸駅、新逗子駅の4駅。また、羽田空港国際線旅客ターミナルの名称変更にともない、羽田空港国際線ターミナル駅と羽田空港国内線ターミナル駅の名称変更もされる。実施日はいずれも2020年3月14日。
【対象駅】
大師線 産業道路駅 → 大師橋駅
本線 花月園前駅 → 花月総持寺駅
本線 仲木戸駅 → 京急東神奈川駅
逗子線 新逗子駅 → 逗子・葉山駅
空港線 羽田国際線ターミナル駅 → 羽田空港第3ターミナル駅
空港線 羽田国内線ターミナル駅 → 羽田空港第1・2ターミナル駅
町名や地域シンボル、利便性を考慮した新駅名。
・大師線 産業道路駅 → 大師橋駅
「大師橋駅」へと変更となる産業道路駅は、かつて神奈川県道6号東京大師横浜線に踏切があったが、2019年3月に駅が地下化され踏切が廃止された。それにともない、新しい街づくりのさらなる契機とするべく、川崎市と大田区を結ぶ懸け橋で、地元のシンボルである「大師橋」が採用された。
大師橋は、天気に恵まれれば富士山を望むことができる。そして毎年期間限定でライトアップも実施されており、夜に浮かび上がる美しいAラインの主塔と放射線状に貼られたケーブルの造形美を楽しむことが可能だ。
ちなみに、2019年のライトアップは12月24日~25日、12月31日~2020年1月3日の計6日間となっている。
・本線 花月園前駅 → 花月総持寺駅
「花月園」はかつて東洋一の遊園地として、閉園後は競輪場としてにぎわいを見せていた。しかし、2010年に競輪場は閉場。跡地は競輪場側が地区公園、線路側が住宅地および道路として整備される予定だ。
今回の変更では、新たな街づくり計画の一環として、駅から徒歩7分の距離にある曹洞宗大本山として全国的に名の知れた「総持寺」が駅名に入れられることになった。現在では授与されていないが、かつて授与されていた達磨の絵入り御朱印といえば、分かる人も多いのではないだろうか。
大晦日には一般参拝客も除夜の鐘をつくことができ、例年多くの参拝客でにぎわっている。
ちなみに、京急電鉄によると、新駅名に残された”花月”の文字は、かつてこの地に花月園があったことを残していきたい、という地元への想いが込められているそうだ。
※正式名称は「總持寺」。駅名には通用字体が使用される。
・本線 仲木戸駅 → 京急東神奈川駅
仲木戸駅は、もともと「仲木戸」という名称は、江戸時代に「神奈川御殿」という将軍の宿泊施設があり、木の門を設けて警護されていたことからこの一帯が「仲木戸」と呼ばれていたことに由来している。それゆえに、実は地元に住む60歳代以上の人は、「仲木戸」という名称の方が親しみがあるそうだ。
しかし、利便性の面ではJR東神奈川駅との間に連絡するペデストリアンデッキがありながら、駅名が全く異なるために乗り換え可能な駅としての認知度は低かった。今回の変更では、「京急」を冠して同駅名とすることで、乗り間違いを防ぎ利便性を高めることが期待される。
・逗子線 新逗子駅 → 逗子・葉山駅
羽田空港からの直行電車の終端駅であるため、保養地・景勝地としてブランド力がある「葉山」が行先として表示されることで、京急で葉山方面にアクセスできることをアピールする狙いがある。
また、逗子・葉山ともに三浦半島のさらなるイメージ向上、定住人口、交流人口増加による地域活性化を図る目的だ。ただし、実際に駅から葉山まで行くにはバスの利用などが必要なので、事前に駅からの交通手段を調べることをおすすめしたい。
・空港線 羽田国内線ターミナル駅 → 羽田空港第1・2ターミナル駅
・空港線 羽田国際線ターミナル駅 → 羽田空港第3ターミナル駅
現在は国内線の就航のみである第2旅客ターミナルビルで、2020年3月から国際線対応が開始される。それにともない、国際線旅客ターミナルビルの名称も「第3旅客ターミナルビル」へと変更される予定だ。
今回の駅名変更は、このターミナルビル名変更に合わせ実施される。
分かりやすい副駅名標も新たに表記される。
今回駅名変更をしない駅においても、「副駅名標」が駅看板の下部に表記される。
地域活性化を目的とした事業の一環らしく、「大森海岸駅」には「しながわ水族館」、「追浜駅」には「横須賀スタジアム」などが表記され、地元施設や観光名所などの最寄り駅が分かりやすくなりそうだ。とはいえ、今回変更される「花月総持寺駅」(現 産業道路駅)の隣駅、京急鶴見駅は副駅名標が「大本山總持寺」となっているので、少々ややこしいかもしれない。待ち合わせなどですれ違いにならないよう駅名の確認をするようにしたい。
また、羽田空港の2駅には副駅名標が付かないようなので、こちらも利用時に混乱しないようしっかり覚えておこう。
駅名変更の実施は春休みシーズンでもある。旅行などで利用する可能性がある場合などには、降車駅や乗換駅を間違えないよう行先の確認などを行うようにしたい。